【読むPodcast】#193 「賢い」って何だろう?(ゲスト:石塚毅さん)


株式会社求人の石塚毅さんをゲストにお迎えして「賢い」について話しました! 私がぼんやり考えていることに対して「味方によって違う」し「賢いなんて主観的なもの」とバッサリと切ってくれる潔さ。「本当に賢い」なんて存在しなくて、「美しい」みたいに主観でいいのかもしれませんね。

栃尾

クリエイティブの。

石塚

反対語。

栃尾

こんにちは、ストーリーエディターの栃尾江美です。

石塚

石塚毅(たけし)です。

栃尾

このポッドキャストは私、栃尾江美が好きな人やお話したい人をゲストにお迎えして、クリエイティブなことや哲学的なことを好き勝手に話す番組です。今回も石塚さん、よろしくお願いします。

石塚

よろしくお願いします。

栃尾

さっき人を見るときっていう話で、ちょっと近いのかなわかんないけど、「賢さ」っていうのをどう考えているかっていうのを。

石塚

栃尾さん。

栃尾

えっ?

石塚

賢さといえば栃尾さん。

栃尾

(笑) それは何なんですか? お世辞モードなんですか?

石塚

いや、僕は社交辞令は言いますけど、お世辞は言いませんよ。

栃尾

ありがとうございます(笑)。はい、どういう定義なんですかね? 賢さって?

石塚

賢さの定義っていうのはいっぱいあると思うんですよね。

栃尾

あると思います。

石塚

どういう場面とかっていうのもあるし、でも日本人で賢いっていうと、ほとんどは勉強ができる、特に小中高等学校の勉強ができる人を賢いって、みんな言うのはホント強いですよね。

栃尾

まあ、呼びがちだし、そうじゃないと思いつつ引っ張られちゃいますよね、結局。

石塚

かなり引っ張られてますよ、未だに。

栃尾

そうですね。

石塚

だから親も、まお互い親ですけど、なんか僕はあんまりあれですけど、勉強ができないとかって言うと、本当に。

栃尾

確かに。

石塚

子どもが勉強できないっていうと、「どうしましょう」みたいな。特に、自分が勉強で悩んだことがない人が、子供がすごい勉強できないとかよくある話じゃないですか?

栃尾

あると思います。

石塚

そうすると、その親によってね、千差万別ですよね、その反応はね。

栃尾

反応はね。

石塚

だけど、みんな一様にすごい大事(おおごと)に考えるでしょ。

栃尾

そう、自分が苦労してなかった分ね、きっと、どうしたらいいかわかんないでしょうね。

石塚

そう。だから、賢さっていった場合に、小中高等学校のすべてのゴールが受験……「受験の勉強ができる、できない」っていうのには、日本人はものすごく影響されていると思う。

栃尾

はい。

石塚

ところが、それが今日本の、この衰退を生んでいると僕は個人的に思っていて、もう世の中に合ってないんですよ。その受験自体が。

栃尾

ね、もはやね。

石塚

だから、「あんなの追いかけてもどうなんだろう?」とかって思いますけどね。

栃尾

ただ、まあ、社会がまだそんなに劇的には変わってなくて、結局やっぱり色んなことを成し遂げている人は、結局学歴高いじゃんみたいなことが多い気がします。

石塚

そんなこともない気がしますよ。

栃尾

えっ、そんなことないですか?

石塚

そんなことないと思います。

栃尾

どういう人が賢いと思います? 難しいけど……。

石塚

うん、例えば、経営者で賢い人って、単純だけど、新しい儲けのネタ作れるとか、商売においての賢さで言えば学歴まったく関係ないですよね。

栃尾

なるほど。

石塚

ほら、お勉強してた、有名大出て、なんか有名なMBA取ってなんて人で、実践でできる人には僕ほとんど会ったことない。

栃尾

実践ってどういうことですか?

石塚

要するに、会社を、実際に経営してみて、事業やってみて、売上利益どれだけ大きくしたかとか、ほとんど。

栃尾

そうなんですか。

石塚

うん、むしろ中学校ぐらいしか出てないとか、高校も商業高校、別に商業高校が悪いというわけじゃないですけど、実業高校出身のほうがめっちゃ多いですよね。まったく多分違うと思うんですよね。

栃尾

例えば、メルカリとか、DeNAとかって、なんか優秀な学歴の人たちなんじゃないんですか?

石塚

あれは、そうですけどね。うん、たまたまそうだけど、でも別にそういう会社ばっかりじゃないし、300万社ぐらいあるうちの一社でしょ?

栃尾

そうですね。

石塚

そうじゃない、たまたまメディアはそういうのは、ほら、絵になるから挙げるけど、メディアに知られてない優良企業なんていっぱいあるし、その優良企業の経営者の学歴調べても多分そんなに高くないと思う。

栃尾

ふーん。

石塚

むしろ、経営者、特にゼロからイチを生み出す経営者ってね。大概ね、むしろ子供の頃、ちょっと面倒な人。

栃尾

はい。

石塚

うん、なんか変わってて、必ずしも先生のウケが良くなかったり。そうじゃないかなぁ。

栃尾

ふーん。

石塚

あんまり今の時代、先生に従順な人っていうのは難しいと思うな。

栃尾

そうですね、そういう経営者の方をいっぱいご存じだってことですか?

石塚

はい。

栃尾

安田さんはその一人?

石塚

典型じゃないですか。

栃尾

(笑)。

石塚

安田さんなんて。

栃尾

そうですよね。

石塚

安田さんをクラスで担任に持つって言ったら大変ですよもう。

栃尾

まあ、そうですよね。でも、昔は放置だったでしょうね。

石塚

だから先生にその器があったってことですよね。

栃尾

まあ学校もそんな言ってこないし、保護者も言ってこないし、みたいな。

石塚

たぶん安田さんが「俺に触れるな」ってオーラがすごかったんだと思う。

栃尾

(笑)。

石塚

それを貫き通せるって、もう天才以外の何物でもないですよね、普通。でも、あと親御さんが偉かったんでしょうね。

栃尾

私もめちゃめちゃそう思います。

石塚

だから、ちょっと特異であるっていうことを別に否定しない。

栃尾

そうですね。

石塚

最近、ちょっと前に読んだ本で、『天才はあきらめた』っていう山里亮太さんの本、あれすごくいい本なんですけど。

栃尾

へぇ。

石塚

お母さんがすごい素敵なのね。

栃尾

そうなんですね。

石塚

どんなときでも亮太君の味方で、「いいよ、いいよ、それで」あれは一つだと思う。

栃尾

へぇ、そうなんだ。

石塚

そう。だから時々「勉強ができなくて」とか言って叱りつけてるような親御さん見るけど、「どうでもいいじゃん、そんなの」って。時代変われば、価値観も変わるし、特に今の時代って何がどっから飛んでくるかわかんないじゃないですか?

栃尾

はい。

石塚

だから、あんまりなんか昔ながらの学校勉強秀才って、むしろデメリットしかないんじゃないかなって思いますけどね、個人的には。

栃尾

なるほどね。私は何か賢い人……。

石塚

好き?

栃尾

えっ? あっ、賢い人好きですね。

石塚

あっ、そうですか。ごめんなさい。

栃尾

また、そういうことばかり言って(笑)。石塚さんはめっちゃ賢いと思いますよ。

石塚

いや、そんなことないですよ。

栃尾

「賢いの定義による」って仰ってましたけど、なかなか難しいですよね。

石塚

「モノを知ってる」ってこと?

栃尾

違いますよね、明らかに。

石塚

まあ、それも賢さだよね?

栃尾

「モノを知ってるのが得意だね」っていう感じですよね。まあ、でも、賢さでもあるか。

石塚

栃尾さんが求める賢さって何なんですか? その栃尾さん定義の賢さっていうのは?

栃尾

定義、何なんでしょうね? なんかでも、物事を広く見れるっていうか。

石塚

広く見れる。

栃尾

抽象化できるとか、自分をこう俯瞰できるとか。

石塚

さすが。

栃尾

(笑)。

石塚

さすがITコンサルやってると、そういう風になりますよね。

栃尾

そうなんですか、でも、すごい昔ですけど。なんかこう、視野が広いとか、視座が高いとか、そういう人に憧れるっていうか、「賢いなぁ」みたいに思ってしまうところはありますけど。

石塚

へぇー……。なんか僕ね、なんか全然違うオリジナルな見方をする人って賢いなと思う。

栃尾

あぁ、でも、それって「自分と違う」ってだけで、本当に自分と違うから何か賢いように見えるだけで、「本当にそうなのか」ってわからなくないですか?

石塚

まあ、でも、それって主観だから。賢さの感じ方って。

栃尾

結局、自分から見たら賢いんだと。

石塚

そう、そう。だから、あんまり主観なものが、主観的になるものが、客観視されているかのようなものが、僕は一番それに振り回されるのが一番もったいないと思う。

栃尾

なるほど、普遍ではないと。結局、主観だと。

石塚

そうです。例えば、レストランに行ったときに、ちょっと「そろそろなんか水が欲しいんだけど」っていうときに、店員さん、たまにね、そういう人今めっきり減ったんだけど、フッと、「えっ、頭の後ろに目が付いてるの?」っていうのは、すごく良いタイミングで声かけてくる店員さん、心底賢いなと思う。

栃尾

なるほど、なるほど。

石塚

だから、その無限、無限とまでは言わないけど、いろんな賢さありますよね。

栃尾

なるほどね。一個で全然考えてないってことなんですね、石塚さんは。

石塚

栃尾さんは、お子さんにどんな賢さ、賢いお子さんになって欲しいの?

栃尾

え? えーっと、自分で考えて何かをやる人になってほしいですけどね(笑)。

石塚

具体的には?

栃尾

具体的には、まあ、例えば、会社に勤めたり、事業をやったりとかしても、パッと駄目になっても明日からすぐ生きられる人、自分で生きいける人って言うか。

石塚

生活力ある人だ。

栃尾

生活力なんですかね? 先程仰ってたみたいな、新しい事業を作るとか、そういうことなのかもしれないです。

石塚

めげないことでもあると。

栃尾

めげない……、なるほどねぇ。

石塚

めげないことも賢さだと。

栃尾

なるほど、そこまで考えたことはなかったですけど。

石塚

普通ほら、ダメになったらみんな落ち込むじゃない。

栃尾

落ち込みますね、落ち込んでもいいんじゃないですか?

石塚

うん、落ち込むけど、また次を見つけられるって相当気持ちが強いってことだよね。

栃尾

なるほどね。

石塚

だから気持ちが強いことも賢さで、「どうして気持ちがそんなに強いの?」って、「あなた賢いわね」っていうことでもあるわけでしょ?

栃尾

えっ、それはでも初めて考えました。「気持ちが強い」。わりと弱いタイプだと思ってるので自分の子は。ナイーブっていうか。

石塚

まあ、天然かもしれないけどね。

栃尾

(笑)。

石塚

でも、ナイーブだと、そのすごい微弱な電波を感じる事やこんな風に感じるよっていうことも賢いよね。

栃尾

なるほどね。

石塚

特に、こういう時代向きですよね。

栃尾

そうですね。

石塚

そう、繊細なマーケティングが求められる時代の才能であり賢さでもありますよね。

栃尾

なるほどね。そっか、そう思うと、本当に賢いって幅広いんだ。

石塚

賢さって時代が速い遅いもあるし、時代に合う、合わないもあるから。

栃尾

めっちゃありますよね。

石塚

ありますよね。今ほら、ちょっと変わった子でも、個性と認められるけど、少なくとも、僕は昭和45年生まれですけど、あの頃の小中学校でそんなことやったら多分もうガン詰めにされてましたよね。

栃尾

ガン詰めですか。

石塚

うん、僕どちらかというと田舎の育ちだから、ある画一的な予定調和を求められるんで、「こういう場合はこう」みたいな。

栃尾

はい。

石塚

そこに「そもそも先生どうしてこういうことなんですか?」って根本から問い直すような質問をすると……。

栃尾

してたんですね(笑)。

石塚

大概、はい、結構本質的な問いかけをすると、すごい減点されましたね。

栃尾

うん。でもわたし的にはそういうなんか本質的な問いをできる人っていうのは賢いなと思いますけどね。

石塚

そうですよね。

栃尾

そうですね、うん、でも確かに昔の先生とかだったら、今の先生もそうかもしれないけど、面倒くさいでしょうねそういう子供。

石塚

そうですね。

栃尾

クラスにいたら。

石塚

あの……途中からやめました。

栃尾

もう、諦めて。

石塚

はい。学んで、もう言っちゃダメだなって。

栃尾

なるほど、悟った感じですね。

石塚

そうです、そうです。

栃尾

何歳ぐらいですか、それ?

石塚

中学校3年ぐらいには、「これちょっと自分ダメだな」と思って。

栃尾

へぇ。

石塚

そういうことを言っては、って。

栃尾

へぇ。それまで食って掛かってたんですか?

石塚

食って掛かるというか……。

栃尾

素朴な疑問って感じ?

石塚

うん、まあ……、そうですね。ちょっと英語の先生に「石塚はアメリカだったらいいけど、ここは日本だ弁えろ」って言われました。

栃尾

へぇ、酷いですね。

石塚

まあでもね、当時は、親もみんな「そうだ」って言って。

栃尾

あぁ、そっか。

石塚

親も心配してました、こんなのが長男で、なんか突拍子もないこと言うし。

栃尾

でも、それが先生から親御さんに連絡が行くってことですか?

石塚

当然、なんかの機会には情報共有されるじゃないんでしょうか。そうしたら、もう帰ってくると母親が三角の目をしてて、「先生からこんなの聞いたぞ」みたいなね、「えー」みたいな。

栃尾

なるほど。

石塚

だから、そういう意味ではあんまり。予定調和っていうのは飲み込むまでに時間がかかりましたね。そういう意味では賢くなかったと思います。

栃尾

でも、飲み込んだってことですもんね。

石塚

いや、だから、その悟るのをわかるのが遅いってことは、その当時の新潟県の時代では、僕は賢くなかったわけですよ。

栃尾

あぁ、そっか。タイミングとか、時代に合うかって意味だとね。

石塚

そうです。今は逆にほら、先端教育とか、「今の子、いいな」と思う。

栃尾

あぁ。

石塚

何か根本的なことを考えてみたり、「これとこれ結び付けてみたらどうだろう」とか、だって考えてみておかしいと思いません? 英語を勉強するんだったら、「もっとみんなで話そうよ」とかって、なんかそういう英語……、みんな一人の先生が喋ってみんなで答えるとか、お寺みたいな、あんな英語教育って、「そりゃ英語喋れないわ」みたいな。

栃尾

はい、昔のってことですか?

石塚

昔の。だってインプットだけでしょ?

栃尾

今もそうなんじゃないんですかね?

石塚

うん、まあねぇ。

栃尾

学校によるんですかね。

石塚

かなりそこは差が出てきましたよね。

栃尾

うん。うちの子とか見てると、昔より窮屈そうだなって。

石塚

えっ? 昔より窮屈そうなの?

栃尾

私の頃よりぜんぜん窮屈ですよ。

石塚

あぁ、そう。

栃尾

宿題多いし。

石塚

多い。

栃尾

ぼーっとしてたら怒られるし。

石塚

小学校によって相当違います。だって、同じ区じゃないですか?

栃尾

練馬区で(笑)。えっ?

石塚

へぇ、ぜんぜん真逆。うちはもう軽くというか、かなり学級崩壊が日常化してるんで。

栃尾

あぁ、そうなんですか。それはそれであれだけど。

石塚

大変ですよ、本当。特に3人行かしたけど、一番下は、段々なんか学校が……、昔は良かったけど……。

栃尾

荒れてきて?

石塚

うん、先生も……変わってきたんですね、そこはね。

栃尾

そうですね。大変そう。

石塚

大変。

栃尾

ちょっと話は変わるかもしれませんけど、やっぱりすごく深く考えるってことが賢いの1つかなと思っていて。

石塚

うん。

栃尾

だから、私、「こども哲学」っていうのをやっているんですけど、子供同士が、ちゃんと問いをかけると、しっかり考えるんですよね。で、大人がびっくりするようなことまで考えるから。

石塚

子供って本質的なことを考えたりするからね。

栃尾

そう、そう。

石塚

余計なこと知らないからね。

栃尾

そうなんです。大人が当たり前になって、凝り固まってるところを、なんか耕してくれるって言うか、そんな感じ。

石塚

たまに電車で赤ちゃんの目見るのが好き。あの目が一番なんか鋭い感じがする。

栃尾

それで何が分かるんですか?

石塚

要するに余計な固定観念ないから、物事をこうまっすぐ見ようとしてる、あの目は好き。

栃尾

知らない人の顔をじっと見てもなんの躊躇いもない(笑)。

石塚

そう、あの目はとても哲学的な目をしてる。

栃尾

確かにね。大人はできないですよね。

石塚

もうほら、僕のは濁りに濁っちゃってるからね。濁りに濁ってるから、こういう目のね、澄んだ目、このまなざし。「あぁ、50年近く前こんなときもあったんだろうな」。

栃尾

(笑)。

石塚

そんな風に思ったりするけど、だから、そういう赤ちゃん見ると、賢いなと思ったりする。

栃尾

なるほどね。

石塚

本質的なことを見れるっていうね。

栃尾

はい、なるほどねぇ。

石塚

でも、今の時代って、すごいものすごく変化激しいけど、実はああいう目を持つことなのかなとかって思ったりもする。

栃尾

何もこう。

石塚

そうそう。

栃尾

澄んだ目でね。下手な情報は捨ててしまって。

石塚

固定観念捨てて、真っ直ぐ見ると、問いや、その問いの解になるようなものが見えるのかもしれませんね。

栃尾

確かに、なるほどね。賢いって、そっか色んな面があるんだなっていうのが。

石塚

そうですね。

栃尾

うん、発見でした。はい、じゃ、今日はこんなところでですね。もし中小企業の方で採用に困っている方は「株式会社求人」にお問い合わせください。

石塚

はい、お待ちしてます。

栃尾

私の方はですね、『note』に、栃尾江美っていう名前で、色々こう記事? なんか好き勝手色々書いたりしているので、良ければ見ていただけると嬉しいです。では以上、栃尾江美と。

石塚

石塚毅でした。

<書き起こし、編集:折田大器

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