
最近は「世界をわかりたい」というモチベーションでいろいろなことをしているという、イラストレーターのヤギワタルさん。わが道を行っているようなヤギさんですが、意外にも流行に流されて道を選んでいたことがあるそうで、そのことになにか嫌な気持ちがあるようです。詳しく聞いてみました!

クリエイティブの。

反対語。

こんにちは、ストーリーエディターの栃尾江美です。

イラストレーターのヤギワタルです。

このポッドキャストは私、栃尾江美が話したい人や好きな人をお呼びして、クリエイティブに関することや哲学的なことを好き勝手に話す番組です。引き続き、ヤギワタルさんに来ていただております。よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

えっとですね、休憩中にちょっとお話を聞いたら、「わかりたい」が強いと。

そうですね……

(笑)あれ? 強い?

世界を。

うん、世界を。

世界をわかりたいという気持ちだけで最近生きてますね。

(笑)わからなくもないです。今どういうところがわかりたいんですか?

「今どういうところがわかりたい」それまた難しいですね。

えっ、そっか。

まあ……

「なんでそう思うのか」とか。

色んなレイヤーがあるというか。

うん、うん。

自分が仕事で関わっているのが出版業界なんですけど。

はい。

その「出版業界ってどういうことになってるんだろう」っていうのを、僕は普段イラストレーターとして出版に関わっている、出版の仕事が多いので。

うん。

イラストレーターとして出版に関わってはいて。

はい。

そのイラストレーター目線では、ある程度理解できているつもりなんですけど、「他の人から見たらどうなってるんだろう」「他の人から見たらどういう風に見えてるんだろう」っていうのを気にするようになってきているんですよね。

ふーん。

「そうやって他の人から見たら、違う出版業界っていうのが見えるんじゃないか」と思って。

はい。

まず、誰が出版に関わっているのかっていうのを調べて、デザイナーとか、編集者とか、取次とか、あとは営業さんとか。

はい。

宣伝とかもあるのかな。

うん、うん。

まあ、事務とかもありますけど、出版社と、あとは書店か。

はい、はい。

あと読者っていうのがいますよね。出版に関わっているっていう仕事ではないですけど、読者がいるから成り立ってるみたいな。

はい。

で、それぞれから見て、どうなっているのか、っていうのを見るために、書店の人が書いた本とかを見ると。

ふーん。

並べ方にすごい工夫をしてるとか。

うん、うん。

仕入れ方とか、ビジネス……、なんだっけな、こないだ読んだのが『タイトル』っていう荻窪にある本屋さんの辻山さんっていう方が書いた本を読んだんですけど。

店長さんが?

店長さんが書いた本を読んだんですけど。

へぇ、タイトル?。

そうですね、荻窪にある……

タイトルっていう。

タイトルっていう。

タイプル?

『Title(タイトル)』。

『タイトル』っていう本屋さん。

はい。

へぇ、はい。

池袋のリブロで働いていた方が。

あぁぁ、はい。

リブロがなくなったタイミングで、自分でお店開いてやってるんですけど、「ビジネス本を置かない本屋じゃなくて、何割、自分が好きな本を全部置くっていう考えもあるけど、街の本屋としてはある程度新刊書が必要なんじゃないかみたいな考えがあります」とかって書いてて。

うん、うん。

なるほど、と。

本屋さんの。

本屋のあり方みたいなのを書いてるんですよね。

うん、うん。

本屋もどこに本屋があるかによって違ってて、そこは荻窪の駅から15分とか20分くらい歩かなきゃいけないところで、その辺に住んでる人のための本屋でもあるわけですよね。

そうですよね。

だから、その辺に住んでて、別におしゃれな本とか真面目な本が欲しいわけじゃなくて、ちょっと週刊誌買いたいとか、漫画買いたいっていう人も絶対いるから、そういう人にも本を置いてるとか。ショーウィンドウにはそういう人が通りかかったときに、「何だろう?」って思うような本を置くとかしてるって言ってて、なるほどな、みたいな。

役割がちゃんと。

そうですね。

そこに哲学みたいなのもあるわけですね。

そうですね。

ふーん。

で、まあ、そうやって「色んな人がいるんだなぁ」みたいなのをわかったっていう……。

(笑)。

だけですね。で、それが出版業界。

はい。

まあ、デザイナーの人の話とか聞くとすごく面白くて。

はい、はい。

まあ、印刷会社とか。

うん、うん。

印刷、こんなこだわってんだみたいな。

ね、印刷のところ、私も見てみたいなぁ。

とか。

なんて本ですか、それは?

デザイナーですか?

はい。

デザイナーのやつは、こないだ『アイデア』っていう雑誌が出て。

知らない。

で、「日本のブックデザイン史」っていうのを特集があったんですよ。

はい。

長田さんっていう編集者とか、デザイナーでいうと水戸部さんとか。

ふん、ふん、それで。

が関わってる号で、色んなトークイベントやってて、鈴木成一さん呼んだり。鈴木成一さんって、装丁家で、日本で一二を争う仕事量の方で。

へぇ、一緒に仕事されたことあるんですか?

何回か。

へぇ。

あって、とか、トークイベントで祖父江慎さんっていうコズフィッシュっていう、結構漫画とかが多いですかね。

ふーん。

とかやってる人の話を聞くと、装丁家は何を見てるかみたいなのは、また違うんだって。

うん、うん。

イラストレーターはイラストを使う本しか見てないですけど、装丁家はイラストを使わない本とかもいっぱいやってるんで、文字の置き方とか、書店に入ったときに見える本の見え方。

あぁ、はい、はい。

「何メートル先にあるときの見え方と、手に取ったときの見え方が違うんだ」みたいなことを言ってて、「なるほどなぁ」みたいな。

(笑)「なるほどなぁ」って。

「そんなこと考えてんだぁ」みたいな。

あぁ、はい、はい。

のがまあ面白いなと思って。

それ、でも出版という枠でそこまで手を伸ばしていくってことですかね。

そうですね。

ふーん。

そうすると、出版業界って言っても、一言で出版業界ですけど。

うん。

それが色んな層があることに気付く。

うん。

そうすると、自分の頭の中の出版業界っていうのが結構豊かになってくるんですよね。

うん、確かに。

色んな人の視点が入って来るから。

うん、うん。

だから、本を見たときに、そこから得られる情報量が違うんだと思ってるんですよ。

あぁ、それ教養ですね、まさにね。

そう、で、その延長線上で、例えば街を歩いて……、これなんか前も誰かに話したかもしれないですけど、街を歩いたときにその街から得る情報っていうのは、わかりたい……、わかりたいと繋がりますかね?

(笑)わかんない。

色んな視点に立ってないと、その街から得られる情報が違うんですよ。

そうですね。

自分の視点でしか、その街に行ったときに、自分の視点しか持ってないと、自分がどう思うかしかわかんない。

はい。

だから、京都とか行っても、何にも、子どものときに京都に行っても面白くないのは、何にもわかってないから。

そうですね。

ですね。でも、まあ、わかりたい……。なんでわかりたいかが、わかんないですけど。

(笑)。

ちょっと日本史を勉強してから京都に行くと、「ここアレか」みたいな。

うん、うん。

ここで、池田屋事件っていうのが、薩摩藩士が新撰組にやられたみたいなとこがあるんですけど。

はい。

そこが居酒屋になってて。

へぇ。

居酒屋なんだ、みたいな。

はい、はい。感慨深いですよねぇ(笑)。

感慨深いじゃないですか(笑)。

(笑)。

居酒屋になっちゃったみたいな。

由緒正しい場所なのにみたいな。

由緒(笑)。

由緒正しくはないか。

人殺し、あんな人殺しがあったとこで、ワイワイ飲んでんだみたいな。

確かにね。

とかまあ色々あって、まあ、わかるだけで面白いなぁ、みたいなことを感じますけど。

うん、うん。

まあ、それがどうなるのかっていうのはちょっとわかんないですね。

うーん、私も、わかりたい気持ち結構あるなって思ってて。

はい。

先ほどちょっとチラッと休憩時間にお話したりとか、このポッドキャストでも結構言ってますけど、植物を勉強し始めて。

うん。

でも、植物と言っても、植物学のほうにたぶん興味があって。

うん。

なんか、どうやってこう生存してきたのかとか、まあ、生存戦略ですよね、簡単に言うと。

うん。

「そういうことによって、なんか物事がわかるんじゃないか」という予感で勉強しているって感じなんですけど、今、ヤギさんがおっしゃったように、教養的なわかりたいっていうのはすごい少ないんですよね。

あぁ。

少ないっていうか、欲しいんだけど、そこに向かって行動できないっていうか。確かに、おっしゃってることはわかって、京都に行ったときに、歴史とかをすごい知ってると全然違うんだろうなと思うんですけど、全然気持ちが向かないっていう(笑)。

あぁ。ちょっと今思い出したんですけど。

はい。

「なんでわかりたいと思ったのか」っていうのを今ようやく思い出しました。

はい、はい。

今、イラストレーターなんですけど。

うん。

なんで自分がイラストレーターになったんだろうとかっていうのを気付いた瞬間っていうか。

へぇ。

別になりたいから、将来何になりたいって思う時点で、子どものときとかって全然モノ知らないのに、何になりたいとか思うのは。

うん。

その時代に何が流行ってるかっていうのがすごい影響してて。

そうですね。

僕の場合は、子どものときに『ドラゴンボール』とか流行ってて。

はい。

『ジャンプ』が最大発行部数達成した時代とかに、『少年ジャンプ』読んでたんですけど。

はい。

だから、漫画っていうのがすごい身近にあった。

あぁ、はい。

だから、なんか漫画家になりたいみたいなのが最初にあって。

ふーん。

そのあとに、『スラムダンク』とかも読んで、バスケやったり、バスケ部に入ったんですよ、僕。

めちゃめちゃ影響されてる(笑)。

そう、めちゃめちゃ影響受けてて。でも、その時点では自分がそのブームの中にいるっていうよりは、自分はスラムダンク好き、だからバスケやる、バスケ面白い、バスケ部入る、みたいな自分の中で、自分がブームに踊らされてるとは思ってないんですよね。

(笑)自然な流れですもんね。

自然な流れなんですよ。

はい。

で、お笑い流行ってる、お笑い面白い、自分もボケてみる、面白い、じゃあ、お笑い芸人なろうみたいな理屈が、自分の中で、理屈が結びついてお笑い目指したりしたんですよね。

あっ、したんですか?

そう、して。お笑芸人になろうとしてた時期もあって。

え、それ初耳ですかね。聞いてたかな?

初耳かもしれないですね、あんまり言ってないですね。

そうなんだ(笑)。

でも、そういう「ブームに踊らされてる自分」っていうのに気付いてないのに。

はい。

「自分は何かやりたいんだ」みたいなことを言ってたっていうのに、大人になってから気付いたんですよ。

うん。

それって、「今もブームに踊らされてる可能性ある」って思って。

うん。

まあ、踊ったから何みたいなのはありますけど、そのブーム、今時代がどうなっているのかを知らないと、自分の決断じゃないと思ったんですよね。

それがちょっと……。

自分の決断じゃなくて、時代がこうだからこういう風にしたいとかって思うのは、時代の要請というか、時代の影響受けてる、それ嫌だって思ったんですよね。

ちょっと癪だみたいな(笑)。

そう、それ嫌だから、社会とか歴史とかがどうなってるのかっていうのをもっと俯瞰して見て、自分が影響受けないように。

あー。

自分の決断とか、これが本当に自分の決断なのかっていうのを深く、深掘りしたかったんですよね。

なるほどねぇ。

だからそのためには、社会とか歴史とかがどうなっているかっていうのを理解しないとダメで、だから、ずっとわかろうとしてる。歴史とか勉強してるのもその一つなんですよね。

流行に踊らされたくないから(笑)。

そうですね。

流行をちゃんと流行として把握したいってことですね。

そうですね。だから根本で言うと自由というか、その流行が、流行っていうのは誰かが作ってるもので、誰かが「これ買ってください」みたいな気持ちで始まってるから。

はい、はい。

その誰かが「買ってください」って言う気持ちで、自分も買って、しかもなんかバスケ始めて。

(笑)。

別に井上雄彦が悪いわけじゃないですけど、あのマンガすごくいいから。

いいけどね(笑)。

今も大好きですけど、それで結局バスケ部入っちゃうっていう自分の浅さに悲しくなっちゃうんで。

(笑)そうなんだ。面白い。

その「浅さ」から逃れたいですね。

で、わかりたいと。

そうですね。

へぇ。それはなんか私も考えてみたいですね。

結構、なんか皆がどうかわかんないですけど、わりと、「今これ流行ってるからこれやろう」みたいな、「今教養だから教養を身につけよう」みたいな。「えっ、じゃあ、今教養じゃなかったら教養身につけないのかよ」みたいな。

うん、うん。

その辺ちょっと、もうちょっと冷静になってみてもいいんじゃないかな、みたいな。

(笑)そうですね。なるほど、なるほど。はい、じゃあ、ちょっとお時間になりましたので、えっと、ちょっと告知を久しぶりに入れたいと思いますが、私、アウトプット相談とライティング相談っていうのを無料でやっておりまして、毎週土曜日の午前中にやってるので、もしご興味があればホームページを覗いてみてください。ということで、よろしいですかね? 以上、栃尾江美と。

ヤギワタルでした。
<書き起こし、編集:折田大器>

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