【読むPodcast】#187 親友っていますか?(ゲスト:金子アユミちゃん)


アユミちゃんと「親友」について話しました。大人になると「親友だよね!」なんて言わないし、作り方も忘れちゃったし、いるかどうかもわからないなって思うけど、ちゃんと欲しいし作りたいなと思う昨今です。あなたには、「親友」がいますか?

栃尾

クリエイティブの。

アユミ

反対語。

栃尾

こんにちは、ストーリーエディターの栃尾江美です。

アユミ

デザイナーのアユミです。

栃尾

このポッドキャストは、私、栃尾江美がゲストをお招きして、クリエイティブに関することや哲学的なことを好き勝手に話す番組です。

アユミ

ほい。

栃尾

今日はですね、親友について話そうかな、と。

アユミ

(笑)はい。

栃尾

(笑)親友はいますか?

アユミ

親友は、そうっすねぇ、連絡ぜんぜん取ってない中学校からの同級生を親友って呼んでいた時期がありまして。

栃尾

へぇ。

アユミ

その子は高校までずっと一緒だったんですけど。

栃尾

うん。

アユミ

そこで、20歳過ぎまでは連絡取ってたんですけど、最近は年賀状のやり取りぐらいでしか連絡取ってないですね。

栃尾

あぁ、じゃあ、大人になってから全然会ってないってこと?

アユミ

そうですね、大人になってからホント会ってないですね、3回ぐらいしか会ってないです(笑)。

栃尾

そうか。

アユミ

それを親友と呼ぶのかどうかというのもありますね。

栃尾

随分、変化してるかどうかにもよるよね。 アユミちゃんは変化してるんだろうから、それで話が……。

アユミ

ちょっと違う気がするんですよね。

栃尾

かもしれないよね。特にさ、学生のときってさ、「親友だよね」って言いたがるじゃん、女の子たちって。

アユミ

言いたがる。「だよね」って肩くんじゃったりして(笑)。

栃尾

(笑)。だから、ちょっと微妙かもしんないね。

アユミ

そうですね。という意味では、江美さんとか。

栃尾

ありがとうございます。

アユミ

っていう話もあったりして。

栃尾

はい。

アユミ

うーん、難しいなっていうところですかね。

栃尾

私はさ、もともと女の子とあんまりベッタリしないタイプで、もちろん、学生の頃はそれこそ「親友だよね」みたいな人はいたけど、大学に入ってからはやっぱり疎遠になっちゃうし、そのあとね、社会人になったりしても女の子とそんなに距離を詰めれないんだよね。

アユミ

おぅ、そうなんですか。

栃尾

うん、たぶん。

アユミ

ほぇー。

栃尾

で、だいたい恋人ができるとそこでこう親友も兼ねてしまうというか。

アユミ

(笑)、まぁ、ありますよね。

栃尾

そう、そう。

アユミ

なんでも話せるから。

栃尾

そう。で、結婚してもそうだし。

アユミ

うん。

栃尾

だから、女の子の親友っていうのが、あんまり、ほかの子に比べるといないのかなと思っていて。

アユミ

はい。

栃尾

さっき「江美さんいますか?」って収録の前に聞かれて。アユミちゃんはかなり親友に、親友と呼びたいかな、と思ってるんだけど。

アユミ

いぇーい。うん、嬉しい。

栃尾

あとは、大学のときから仲の良い子が、一時期ね、そんなに連絡取らない時期もあったんだけど、まあ、今、またこう心が繋がってるかなって感じがするんだよね。

アユミ

ぅーん、それはきっかけみたいなことがあったんですか?

栃尾

あのね、私的にはなんだけど。

アユミ

うん。

栃尾

彼女がSNSを全然やらない人なの。

アユミ

あっ、そうなんですか。

栃尾

なんだけど、ブラウザでブックマークして私のツイッターを見ていると。

アユミ

かわいい(笑)。

栃尾

(笑)言っていて、結構、活動をチェックしているというか、追っているって聞いて。

アユミ

へぇ。

栃尾

それですごい私のこと知ってるわけ。

アユミ

ほぉほぉ。

栃尾

「なんか最近つらそうだったね」とかさ。

アユミ

あぁ、そうなんですね。

栃尾

そう、そう。で、「なんかすごい分かってくれてるんだな」って思ってさ。

アユミ

うん。

栃尾

で、すごい私のこと好きなんだなと思ってさ(笑)。

アユミ

いやぁ、嬉しいですね、それね。

栃尾

そう、そう。それで話したりするようになって、遠くに住んでるから、ビデオ会議みたいなので、よく最近はちょこちょこ飲んだり喋ったり……。

アユミ

あぁ、いいですねぇ。

栃尾

してるんだけどね。それで身近な人には言えないけど、一緒のコミュニティの人には言えないけど、なんか彼女には言えるかなということがあったりとかするんだよね。

アユミ

そうですよねぇ。うん、うん。

栃尾

どういう人が親友であると良いと思う?

アユミ

えぇー、どういう人なんでしょうね。やっぱり、同世代が良いのかなとは思いますけど……、それでも、年齢とかって最近じゃそんなに感じない部分もあったりするので、そういう意味では、なんだろうな、それこそ哲学的な話を最後までしっかり話せるような相手が私は理想かなと思ってるんですよね。

栃尾

あぁ、はい、はい。

アユミ

馬鹿にされないで、馬鹿にしないで話を聞いてくれるというか、まあ、江美さんとかそうだと思うんですけど。

栃尾

あぁ。

アユミ

かなぁ。結構、変なこと言って、「変なの」って言われて終わるタイプなので。

栃尾

なるほどね。

アユミ

江美さんは?

栃尾

私もさ、「分かり合いたい」というのが私の結構テーマでさ、ここ1、2年ね。それで言うと、自分が言ったことをスルーされるのはもう論外だけど、「あぁ、分かる分かる、こういうことでしょ?」って言われちゃうのも寂しいわけ、すごい。

アユミ

へぇ、何でですか?

栃尾

「いや、そんな簡単ではない」(笑)。

アユミ

(笑)。

栃尾

「もうちょっと聞いてください」って私的には思うわけ。だけど、そのときには、「分かる分かる」って言って、「分かるでしょ」、ワーって、面白く終わったりもするんだけど、あとから、「ぬぬぬ、ちょっと違ったかも」ってこともあるかな。

アユミ

あぁ、それは確かにわかります。

栃尾

とか、だから、ある程度、繊細に感じてくれて、でも弱くない人。

アユミ

うん。

栃尾

が、良いんだと思う。

アユミ

なるほど。弱くないっていうのはどういう意味なんですか?

栃尾

なんだろうね、なんかさ、自分のことでいっぱいみたいな人だとさ、私はさ、親友っていうのはお互い支え合うのだろうけども、でも、私が弱いときは支えて欲しいわけだよね。

アユミ

それはそうですね。

栃尾

で、あなたが弱いときは支えてあげたい。だけど、二人とも弱ってたらしょうがないんだけど(笑)、割と常に弱いみたいな、常に危ういみたいな感じだと、私が弱いときにはあんまり相談できないかなぁ、とかあるじゃん。

アユミ

遠慮してしまう気持ちがあるから。

栃尾

そう、そう。とか、一緒になんか崩れてしまうとかさ。だから、そうじゃなくて、ちゃんと感情に共感してくれるのはもちろんありつつ、論理的な話もできるっていう意味で、繊細かつ強いみたいな人が理想かなと思ったんだよね。

アユミ

なんか素敵な人間じゃないですか、それ絶対(笑)。それ絶対、素敵な人間。

栃尾

そう、そう(笑)。

アユミ

(笑)。

栃尾

そうなんだよ。大体、鈍感で強いっていう人はいると思うんだよね、いっぱい。

アユミ

あぁ、はい。

栃尾

いっぱいっていうか、普通に。だけど……。

アユミ

確かに繊細で強いって本物の強さなイメージがありますね。

栃尾

うん、自分は強いけど、人の繊細さに気付くとかでもいいけどね。自分自身はそんなに傷付かないけどみたいな人でもいいんだけど。

アユミ

うん。江美さんの親友になりたい人はどうしたらいいですか?

栃尾

(笑)。どういうこと?

アユミ

(笑)。いるかもしれないじゃないですか。

栃尾

あぁ、立候補みたいな?

アユミ

立候補。

栃尾

言っていただければ、それは。

アユミ

(笑)。

栃尾

(笑)。

アユミ

そうか。

栃尾

そうだね。アユミちゃんはちょっと弱さがあるもんね。

アユミ

そうですね、私はちょっと弱め、弱味ですね。若干ね。

栃尾

でもさ、結構、論理的に考えるよね?

アユミ

そうですか?

栃尾

うん。

アユミ

おぉ、嬉しい。

栃尾

冷静に。

アユミ

そう……、そうですね。

栃尾

そういうイメージ。だから、「私、弱っててもうダメなんです」みたいなのはあんまり聞いたことないっていうか。

アユミ

あぁ、それはそうですね。確かにないかもです。

栃尾

うん。「こういうことが嫌なんで、こうこう、こういう理由で」みたいにちゃんと説明する(笑)。

アユミ

説明してる(笑)。

栃尾

イメージがあるから。

アユミ

そうっすね。

栃尾

そう、そう。

アユミ

まあ、あんまりそういう意味では、感情的に何かを人に話したりとかあんまりないっすね。

栃尾

なんでなんだろうね?

アユミ

いやぁぁ、なんか人前で泣くなって言われてたんですよ。小さいときから。

栃尾

はい。

アユミ

(笑)。

栃尾

わかりますよ、はい。私も言われてたよ。

アユミ

そう、そう。なんか、感情的になったら私、絶対泣いちゃうんで。

栃尾

わかるよ。

アユミ

(笑)。そう、そういうのもあって、比較的冷静に話をするようにはしてますね。

栃尾

わかる~。でもさ、私、それこそ人の繊細さに気付いて、本人はとても強いっていう人に言われたんだけど、「泣く練習をしろ」と。

アユミ

えぇ。

栃尾

人前で泣いたほうがいいって。

アユミ

へぇぇ、そうですか。

栃尾

そう。自分の、つまり、泣くかもしれないから言わないでおこうみたいにしちゃうじゃん。

アユミ

そうですね。

栃尾

そう。私、本当にそうで、たぶん、アユミちゃんも同じタイプなんじゃない?

アユミ

そうですね。

栃尾

それで、わりと心の整理が付いてからしか言えないんだよね。

アユミ

そうですね。

栃尾

でも、その間ずっと傷付いているんだよね。

アユミ

そうですね。

栃尾

だから、その間(あいだ)に、人に話して、泣いたほうが回復が早いみたいな。

アユミ

へぇぇ、そうなんですか。

栃尾

ことだし、そっちのほうが健全だと。

アユミ

あぁ、まあ、確かにそうかもしれないです。

栃尾

すごくこう、泣くのを怖れて人に話さないっていうのは健康に良くない。

アユミ

うん。

栃尾

心の健康に良くないってことなんだと思うんだよね。

アユミ

そうかぁ。

栃尾

だから、私そのときはすごいさ、すごい大きく悩んでいることがあってさ。信頼している人をある程度選んで、話を聞いてもらったよ。

アユミ

あぁ、そうなんですか。

栃尾

泣きながら。

アユミ

えぇ、そうだったんですね。

栃尾

そう。っていう練習はしたんだけど、それもなんか時間が空いちゃうとまた人前で泣けなくなってきたけど最近は。

アユミ

あぁ、そうなんですか。へぇ。

栃尾

そう、そう。

アユミ

へぇ。

栃尾

でも、その泣ける相手っていうのもさ、まあ、親友の話からこの話になったけど。

アユミ

うん。

栃尾

結構、つらいときにそのまま「話を聞いて」って言えて、泣ける相手っていいんじゃないかなと思うんだよね。

アユミ

あぁ、そうですね、確かに。

栃尾

うん。

アユミ

まずは、泣く練習からですもんね、だってね。

栃尾

そう。「あっ、泣いちゃう」って思ったときに、「いいや、泣いてしまえ」って思うっていうこと。

アユミ

あぁ、「いいや、泣いてしまえ」って思うってことですね(笑)。

栃尾

そう(笑)。

アユミ

2回(笑)。

栃尾

噛みしめた?

アユミ

噛みしめました。

栃尾

そう。まあ、あるじゃん、そういうときは。

アユミ

そうか、じゃあ、そのときはお願いします。

栃尾

あぁ、ぜひぜひ泣いてください。

アユミ

それは、はい、そうっすねぇ。

栃尾

そうねぇ。

アユミ

へぇぇ。

栃尾

でね、「えっ、そんなの、めっちゃ泣いちゃうじゃん」って言ったら、「大丈夫だよ、人って泣き疲れるから」って言われたの。

アユミ

ぁぁ。

栃尾

「何回も話していると泣き疲れて泣かなくなるから」って。

アユミ

へぇ。

栃尾

実際、そうだった。

アユミ

そうなんだ。

栃尾

うん。

アユミ

疲れるっていうのは、一日……。

栃尾

泣き飽きるって言ったかな? 

アユミ

飽きるか、なるほど。それなら。なるほど。

栃尾

たぶんさ、「思い」ってさ、心のなかに秘めてるほど大きくなる。

アユミ

はい。

栃尾

例えば、ネガティブなのもそうだけど、人を好きみたいなのもそうだけど、押さえつけてるほど大きくなってしまって、人に話しているほど、どんどんラクになっていくんだと思うんだな。

アユミ

あぁ、ハッっとしましたね。確かにそうですね。

栃尾

うん。だから、必要とかいう言い方はあれだけど、たぶん心の健康のために親友っていうのがさ、人生には必要なんだと思うんだよね。

アユミ

なんか男女問わずっていう話もあるじゃないですか。

栃尾

あぁ、そっか。でもさ、結婚してると旦那さんが良ければあんまり関係ないかもしれないけど、パートナーの人が、私に例えば男の親友がいるって言ったら嫌かもしれないじゃん。

アユミ

うーん。

栃尾

だから、まあ、女性のほうがいいんじゃないかなと思うんだよね。

アユミ

あぁ、そっか。

栃尾

あとさ、やっぱり、そういう可能性がゼロとは言えないじゃん。

アユミ

まあ、そういう可能性ですね(笑)。

栃尾

まあ、今の時代、女性同士もゼロとは言えないのかもしれないけど。

アユミ

そうですね。

栃尾

だから、例えばレズビアンの人はどうするんだみたいなことはよく分からないけど、例えば、性的なパートナーも、恋愛としてのパートナーも女性だし、親友も女性だっていう場合もあるのかもしれなくて、それはよく分からないけど、そういう“しがらみ”みたいなのを感じないほうがラクなのかなと思うけどね。

アユミ

あぁ、そうかぁ。

栃尾

うん。

アユミ

男女の友情は成立すると思いますか?

栃尾

私は思うんだけどね。

アユミ

私も思うんですけどね。

栃尾

男性の親友っぽい人いる?

アユミ

いや、いないっすね。結局いない(笑)。

栃尾

うん。

アユミ

なんかこう、彼氏とかは、なりやすいですよね。

栃尾

仲良くなっちゃうと? え?

アユミ

一緒にいる時間が長い分いろんなことを話す時間があって、まあ、お互い知ってるから色々、ついでに悩みも相談しちゃうみたいな。

栃尾

うん、そうだね。

アユミ

そういうのは多いのかなぁと思いますね。

栃尾

でも私、男の人ですごい仲の良い人って、ずぅーっとはいないけど、そのときどきでは結構いる気がする。恋愛感情抜きで。

アユミ

うん、うん。

栃尾

「なんでも話すなぁ」みたいな人ね。

アユミ

ときどきでは、いるかもしれないですね。

栃尾

でも、やっぱり長続きしないのかな。

アユミ

ということは、成立しないってことっすか?

栃尾

わかんない(笑)。

アユミ

(笑)。

栃尾

それもちょっと検証したいね。

アユミ

そうっすね。そうすっと。

栃尾

はい。

アユミ

以上ですかね?

栃尾

(笑)。親友をね、ちょっと作りましょうってことで、はい。

アユミ

はい。

栃尾

えっと、何にしようかな、私の、えっと、『emitochio.net』っていうホームページがございまして、そこにポッドキャストの配信もそうなんだけど、これをテキスト化したものを載せていて、あと、頻度は減ってるけど、コラムっぽいのも書いているので、もしよければ見にきてください。

アユミ

はい、お願いします。

栃尾

はい、以上、栃尾江美と。

アユミ

金子アユミでした。

<書き起こし、編集:折田大器