【読むPodcast】#195 会議のアジェンダって必要?(ゲスト:三谷さん)


ひさびさ三谷さんがゲスト! 栃尾が仕事で「会議にアジェンダがあると効率はいいけど本質を外すことがある」と聞いて「ほお~~!」と思ったのでそのことについて話しました。三谷さんは「アジェンダがある会議は好きじゃない」んだそうです笑。

栃尾

クリエイティブの。

三谷

反対語。

栃尾

こんにちは、ストーリーエディターの栃尾江美です。

三谷

こんにちは、三谷です。

栃尾

このポッドキャストは私、栃尾江美が話したい人をお呼びして、クリエイティブに関することや哲学的なことを好き勝手に話す番組です。

三谷

はい。

栃尾

ゲスト……

三谷

お久しぶりですぅ。

栃尾

(笑)ゲスト2回目じゃないですか。

三谷

ゲスト2回目ね。

栃尾

そうそう(笑)。

三谷

確かに。

栃尾

2回目? まあ、前回4、5回出てるから。

三谷

前も言ったけど、お客さん的立場ってのはいいなって感じ。

栃尾

(笑)。

三谷

(笑)。

栃尾

前よりいい?

三谷

そうそう。

栃尾

そうなんだ。で、テーマを決めるときにも白熱したけど。

三谷

うん、あらかた話した。

栃尾

あらかた話した? ダメだよ、もう1回話してもらうとして、「アジェンダのある会議は良いか、悪いか」っていうのをね。

三谷

なるほど。

栃尾

なんでこんなことを思うのかっていうと、今、お手伝いしているベンチャー企業の人が、その人は前の会社で。

三谷

うん。

栃尾

前の会社は倒産しちゃったって言ってたかな。だけど、名だたる会社のOBみたいな人が立ち上げて、結構バリバリに、イケイケに事業をやっていたと。

三谷

ビジネス的に厳しいみたいな。

栃尾

そう、そうね。

三谷

イケイケベンチャーみたいな感じですか。

栃尾

そう、ガッツリ調達もしたし、みたいな。で、そこで、ものすごくアジェンダに沿った、めちゃくちゃ効率化された会議をたくさんやっていたと。

三谷

なるほど。

栃尾

それが「できるビジネスマンだ」みたいな感じだったのかもしれないけど、そうすると、「それはすごく良いは良いんだけど、デメリットもある」って言っていて、「本質的なことを逃しちゃうことがある」って言っていて。

三谷

ふーん。

栃尾

アジェンダ決めてるのに、本質を外すっていうことが私はすごくビックリしたんだよね。

三谷

はい。

栃尾

ビックリして、そういうことに気付くこの人も素敵だなと思ったんだけど、そういうのって確かにあるのかもな、と。つまり、アジェンダに沿ってやるっていうのも、アジェンダが正しいと思っていくわけだから、そこがそもそもズレてたら、確かにもうアウトだよねっていうのは思ったんだよね。

三谷

栃尾さんが会議に参加したりするときって、アジェンダがあることが多いっすか?

栃尾

うーん、半々ぐらいかな。

三谷

アジェンダってあった方がいいっすか?

栃尾

うーん、あ、メンバーにもよるね。

三谷

メンバーによる?

栃尾

うん、戻してくれるメンバーとかもいるじゃん。

三谷

なるほどね。

栃尾

あと、発散しまくっちゃうメンバーもいるじゃん。

三谷

いるいる。

栃尾

だから、発散しまくったのが、身になる人もいれば、身にならない人もいるじゃん。

三谷

うーん。

栃尾

だから、わりとメンバーに依らずクオリティーを担保できるのは、アジェンダがあった方がいいのかもね。

三谷

なるほどね、ルールが決まってるみたいな。

栃尾

決まってるとか……あ、まあ、そうだねルールが決まってる。だから、「アジェンダに戻りましょうか」って言いやすいし、あとは、目で(見られるように)、映すよねプロジェクターとかモニターとかに、だから発散しがちな人も戻りやすい。

三谷

はい。

栃尾

ボロくその会議にはなりにくい(笑)。

三谷

なるほど。

栃尾

そうそう。

三谷

栃尾さんがイメージするアジェンダの定義とか、内容ってどんな感じですか?

栃尾

まあ、「今日はこのことを話しましょう」っていう、プロットみたいなものがあって。

三谷

どんな感じ? 何時から何時まで何を話すとか、そういう感じ? それとも今日の議題はこんな感じで、みたいな。

栃尾

うん、今日の議題はこんな感じで、4個か、5個ぐらい話したいことがあり、「この中で次のToDoとかを決めて行きたいです」みたいな、

三谷

なるほど。

栃尾

感じで、「次行きましょう」、「はい、次行きましょう」みたいなのがアジェンダのイメージだけどね。

三谷

なるほど。最初に皆さんに15分間、「今日の話の前提を共有します」みたいなのをやって。

栃尾

あぁ、なるほどね。うん。

三谷

その後に、討論をしてみたいな形ってこと?

栃尾

とかね。

三谷

ふーん。

栃尾

そうすると、確かにアジェンダの中にブレストが入ることもあるけどね。

三谷

はい、はい。

栃尾

うん。三谷さんは?

三谷

僕ね、アジェンダないっすね、最近。

栃尾

へぇ、自分がオーナーシップを取っているものはってこと? それ以外も?

三谷

あるやつに参加することはある、確かに。

栃尾

誰かがやっているやつね。

三谷

うん。

栃尾

作らないんだ。

三谷

作らないっすね。

栃尾

それはなんでなの?

三谷

アジェンダって流行ってたじゃないですか。

栃尾

あ、そうなんだ。

三谷

わかんない。栃尾さんとか、僕とかが社会人になったときって、アジェンダってなかったでしょ?

栃尾

言葉がなかっ……

三谷

なかったよね?

栃尾

あ、でも、うち外資系だったからなぁ。ギリギリあったかもなぁ。

三谷

僕ね、途中で出てきて、やたらアジェンダ、アジェンダって言うようになったなって思っていて。

栃尾

うん。

三谷

「それ、アジェンダ用意してる?」とか、「今日のアジェンダは?」とかって感じで。

栃尾

カッコよさ気に言うんだ(笑)。

三谷

そうそう(笑)。みんな得意げに使う言葉ってあるじゃん?

栃尾

ある、ある(笑)。その時々で。

三谷

ブレストとかも流行ってきて、ブレスト、ブレストって言うけど(笑)。

栃尾

はい、はい(笑)。

三谷

いいアジェンダにあんまり出会ったことがないんですよねぇ。

栃尾

でも、ちょっとはあるってこと?

三谷

うーん、事前にみんなの目線を揃えたりとか、情報を共有の時間を端折りたいっていう意味のアジェンダだったら、僕はいいなって思います。事前にこの資料読んどいてください。読んだ上で、会議に参加したほうが効率的だよねっていう話だったら、有効かなって思う。

栃尾

うん。

三谷

けど、意外となんか「決め決め」したいみたいな、「最初に共有の時間がこれだけあって、スケジュール的には何分なんで」とか、「最後に、じゃあ、みなさん結論をまとめます」みたいな、そういう式次第みたいなやつって、だいたい上手く行かないなって感じがしますよ。

栃尾

へぇ、上手く行かないの基準は?

三谷

何だろうな? 消化不良に終わったりとか。

栃尾

話したいことが話せなかった?

三谷

それもそうだし、何だろうな……、アジェンダとともに流行ったのが、ファシリテートみたいな。「今日のファシリ誰ですか?」みたいな。ファシリもめっちゃ流行りましたよね、なんかね。

栃尾

まあ、今も流行ってると思う。

三谷

「上手いファシリテーターは」みたいなことだけど。そんな言うほどね、上手いファシリテーターってやつに会ったことがないんすよね、あんまり。

栃尾

なるほどね、アジェンダがないときほど、ファシリテーション大事なんじゃないの?

三谷

うーん、誰がファシリテーターだみたいなこと? そうっすかね?

栃尾

そんなことないの?

三谷

うーん、僕の仕事で議論していることは、デザインのことだったりとか、方法構成を決めるとか、コンセプトをつくるみたいな話になってくるので、あんまり着地決まってないんすよね。

栃尾

そういうのは確かにそうかもね。でも、コンセプトを決めましょうっていうのはあるからでしょ?

三谷

コンセプト?

栃尾

例えば、会議のときに。

三谷

はい。

栃尾

「今日はコンセプトを決める会議です」、「デザインを決める会議です」みたいなのがあって、「対象はこれです」っていうのがちゃんとわかっているわけだよね。

三谷

うん、けどそのとき「着地はあんまりわからないな」って感じがするんだよね。

栃尾

うん、わかる。でも、その会議のなかにいくつも話さなきゃいけないことはないって感じなの? コンセプトが決まったらゴールだよねって感じ?

三谷

うーん、一発で決まるような会議ってあんまりないから結局。「今日はここまで議論できたね、次回は」みたいな感じになるから。

栃尾

うーん、それすごい上流だからなのかなぁ。

三谷

うーん、どうなんすかね。

栃尾

それはあると思うな。

三谷

もう「決め決め」で、例えば、「予算の配分を決めます」みたいな話とかは、「事前資料があって、アジェンダがあって、議論して、はい、決める」みたいなやつは、アジェンダがあったほうがいいかなって気はする。

栃尾

うん。そういうコンセプト決めとかって上流の人がやるよね、やっぱりね。

三谷

ふーん。

栃尾

そこですべての方向が決まるから。

三谷

ふーん。

栃尾

私はもうやるべきことはある程度決まっていて、「この会議でこうします」みたいな、かなり具体的に落とさないとみたいなことがあるから、別にアジェンダがあって、そんなにいい会議できなかったなみたいなことはそんなにない気がするけどね。

三谷

あとは、なんかフェイズも違うかもしれないっすね。

栃尾

そうだね。

三谷

「最後の結論を今日出さなきゃいけません」っていう話だったら、そうなるかもしれない。

栃尾

うん、うん。でも、その最初に言った話だけど、アジェンダがあって、例えば、企画会議みたいな「今月の記事を4本決めましょう」みたいな企画会議だとするじゃん。

三谷

うん。

栃尾

で、決めていくんだけど、「そもそも毎月4本も必要ですか」みたいなことが、アジェンダがあると出てこないと。

三谷

なるほど。

栃尾

そう。でも、ブレストみたいに「ワァー」ってやっていると、「あ、意外とこれ要らないかもね」みたいな本質的なことがフッと湧き起ってる、見えてないところで。みたいな意味合いでその人は言ってたのかなぁと思うのよ。

三谷

あぁ、僕そういう風にかき回したい派だから。

栃尾

(笑)。いつまでも作業に入れないっていうね。

三谷

アジェンダがあっても、前提から考えたいなって感じがするよね。

栃尾

まあね、なるほどね。だから、そういうことができる人はいいんだろうね。

三谷

うん。

栃尾

そういうことができる人はいいんだろうけど、できないよね、私なんか「今日はこれを考えます」って言われたら、ここで考えようとしちゃうから、つい。

三谷

うん。

栃尾

「はて、これで本当はいいんだっけ」みたいなことは、やっぱりきっかけがないと、そこのエンジンはピッと入んないよね、なかなか。

三谷

なるほどね。

栃尾

それがやっぱりちょっとブレストしたりとか、雑談をするみたいなところの意味なのかなとは思うんだけどね。

三谷

なるほどね。なんか目的によるなって感じがする。

栃尾

はい、はい。そうだね、もちろんね。

三谷

一時期なんか『すごい会議』とかいう本が流行ったりとか。

栃尾

あー、なんだっけ、どんな内容なの?

三谷

いや、僕読んでないからよくわかんない。

栃尾

忘れちゃったか、読んでないか。

三谷

会議はこうすべき、とか、よくあるじゃないですか。資料はA4用紙1枚に収めるべきみたいなやつとか。

栃尾

あー、Amazonはパワポ使わないとか。すべてWordなんだってね。

三谷

「成果が出せる会議はこう」みたなやつあるじゃないですか。けど、「それは目的に依るな」みたいなね。

栃尾

そうだね、1つじゃない。

三谷

そうだし、何て言うのかな、着地が見えてたりとか、うーん、「今日はこれこれこれ決めましょう」みたいな会議ってあんまり面白くないなって思って。

栃尾

ふーん。

三谷

「あ、なんか着地、ぜんぜん違う方に行ったね」とか。「本質的に考えたら、もっと上から考えなきゃいけなくなっちゃったね」っていうほうが僕は好きだなって感じがする。

栃尾

まあね、それはわりと会社員ならではなのかもね、そういうのができるのって。

三谷

会社員ならでは?

栃尾

そう、そういう仕事の請け負い方にもよるけど、私なんかは1回行って1時間で、どれだけコストかかりますかっていう話だから、そういう風にあんまり贅沢に時間を使えないんだよね、会議とか。

三谷

相手の時間も、自分の時間もってこと?

栃尾

そう、特に自分の時間ね。

三谷

はい、はい。

栃尾

昔はさ、テレビマンとかさ、広告屋さんとかはさ、一晩中会議して、いいものを練り上げるとかさ、こないだゲーム会社の人に取材したときにも、そんなこと言ってたけど、そういう時間の使い方をできるのは、やっぱりかなりそこに100%に近い時間を使っているからかなって気はするけどね。

三谷

納期みたいなものも限られていてってことですよね。

栃尾

納期もそうだけど、1日中それに使えるっていうことかな、自分の時間を。

三谷

うん。

栃尾

っていう感じじゃないと難しいのかもね、って。

三谷

ふーん。

栃尾

そう、逆に無駄な会議ばかりやって全然アウトプットが出せないみたいなのってさ、私の仕事では許されないから。

三谷

うん。

栃尾

だから、それとの狭間だよね。挟まれるっていうか。

三谷

確かにね。

栃尾

話してる方が楽しいのよ、もちろん。雑談しているほうが楽しいのよ、もちろん(笑)。だけど、その沼にハマっちゃうと、それはそれで見失うなっていうのもあるんだよね。

三谷

まあ、話してる暇があったら、手を動かせみたいなことでしょ。

栃尾

なこともあるよね、そう。で、結構……みんなで話して、一人の時間を設けるんだって、例えば1時間とか。一人で考える時間を設ける。で、またみんなで話すみたいにすると、こう視野が広がったり狭まったりっていうのがすごいできるからいいよ、みたいなことを言ってた人もいて、そういうのも一つ手法かもしれないけどね。

三谷

なるほどね。まあ、会議って、うーん、何なのかな。僕、会議大っ嫌いなんですけど、基本的には。

栃尾

そうなの?

三谷

定例会とかそういうのは嫌で、けど「みんな会議好きだな」って思っては観てる。

栃尾

そうだよね、楽しいんだと思うよ、喋るのが(笑)。

三谷

こう会社のオフィスとか設計して、毎回来るのが「会議室がもっと欲しいです」って。

栃尾

(笑)。会議好きなんだ。

三谷

そう、会議室10個増やしても、「足りません、もっと欲しいです」って。これ100個になっても、もっと欲しいですっていう話になるなって思っていて。

栃尾

そうだよね。

三谷

なんでそんなに好きかなっていうのは、思うね。

栃尾

嫌いなのね?

三谷

うーん、なんか、成果、着地とか、結果どうなったっていうことがない会議は嫌い。

栃尾

でも、結果を求める会議も嫌い?

三谷

うーん、なんか、結果を決めてなくても、結果は出るじゃないですか。なんか話し合って、結果ここになったね、みたいな話とか。

栃尾

でも、何も結果出なかったねっていう会議もあるんじゃない?

三谷

うーん、何も結果出なかったね……

栃尾

「なんか、吐き出して終わっちゃったね」みたいな。会議って言わないか。

三谷

うーん、どうなのかなぁ。目的はあるから、何か作るとか。

栃尾

そっか、そっか。

三谷

そうそう。よくあるのが、「みんなで課題を出し合いましょう」みたいなやつとかは嫌です(笑)。

栃尾

ツラい(笑)。

三谷

「この課題を解決するためにみんなで知恵を出し合いましょう」とか言うときに、「そもそもその課題じゃなくて、こっちの課題だったよね」っていう風に着地するのはいいなって思うけど。

栃尾

うん。

三谷

みんなでブレストとかもあんまり好きじゃないですよ。

栃尾

へぇ、そうなんだ。

三谷

そうそう、そんな感じがする。

栃尾

なるほどねぇ。

三谷

これは盛り上がったと言えるのだろうか(笑)。

栃尾

面白かった(笑)。アジェンダの話からは行ったけど、会議にも色んな会議の手法があって、でも、型を決めれば、めちゃくちゃしょぼい会議にもなりにくいけど。

三谷

うん、そうだね。

栃尾

いい会議にもなりにくいってことだよね。

三谷

うん、フレームワークが決まっていれば、まあ、平均点以上は出るね、みたいなことだね。

栃尾

まあ、大企業ほどそういうものが、もしかしたら必要なのかもしれないけど、自分でやる場合には、色々工夫ができたほうがいいかなって感じかな。

三谷

そうですね。そういうのが向いてる人とか、あとは、人によっても向き不向きってあると思いますね。

栃尾

あるでしょうね。

三谷

めちゃめちゃ議事録取りたがる人とかいて。

栃尾

うん、うん。

三谷

そう。

栃尾

私も結構メモ取りたい。

三谷

そうそう。でも、取っている結果、聞いてなかったりとか(笑)。

栃尾

(笑)。そりゃ良くない。

三谷

「さっき話したよね、それ」みたいなことがあったりとか。

栃尾

私、聞いてなかったのに、議事録取ってることあるからね、手が書いてましたみたいなことあるからね。

三谷

自分に合った会議の方法とか、チームに合った会議の方法とかが見つかるって言うのが一番いいんじゃないすかって思います。

栃尾

うん、うん。という感じでいいんじゃないんでしょうか。

三谷

いいんですかね(笑)。

栃尾

いいですかね(笑)。

栃尾

はい、以上、栃尾江美と。

三谷

三谷でした。

<書き起こし、編集:折田大器