反対語。

石塚毅（たけし）です。

よろしくお願いします。

栃尾さん。

賢さといえば栃尾さん。

いや、僕は社交辞令は言いますけど、お世辞は言いませんよ。

賢さの定義っていうのはいっぱいあると思うんですよね。

どういう場面とかっていうのもあるし、でも日本人で賢いっていうと、ほとんどは勉強ができる、特に小中高等学校の勉強ができる人を賢いって、みんな言うのはホント強いですよね。

かなり引っ張られてますよ、未だに。

だから親も、まお互い親ですけど、なんか僕はあんまりあれですけど、勉強ができないとかって言うと、本当に。

子どもが勉強できないっていうと、「どうしましょう」みたいな。特に、自分が勉強で悩んだことがない人が、子供がすごい勉強できないとかよくある話じゃないですか？

そうすると、その親によってね、千差万別ですよね、その反応はね。

だけど、みんな一様にすごい大事（おおごと）に考えるでしょ。

そう。だから、賢さっていった場合に、小中高等学校のすべてのゴールが受験……「受験の勉強ができる、できない」っていうのには、日本人はものすごく影響されていると思う。

ところが、それが今日本の、この衰退を生んでいると僕は個人的に思っていて、もう世の中に合ってないんですよ。その受験自体が。

だから、「あんなの追いかけてもどうなんだろう？」とかって思いますけどね。

そんなこともない気がしますよ。

そんなことないと思います。

うん、例えば、経営者で賢い人って、単純だけど、新しい儲けのネタ作れるとか、商売においての賢さで言えば学歴まったく関係ないですよね。

ほら、お勉強してた、有名大出て、なんか有名なMBA取ってなんて人で、実践でできる人には僕ほとんど会ったことない。

要するに、会社を、実際に経営してみて、事業やってみて、売上利益どれだけ大きくしたかとか、ほとんど。

うん、むしろ中学校ぐらいしか出てないとか、高校も商業高校、別に商業高校が悪いというわけじゃないですけど、実業高校出身のほうがめっちゃ多いですよね。まったく多分違うと思うんですよね。

あれは、そうですけどね。うん、たまたまそうだけど、でも別にそういう会社ばっかりじゃないし、300万社ぐらいあるうちの一社でしょ？

そうじゃない、たまたまメディアはそういうのは、ほら、絵になるから挙げるけど、メディアに知られてない優良企業なんていっぱいあるし、その優良企業の経営者の学歴調べても多分そんなに高くないと思う。

むしろ、経営者、特にゼロからイチを生み出す経営者ってね。大概ね、むしろ子供の頃、ちょっと面倒な人。

うん、なんか変わってて、必ずしも先生のウケが良くなかったり。そうじゃないかなぁ。

あんまり今の時代、先生に従順な人っていうのは難しいと思うな。

はい。

典型じゃないですか。

安田さんなんて。

安田さんをクラスで担任に持つって言ったら大変ですよもう。

だから先生にその器があったってことですよね。

たぶん安田さんが「俺に触れるな」ってオーラがすごかったんだと思う。

それを貫き通せるって、もう天才以外の何物でもないですよね、普通。でも、あと親御さんが偉かったんでしょうね。

だから、ちょっと特異であるっていうことを別に否定しない。

最近、ちょっと前に読んだ本で、『天才はあきらめた』っていう山里亮太さんの本、あれすごくいい本なんですけど。

お母さんがすごい素敵なのね。

どんなときでも亮太君の味方で、「いいよ、いいよ、それで」あれは一つだと思う。

そう。だから時々「勉強ができなくて」とか言って叱りつけてるような親御さん見るけど、「どうでもいいじゃん、そんなの」って。時代変われば、価値観も変わるし、特に今の時代って何がどっから飛んでくるかわかんないじゃないですか？

だから、あんまりなんか昔ながらの学校勉強秀才って、むしろデメリットしかないんじゃないかなって思いますけどね、個人的には。

好き？

あっ、そうですか。ごめんなさい。

いや、そんなことないですよ。

「モノを知ってる」ってこと？

まあ、それも賢さだよね？

栃尾さんが求める賢さって何なんですか？ その栃尾さん定義の賢さっていうのは？

広く見れる。

さすが。

さすがITコンサルやってると、そういう風になりますよね。

へぇー……。なんか僕ね、なんか全然違うオリジナルな見方をする人って賢いなと思う。

まあ、でも、それって主観だから。賢さの感じ方って。

そう、そう。だから、あんまり主観なものが、主観的になるものが、客観視されているかのようなものが、僕は一番それに振り回されるのが一番もったいないと思う。

そうです。例えば、レストランに行ったときに、ちょっと「そろそろなんか水が欲しいんだけど」っていうときに、店員さん、たまにね、そういう人今めっきり減ったんだけど、フッと、「えっ、頭の後ろに目が付いてるの？」っていうのは、すごく良いタイミングで声かけてくる店員さん、心底賢いなと思う。

だから、その無限、無限とまでは言わないけど、いろんな賢さありますよね。

栃尾さんは、お子さんにどんな賢さ、賢いお子さんになって欲しいの？

具体的には？

生活力ある人だ。

めげないことでもあると。

めげないことも賢さだと。

普通ほら、ダメになったらみんな落ち込むじゃない。

うん、落ち込むけど、また次を見つけられるって相当気持ちが強いってことだよね。

だから気持ちが強いことも賢さで、「どうして気持ちがそんなに強いの？」って、「あなた賢いわね」っていうことでもあるわけでしょ？

まあ、天然かもしれないけどね。

でも、ナイーブだと、そのすごい微弱な電波を感じる事やこんな風に感じるよっていうことも賢いよね。

特に、こういう時代向きですよね。

そう、繊細なマーケティングが求められる時代の才能であり賢さでもありますよね。

賢さって時代が速い遅いもあるし、時代に合う、合わないもあるから。

ありますよね。今ほら、ちょっと変わった子でも、個性と認められるけど、少なくとも、僕は昭和45年生まれですけど、あの頃の小中学校でそんなことやったら多分もうガン詰めにされてましたよね。

うん、僕どちらかというと田舎の育ちだから、ある画一的な予定調和を求められるんで、「こういう場合はこう」みたいな。

そこに「そもそも先生どうしてこういうことなんですか？」って根本から問い直すような質問をすると……。

大概、はい、結構本質的な問いかけをすると、すごい減点されましたね。

そうですよね。

そうですね。

あの……途中からやめました。

はい。学んで、もう言っちゃダメだなって。

そうです、そうです。

中学校3年ぐらいには、「これちょっと自分ダメだな」と思って。

そういうことを言っては、って。

食って掛かるというか……。

うん、まあ……、そうですね。ちょっと英語の先生に「石塚はアメリカだったらいいけど、ここは日本だ弁えろ」って言われました。

まあでもね、当時は、親もみんな「そうだ」って言って。

親も心配してました、こんなのが長男で、なんか突拍子もないこと言うし。

当然、なんかの機会には情報共有されるじゃないんでしょうか。そうしたら、もう帰ってくると母親が三角の目をしてて、「先生からこんなの聞いたぞ」みたいなね、「えー」みたいな。

だから、そういう意味ではあんまり。予定調和っていうのは飲み込むまでに時間がかかりましたね。そういう意味では賢くなかったと思います。

いや、だから、その悟るのをわかるのが遅いってことは、その当時の新潟県の時代では、僕は賢くなかったわけですよ。

そうです。今は逆にほら、先端教育とか、「今の子、いいな」と思う。

何か根本的なことを考えてみたり、「これとこれ結び付けてみたらどうだろう」とか、だって考えてみておかしいと思いません？ 英語を勉強するんだったら、「もっとみんなで話そうよ」とかって、なんかそういう英語……、みんな一人の先生が喋ってみんなで答えるとか、お寺みたいな、あんな英語教育って、「そりゃ英語喋れないわ」みたいな。

昔の。だってインプットだけでしょ？

うん、まあねぇ。

かなりそこは差が出てきましたよね。

えっ？ 昔より窮屈そうなの？

あぁ、そう。

多い。

小学校によって相当違います。だって、同じ区じゃないですか？

へぇ、ぜんぜん真逆。うちはもう軽くというか、かなり学級崩壊が日常化してるんで。

大変ですよ、本当。特に3人行かしたけど、一番下は、段々なんか学校が……、昔は良かったけど……。

うん、先生も……変わってきたんですね、そこはね。

大変。

うん。

子供って本質的なことを考えたりするからね。

余計なこと知らないからね。

たまに電車で赤ちゃんの目見るのが好き。あの目が一番なんか鋭い感じがする。

要するに余計な固定観念ないから、物事をこうまっすぐ見ようとしてる、あの目は好き。

そう、あの目はとても哲学的な目をしてる。

もうほら、僕のは濁りに濁っちゃってるからね。濁りに濁ってるから、こういう目のね、澄んだ目、このまなざし。「あぁ、50年近く前こんなときもあったんだろうな」。

そんな風に思ったりするけど、だから、そういう赤ちゃん見ると、賢いなと思ったりする。

本質的なことを見れるっていうね。

でも、今の時代って、すごいものすごく変化激しいけど、実はああいう目を持つことなのかなとかって思ったりもする。

そうそう。

固定観念捨てて、真っ直ぐ見ると、問いや、その問いの解になるようなものが見えるのかもしれませんね。

そうですね。

はい、お待ちしてます。

石塚毅でした。