
お友だちの「だいまり」をゲストに、「私」に対して質問してもらいました! 第1回目は企画について。私が修業時代に継続していた、企画出しの練習を語っています。
栃尾クリエイティブの。
だいまり反対語。
栃尾こんにちは。ストーリーエディターの栃尾江美です。
だいまりこんにちは。ライターの代麻理子です。
栃尾はい、このポッドキャストは、私、栃尾江美が、好きな人やお話したい人をゲストにお迎えして、クリエイティブに関することや哲学的なことを好き勝手に話す番組です。間違えちゃった最初(笑)。
だいまり(笑)。
栃尾初めてゲストに来てもらうときは、「何々です」って言うんじゃなくて、先に説明をしてから「ゲストは『だいまり』です」っていう風にしてたんだけど、それ説明してなかった。まあ、このまま行きましょう(笑)。
だいまり(笑)。
栃尾だいまりはお友達なんだけど、ライターになったんだよね、最近ね。
だいまりそう。ライターとして、職業としてのライターというのをできるようにならせてくれたのが、とっちーなんだよね。
栃尾そういう風にいつもツイッターとかで何度も何度も言い続けてくれてさ。
だいまりそう、言い続けるから。本当に、本当に。
栃尾私がやっていた仕事で、ライターさんを探しているっていう人たちがいて、主婦というか、子育てのメディアだったから、そんなにライター歴が長くなくても、同じような立場で、ちゃんと興味を持ったり、当事者的な意見がちゃんとある人に書いてほしいみたいな媒体だったんだよね。それで、だいまりは「ライターとかやりたいんだよね」と言っていたし、あとは『note』ですごい文章をいっぱい書いていたからどうかなと。普段は絵文字ばっかりのツイッターなのにさ、「絵文字やめてみたら」って言われたら、スラーってきれいに書いていたからさ。まあ、すごい勉強したって言ってたんだよね。
だいまりそう、書くっていうことにあたって、書けると思ったことがなかったんだよね。でも、読むことはすごく昔からずっと好きだったから、書いて。あと、日記とか手紙とかはよく書くほうだったんだけど、外に向けて何かを発信するために書くっていうことは経験としてなかったから、「自分にできるのかな」という思い、「でも、やってみたいな」という風に思っていたから、何冊も本を読んで、書き方みたいな、「ライティング、良いものを書くには」みたいな本を読んで、土台を作って挑ませていただいたという感じで。
栃尾『note』に書く前にその書き方の本を読んだの?
だいまりいや、それは読んでない。仕事としてできるように。とっちーから「やってみない?」って言われてからだね。
栃尾じゃあ、『note』に書いたときは、あれは。
だいまりまだ初期段階は(読んでなかった)。
栃尾そっか、『note』を読んだ時点で、「なんだこの上手さは」と私は思ったんだよね。
だいまりへぇ、それはびっくりで、逆に今、昔の自分が書いた『note』を読むのすごく恥ずかしくって、読んでない。
栃尾あぁ、至らないところが見えちゃうってこと?
だいまりそうそう。
栃尾(笑)。そっか、でも、普段とのギャップもあるかもしれないけど(笑)。
だいまり確かに(笑)。
栃尾すごい、ちゃんと書いてるみたいな(笑)。
だいまり確かに、そうかも(笑)。
栃尾ママっぽいツイートとかを見るとさ、絵文字いっぱいのを見るとさ、すぐ改行とかしそうじゃん(笑)。
だいまりうん、そうかも。
栃尾一文で改行しそうなのにさ、ちゃんとパラグラフで分かれていたしさ。そういうのとか、あとは結構深刻な、鬱になったときのことを書いていたけど、それもすごくグッとくるものがあったしね。
だいまりいや、嬉しい、そういう風に(言ってもらえて)。
栃尾語尾のダブりも全然ないじゃんとかさ、そういうところもあったし、だからすごい力があるんだなと思ったから、お願いしたというのがあるんだよね。「最初は私が原稿を何回か見なければいけないだろうから、それを見るけど、たぶん、そのうち大丈夫になるからやってみない?」って言ってやったんだよね。それで他のメディアでも書くようになって……。
だいまりうん、そう、そこがなければ、そういう職業が自分に可能だと、やれるっていう風にはまったく想定してなかったから。「でもやりたい、インタビューをしてみたい」っていう風に最初とっちーに、初めて二人で話したときに、とっちーがそういう仕事だって聞いて、「それってどうやってなるの?」っていう風に聞いたのは自分でも覚えていて。
栃尾「私もやりたい、やりたいんだよね」って言ってたよ。
だいまりそう、「やってみたいし、どうやったらなれるんだろう?」っていう、でも何にもわからない。やり方が何にもわからないし、どこにも所属していない今の状態からできるようになるのかなぁっていう、本当にゼロ、まったくのゼロの状態からだったから。
栃尾それをさ、でもやりたいって言えるのがすごいんだろうね、きっとね。
だいまりあぁ、そうか、それは言っちゃうかもなぁ結構(笑)。
栃尾(笑)。それがいいところだよ。
だいまりできると思ってなくても、どうやったらそうなれるんだろうっていうのとか、他の色んな疑問とかは、結構口に出して、そのまんま聞いちゃうかも。
栃尾それは才能だよね。天性のなんていうかね。
だいまりいや、いや。
栃尾それで今回来てもらったのは、私、この間、リスナーさんにお便りをもらって、メールを何通かやりとりして、「最近の番組ね、ゲストになって変わりましたけどどうですか?」というのを聞いたのね。そしたら、「栃尾さんのことばかりを喋る回もあってもいいかと思いました」って言われて。
だいまりゲストのことばかり聞くんじゃなくってね。
栃尾そうそう。「栃尾さんに誰かが質問をして、栃尾さんばかりが喋る回があってもいいなって思いました」って言われたから、「あっ、じゃあ、だいまりに来てもらおう」と思って。
だいまり聞きたいこと、いっぱいある(笑)。
栃尾すいません、来てもらったのに、「私のこと聞いて」みたいな(笑)。
だいまりうんうん、いや聞きたい。それも常々聞きたいんだけど。
栃尾なかなか会えないからねぇ。
だいまりなかなか会えないし、そんなとっちーの、お互いに子どもたちもいて、という状況もわかっているから、「メッセージとかで聞きたいことを思う存分ね、いつでも聞いていいのかな?」とちょっと思っちゃうから、この機会にたくさん聞いて帰りたいです。
栃尾そうそう。で、1回目は何にしますか? これ?
だいまりそうだね、企画。私がまだライターとして、こう駆け出しというか、ホントどこに属していたわけでもないから、見よう見まねで術(すべ)を学んでいっているんだけど、誰かにやり方とかを聞く機会ってあまりないから、そのライター業の中で感じている疑問、どういう風にしたらいいのかなっていうのを聞かせていただけたらと思って。ライターって企画を出すライター業と、企画は編集部が出してそれを請け負うライター業があるんだよね?
栃尾あるある。
だいまりそれすらも私わかってないで、企画とセットなのがライター業だと思ってたっていうか。
栃尾最初にやった仕事が企画から出してくださいっていうやつだったからね。
だいまりそう、だからそれがノーマルなのかと感じてたんだけど、それがそうでもないんだね?
栃尾そうね、企画をどんどん出すようなメディア、企画力勝負みたいなメディアだと、やっぱりいっぱい出したいから、ライターさんに出してくださいっていう場合も多いし、あとは「ライターさんも書きたいやつ書きたいでしょ」みたいな感じで。
だいまり自分が知りたいことというか、聞きたい人に聞きに行きたいでしょ、みたいな。
栃尾企画好きなの出してくださいみたいな、やりたいやつ出してくださいみたいな、というメディアは多いんじゃないかな。特に老舗のメディアとかはね。
だいまり老舗のメディアとかの方が、そういう企画出して、私がよく読む『新R25』とかはさ、企画が出せる人募集みたいな感じで、だからたぶん自分たちが考えて、それが通れば自分で聞きに行けますよ、みたいなことがウリなのかな、みたいに思ってるけど。
栃尾そうかも、でも、『R25』もそういう感じだったけど、『R25』は老舗だもんね。
だいまりそうだよね、リクルートというか、元々はそうだよね。
栃尾そう、リクルート。
だいまりそっかそっか。老舗だね、そうだね。
栃尾まあね。
だいまりどっちの方がとっちーとしてはやりやすいとかある?
栃尾そうね、メディアの特性にもよるけど、例えば、子育てメディアだったら、しかもノウハウに偏っていなくて、子どもをどう伸ばすかみたいな、例えばね。そういうメディア、自分の興味と近ければ自分で出したいよね、確かに。だけど、「今の流行りの勉強法はこれだ」とかさ、あとは、「子どもに何を食べさせるのがいい」とかさ、わかんないけど。
だいまり自分からはあんまり、個人的には興味がないジャンルだったら、出すの大変だよね、思いつけないもんね。
栃尾結構大変かな、そのために情報を取りに行かなきゃいけなくて。
だいまり確かに。
栃尾それでたぶん、そのテーマの専門家になっていたら、例えばさ、私がさ、かなり特化していたけど、モバイルガジェットの専門家とかだったら、それのメルマガを取ったり、それのツイッターもそういうのばかりフォローしたりさ、あと昔はRSSというのがあったから、それでニュースを細かくチェックして行けば、最先端の情報もよく分かったけど、いろんなジャンルをやっていると企画を出すのがすごく難しいの。
だいまり確かに。
栃尾だから、上澄みだけ拾ってもやっぱり面白くないから。
だいまりそうだよね、確かに。
栃尾あんまり最近は企画を出す媒体はやっていないし、例えば企画どんどん出してくださいみたいな媒体を紹介してもらっても、私があんまり出せないから、たぶんフェードアウトしていくだよね、お仕事的に。
だいまりふーん、なるほどねぇ。
栃尾それで、「この人に取材してください」と言われるやつの方が残っているかな。だから、それはライターとしてよくはないかもしれない。
だいまりでも、自分的には、そっちの方が性に合っているという感じ?
栃尾そうそう。
だいまり昔、編プロにとっちーがいたときはすごい企画たくさん考えてたって言ってたよね。
栃尾そう、それはだいまりと事前に話して思い出したんだけどさ、何で私こんなに企画好きじゃないのかな、ストレングスファインダーで着想1位なのに」と思ってたんだけど。まあ、無理やり出させられてたわけよね。
だいまりふーん、それどれぐらいのペースで? 週に1回何個も出せ、みたいな?
栃尾「週に10個ぐらい出しなさい」とか言われてて。
だいまり週に1回?わー、きっつー。
栃尾そう、それは段々こう減ってくるよね、週5個とかになるんだけど。
だいまりそうでしょう、ないよねぇ。
栃尾でも、その企画を出すために『日経MJ』とか取っていたわけ、そういう媒体もやっていたから。ちょっと今流行の何々とか、食べ物とか飲み物とか商品とかさ。そういうのもやっていたから『日経MJ』を取って、週に何日か、それをばーってスクラップして企画を出す直前にこう企画を練ってみたいにやってたときもあって、でも、やっぱりそれは別に好きなことでもないし。
だいまり好きなことでもなくてね、今ウケてるものっていう意味では出せるけど、自分がすごく興味があることとはまた違うもんね。
栃尾そうだね。企画で「こういうのもあるよね、こういうのもあるよね」とか、自分の色んな知識と繋がることもあるじゃん、企画会議って。
だいまり確かに、確かに。
栃尾そういう企画会議ができたら面白かったんだと思うんだけど、そうじゃなくて、企画を出したときに「これとこれとこれが足りないから、 ダメです」みたいな感じの、まあ、そういう会だったのよ。
だいまり苦手になっちゃうなぁ、それ。それ毎週なんでしょ?
栃尾毎週。その会で、「じゃあこれはいいんじゃない」と通っても、企画を通す、通さないについて、編集部の人とうちの社長の基準が一緒じゃないじゃん。編集部の人が大体「あんま面白くない」みたいな感じで、ポイポイしちゃって、逆に他のライターが出した、さほど根拠もないけどなんかいい感じのが通ったりするわけ。だから、その編集部の人には、「そんなに根詰めないで出してくださいよ」とかって言われてたんだけど、前にいた会社のルールとして、一回社内で通ってから出すみたいな感じにしてたの、私がしたのかもしれないけど、まあそういう感じ、だから苦しかった。
だいまりうん、苦しいよね、週に1回10個。毎回さ、新たな被らないものを出していくって相当大変だよね。
栃尾うん、まあ、ちょっと直して、直したら出せるかもみたいなのは、先週のを引き継いだりはするんだけど。
だいまりそれは自分でわかるの? 指摘してくれるの? この企画はもうちょっとこうしたらいいよ、みたいのはあるんだ。
栃尾そうそう。
だいまりあぁ、それはあるんだ。
栃尾「良いかもしれないけど、根拠が足りない」とかさ、「本当にどこで流行っているの?」とかさ。
だいまりなるほどね。
栃尾「最近盛り上がってきている何々が」とかってよくさ、リード(導入文、記事の概要)で書くじゃん。
だいまり書く、書く。
栃尾書くけど、「どこでどれぐらい盛り上がってみたいなことをわかんないことには判断できない」っていうことで、確かにちゃんとそういう……。
だいまり的確な。
栃尾的確ではあるんだけど。
だいまり言ってくれるんだ。
栃尾それでなんか苦しいイメージが付いちゃったのかなぁ。
だいまりなんか私の場合はさ、フリーでやってるから、編集者さんに何度か、いくつかまとめてこうバァーって送って、「あぁ、じゃあこれいいですね、やりましょう」となって、他のがダメだった理由がわからないまま次に行っちゃうから、他のがどうしてダメだったのかっていうのを知らないと、「次にもまた出していいのか」、「形を変えて出していいのか」、「それともそういうのは全然ダメなのか」がわかんないから、そういう的確な指示をもらって企画を考えるという機会は、いいなぁとは思うものの……。
栃尾そうだね。
だいまり毎月に10個というのは難しいと思うな。月に5個とかでも結構苦しいっていうか、すごく色々と調べてないと出てこないから、週に5個、10個なんてちょっと難しいよね、普通に考えたら情報の取り方として、もうずっと調べてないといけないというか、もう日常的にね、読み物をしてとか、情報を、アンテナ高くしてないといけないよね。
栃尾そうだね。それで「ネットで流行ってるもの」も扱う意味がないからさ。
だいまりそうだよね、もう他で書かれているもんね。
栃尾そうそう、それは結構大変だったかな。でも、だいまりのさ、「この人の文章を読んだから、この人に取材したい」みたいなのあるじゃん?
だいまりある。
栃尾あれはすごくいいなって思ってさ。真似しようって思ってるんだよね。
だいまりでも、それについて編集者さんに言われたのは、(掲載媒体の)読者は読んでない人たちで、(掲載媒体の)読者は本を読んだ人とは違い、その著者に興味もないし、知らないから、「本を読んでここを知りたいから」というのはあくまでも私だけの目線になっちゃっていて、「あぁ、なるほどなぁ難しいなぁ」とすごく思った。
栃尾それは一般的な興味との接点を見つけないとダメだろうね。そこは確かに企画を思いつくんじゃなくて、説得する方のスキルかもしれないね。
だいまりなるほどね。
栃尾そのスキルは確かに磨かれたのかもしれないけど。そんな感じなんですが、あっという間なんだけど、だいまりと話しているといつも。
だいまり本当だ。
栃尾それで今回からちょっと告知をね、これまではアナウンス的な告知を入れていたんだけど、自分で聞いてあまりにつまんないなと思ったんで、直接ここで告知をすることにしました。
だいまりはい。
栃尾私はですね、ホームページを作っていて、そこに今までのプロフィールとか、今までの経歴とか、実績とかを載せています。あとまあ、ポッドキャストどんな番組やってるとかも載っているので、興味がおありの方は、もしよければ見に来てください。URLはemitochio.netです。そんな感じで、今日は終わりにしたいと思います。以上、栃尾江美と。
だいまり代麻理子でした。
<書き起こし、編集:折田大器>