【コラム】疑問を感じて続けられない


最近の私のライフワークになりつつある「アウトプット相談」。
「アウトプット相談」とは、発信したい人、あるいは発信をしている人で、何らかの課題を感じている人の話を聞き、アドバイスをしたり、方向性を一緒に考えたり、すぐに始められることを提案したりする1~2時間のおしゃべり。
最初に来てくれたのは、イラストレーターの方だった。

渋谷のカフェで初めて会った彼女は思っていたよりファッショナブルで、ショートカットにノースリーブのワンピースを着て、カーディガンを肩にかけていた。

イラストレーターになって2年。いろいろと発信しなきゃいけないと思うのだけど、いつも飽きたり迷ったりしてやめてしまうのだという。

私は彼女のイラストやコラムを見たり読んだりしたことがあって、イラストのテイストや切り口、視点の鋭さとコミカルさ、クスッと笑える自虐要素なんかにとても惹かれていた。

Instagramにも投稿していて、純粋なイラストだったりネタだったり、彼女の中の流行りがあるみたい。とてもとても素敵なのだけど、フォロワー数は多くはない。だから反応が少なくてやめてしまうのかな。

イラスト以外の人生のような? そういう話もいろいろと聞いた。彼女のひっかかりとかこだわりとか、コンプレックスみたいなものとか、傷ついた思い出とか。彼女の人となりも、ずいぶんわかった気がした。

たくさん話した後に「何かできることあるかな?」と聞いて、私は彼女の作品を最初に見られる人になった。つまり、ペースメーカーであり、編集者みたいなことなのかな。

彼女の作品が好きなので、その編集者のような立場になれるなんて願ってもないこと。「週5ペースで更新したい」というストイックな彼女。TwitterとInstagramに上げる前に、その作品を週に1度、見せてもらうことになったのだ。

彼女は毎週決まった曜日に、(海外旅行中も)イラストをまとめて送ってくれる。私は「ここがちょっとわからなかった」「このセリフめちゃいいね」など率直な感想を述べて、その後毎日の投稿を楽しみにしているだけ。

投稿したものに私以外の人の反応があると「むふふ」とほくそ笑む。

これまでなかなか続かなかったという彼女。トレーナーやコーチのように、一緒に並んで歩く人がいるだけで、少しは足取りが軽くなっているといいな。

<執筆:栃尾江美