
求人コンサルタントの石塚毅さんがゲスト! 安田佳生さんのオフィスに次男とお伺いした時に、次男がすぐになついてしまい、たくさん遊んでいただき、とても素敵な方だなあと思ったのでした! 石塚さんにはまず、これまでのキャリアを伺っています! 営業トークと人脈のつなぎ方(数珠つなぎの術)がすごいです!!

クリエイティブの。

反対語。

こんにちは、ストーリーエディターの栃尾江美です。このポッドキャストは、私、栃尾江美が好きな人やお話したい人をゲストにお迎えして、クリエイティブなことや哲学的なことを好き勝手に話す番組です。今日から声が変わりましたが、ゲストは石塚毅(たけし)さんです。

はじめまして、石塚毅です。

よろしくお願いします。えっと、自己紹介してもらっていいですか?

はい。「株式会社求人」という会社を経営しています。代表取締役の石塚毅です。求人コンサルタントと名乗っていまして、お客様は中小企業、人数でいうと社員数が100名以下がほとんど、そのうちの7割は50名以下の会社さんで、社長さんが採用の担当も兼務するような会社というとイメージが付きますかね?

はい。

そういう会社さんの採用の支援をしています。で、採用の支援をするときに3つあって、1つはランニングでお金がかからないこと、2つ目は手離れがいいことですね、社長さんにとっても。「一度打ち合わせして何かを作ったら、あんまり手をかけなくても」という、そういう意味での手離れがいい。

はい。

そして、3つ目は当たり前なんですけど、人が採用できることっていう、この3つを特徴にした採用支援をやっています。

それをやり始めたのは最近なんですよね?

そうですね、事業として採用支援事業をやり始めたのは2017年の9月からで、これをサービスにしたのは2018年の2月からです。

これをずーっと遡って、石塚さんのキャリアからお聞きしたいんですけど。

はい。

ずっと採用業界にいらっしゃるんですか?

そうですね、ずっとですね。今年で23年目です。

元々、リクルートにいらして。

リクルートは中途入社ですね。

そっか、その前も採用業界なんですか?

はい、そうです。

どんなことから?

僕、田舎の出身で、大学で東京に来たんですね。

はい。

一応、こう見えても本家の長男なので、大学を卒業した後はUターンしないといけないなと思って。新潟県というところなんですけど。

とこなんですけど(笑)。

栃尾さんの出身地の隣の県のね、新潟県なんですけど。

栃尾市ってありますよね?

はい。

もうなくなっちゃったかな?

いや、そうなんすよ、栃尾のね、揚げ豆腐。

栃尾揚げのね(笑)。

『日本海庄や』行くととてもおいしいんですけど。

そうなんですか(笑)。

そこで就職したんですね。でも、すぐに田舎に飽きてしまって、20代で一回転職するんです。それが採用人材業界だったんですね。

はい。

あとはもうずっとその業界で、途中リクルートっていう会社から「うちに来ませんか」ってお誘いいただいたんで。

ヘッドハンティングってことですか?

いや、そんな大したことないんですけど。それで、それがご縁で入社して、39歳のときに独立して、今年の12月で丸10年ですね。2009年の12月に独立したので。

はい。具体的にどういうお仕事をしてたんですか?

人材を紹介する仕事ですね。

はい。

ですので、人材紹介という、採用の中でも求人広告もあれば、人材を派遣する人もいれば、採用業務を代行する人もいれば、僕みたいに人を紹介するっていう。

いわゆるヘッドハンターってことですかね?

まあ、そうですね。そういう風に認識いただけるとわかりやすいかと。

じゃあ、企業から「こういう人を採用したい」というのがあって、それが結構役職の高い方だったりして、それを具体的にこの人どうですかってスカウトしてくるみたいな?

そうですね。

あぁ、そうなんですね。どうやって人を見つけるんですか?

もちろん、会社に登録しに来てくれる人もいるんですけど、登録しに来てくれる人ってそんなに優秀な人いないんですよ。

まあね、探してるってことは、引く手あまたではないって感じですよね。

そうですね。特に、40代で自分から登録する方って、ほとんど大したことない方が多いんで。

なるほど(笑)。

やっぱり優秀な方って声かけないと、大体もうそこで活躍されてるんで。

そうですよね。

声かけても「何言ってるんですか」って、「僕、忙しいんですよ」っていう人ほど優秀。

なるほど。じゃあ、そういう人を口説き落とすところから。

その通りです。

なるほどね、そういうところにテクがあるんですね?

まあ、テクというか……テクですな。

具体的にどういうことが大事なんですか? 口説き落とすときに。

その方にいきなり電話するっていうのは、3流以下で。

へぇ。

だって栃尾さん、いきなりね、一面識もない僕から電話があったら気持ち悪いなって。

「なんか押し売りかな」みたいなね。

そうですよね。でも、栃尾さんがすごく信頼している人が「ちょっとさ、紹介してみたい人いるんだけど、会ってみない?」って言ったら、グッとハードル下がりません?

めちゃめちゃ下がりますね。

だから、その人に会いたいって思ったら、その人が一番信頼していたり、仲の良い方とどうやって知り合うかをまず考えるんです。

すごっ。その人が信頼している人っていうのは、どうやってリサーチするんですか?

それはやっぱり「人脈数珠つなぎの術」っていうのがあって。

術(笑)、習得するの大変そうですね。

そう、まあ、大したこともないんですけど。

(笑)。

人脈を大事にしていくと、その人の知り合いの、また知り合いのって続けていくと、なんと7回やるとアメリカの大統領まで行くんですよ、理論上は。

あっ、聞いたことあります。

そう、7回紹介で。

誰にでも行けると。

その通り。だからもう、今のアメリカの大統領に会いたいなと思ったら、7つ仲介、経由すれば会えます。理論上ね、数学上。

はい。でも、理論上と実践とは違いますよね?

でも、大体会えました。

へぇ、探せるもんですか?

はい。

人に聞いたりとかして?

そうですね、単純には。で、僕いつも「会いたい人リスト」を持ってました、カバンの中に。

はい。

そこに少ないときで20数名、多いときで50名近くの会いたい人リスト。

ふーん。

例えば、「某会社の会長にどうしても会いたい」って、どちらかというとそれは人材、でもね、わかんないんですよ。特に、経営者をプロでやってる人って、今経営しているけど、その人を口説き落とせるかもしれないし、その人の会社に営業して、求人を受注するかもしれないっていう。

あぁ、はい。

だから、求人を受注しにいきながら、「いやぁ、実は」っていう話が出てくると、もちろん狙ってるんですけど、こっちはどこかね。それを想定しているんですけど、「えっ、栃尾社長!えっ?」なんて言ってね。

いろんな種が。なるほどね。

そう、そう。その通りです。

いきなり会いに行けるものなんですか?

いきなり会いに行ったら負けなんですよね。「誰から紹介をしてもらうか」っていうのが大事。

なるほどね、結局すべて。

だから、今日、栃尾さんという人と会って、「栃尾さんはすごいネットワークをお持ちで、栃尾さん、1つお願いしてもいいですか?」って。「おぉ、なんでもいいよ」「本当ですね? 栃尾さん、約束ですよ」というと、机から会いたい人リストを出すわけですよ。

はい。

大体ね、それが形になってる人ってほとんどいないんですよ。

会いたい人リストがですか?

そう、口で言うんだったら誰でもできるじゃないですか。

はい。

事前準備して、コンマ何秒で、間合いと共にパッと出てくると、相手も「やられたな」って。

確かに。

そうすると、「おぉ、すごいね」みたいな。そうすると「この人とこの人知ってるよ」。

紹介できるよ、と。

「この場で電話してもらえますか?」って、当時はね。

えーっ、押しが強い。

「栃尾社長、この場でお電話していただいていいですか?」って。「……いやぁ、いいよ」って。

声色が(笑)。

そうやって、電話して、代わってもらってというのを、何百回やったかわかんないこれ、何百回どころかもっとですね。

へぇ、じゃあ、それが営業トークっていうか、じゅじゅ、数珠つなぎですね(笑)。

そうです。そうやって人のつながりを増やしていったのが当時のヘッドハンター時代ですよね。

ふーん、じゃあ、誰に会うにも知ってる人から紹介してもらう。

そうです、誰から行こうかなって。

なるほどねぇ。

で、どーしても難攻不落の山があったんですけど、基本的には、全部登りました。

登りました(笑)。すごいな。

4回、5回、6回色んなルートからトライしてダメだったけど、某牛丼チェーンの会長とか、とうとうここから上がったぞって、会長室行ったときは「やった」って思いましたけどね、「アポイント取れた、よっし!」みたいな。「何を騒いでるんだあの男は」みたいなね、フロアーで、当時。

すごい。単純な疑問なんですけど、そういうビッグな方に会うのって怖くないんですか?

まったく。

へぇ、元々?

最初はもちろん気が引けますよね。でもね、人間なんでも慣れられるんですよ。

なるほど、じゃあ、そこはグッと頑張ってるうちに。

うん、そうですね。量質転換。量から質へ転換ってよく量質転換って言うけど、量をこなしていると段々うまくなっていくんですよね。

はい。

だから、別に。

どれぐらいで大丈夫になりましたか?

いや、1年もかかりません。

そうなんですねぇ。それはどれぐらいのペースですごい人に会うんですか?

えっと、僕1日多いときは7アポ、8アポありました。

へぇ、元々は全員にすごく緊張してたってことですか?

最初は。最初は、まず7つも8つも入らないんで。

はい。

スカスカしてるんですよ。当時の僕の指標って「1日何人会社の社長に会うか」だけでした。

ふーん。

それが多いと、今日は結構密度の濃い1日だなって。

はい、なるほどね。私今でも緊張してしまうんですけど、量が足りないか、なんかやり方が足りないんですね。

それかあんまりそういう仕事が好きじゃないか。

えっ、そうなのかなぁ……。

経営者という人種に会うことにあんまり興味がないのか。

えー、いや、楽しみではありますけどね。単純に緊張しちゃう感じですね。

どっちかだと思います。

はい、なるほど。

はい。

それで独立したきっかけとかを聞きたいんですけど。

僕、中途入社だったんで、まったく独立起業思考ゼロだったんですよ。むしろ出世思考が強くて、だから自分で言うのもなんだけど、模範優等生サラリーマンをやってましたね。

へぇ。

それももちろん、ちゃんと意識してね。だから、まず上司になった人の好みをつかむ。

すごい。

正しいとか正しくないかではない、好きか嫌いか。

はい。

どんなことするとこの上司は好きなのか、どんなことをするとこの人は嫌だと思うのかということを、まず最初の1か月じっと観察して。

すごっ(笑)。

で、好きなことだけやる。

へぇ。

それを3か月もやってたら、もうなんでも「石ちゃん、石ちゃん」って呼んできますよね。

石ちゃん?

リクルートは、全部ニックネームで呼ぶから。

あぁ、そうなんですね。

「栃尾部長」なんて呼んでも振り向いてもくれないから。「とっちー」とかそんな感じ。

へぇ、でも、どっかで気持ちが変わったんですか?

まったく変わんないんですけど、リーマンショックっていうのがあって、2008年にドドーンって1発目が来るんですけど、僕は成績良かったんで、全然無関係だったんですが、まず全社のアルバイト職が全員終了になって、次に、成績があまり良くない人は出向とかして、ものすごい勢いで売上が下降するから、当然固定費も下げなきゃいけない。そういった中で、2009年の夏に非常に不本意な人事異動が聞こえてきまして、それに腹立っちゃったんですね。

はい。

それで、奥さんに、当時サラリーマン時代はすごい忙しかったら、お盆ぐらいにはちょっと最近はこうなんだって、仕事の話はするんですけど。家内も昔「リクルートFromA」だからわかるんですよね、なんとなくね。

えぇ。

「実はさ、ふざけんじゃねぇって感じなんだよ」ってひとくさり話すわけ。それで、奥さんが聞いていて、奥さんが一言「あなた独立しかないんじゃないの?」って言うから、説教したんですよ。「だからリクルートはダメなんだよ、すぐに独立とか起業とか簡単に言って」って。

ウケる(笑)。

大体現職時代もそういうことを言うと説教していたほうなんで。「だから、お前ら極楽とんぼとか言われるんだ」とか、そんなこと言ってたから、まず同じようにね、「いかに大変か、いかに経営が悲惨か」30分くらいかな、言ったんですけど、最後に家内が反対処理で一言「じゃあ、あなたどうするの?」って言われて、僕、グッときてしまい、答えられなかったの、それを反対処理かけられなかったの。

ハハハ、おもしろい(笑)。

「一番避けてきたことがぁ」

気付いちゃったんですね?

「これかぁ」みたいなね。で、正直言うと2009年の8月過ぎ、転職活動しました。同業他社に、人脈とかあったから。

はい。

全部お断りされました。

そうなんですね。

そんな余裕ないもん。それなりの、当時年収そんなに高くないけど、家族持ちのね、人を受け入れる余裕はないんでしょうね。

なるほど。

「いやぁ、行き場ないなぁ」みたいな。

うん、うん。

「いやぁ、独立起業かぁ」って。うーんって考えるんだけど、昔からそうなんですけど、僕、頭悪いから自分でいくら考えても解決しない。そういうときは、人に聞くの。

はい。

それで、ゼロイチで成功した起業家、経営者いっぱい知ってるから、全部リストを見て、その中で個人的に尊敬して好きな人を6人ピックアップして、アポを全部入れて聞きに行ったの。

はい。

「こんにちは」って。Qの1は「日ごろの仕事ぶりなんですか?」って。2つ目は、「この僕が独立するって言ったら、なんとおっしゃいますか?」って。誰か一人でもバツ付けたら、どんな部署にも異動を受け入れてサラリーマンでまっとうしようと思ったの。

へぇ、すごい。

それが8月の終わりから9月。その6つのアポイント1個1個でギアが入っていった感じです。

なるほど、それで独立しようという気になったってことですね。

そうです。6人目の一番尊敬している経営の師匠と慕っていた方が一番強く推してくれて、それが9月23日のね、水曜日の午後3時のアポイントなんですけど。

すごいんだけど(笑)。

あの日、人生が変わった日ですよね。

変わったんですね、へぇ。

それで新宿のビルを降りてきて、「絶対に起業するぞ」って、すぐに社長の秘書に電話して、「すぐアポイント取ってくれ、今日ダメか?」って、そんなわけないよねって。翌々日の夕方、だからちょうど金曜日、16時にちょっとアポイント取ってもらって。

えぇ。

「どうしたの?」って言われて、「独立するので、退職をさせていただきます」って、それがそんな流れです。

へぇ、そうなんですね。そのあとのどんなお仕事かってこともお伺いしたいので、今回はこれぐらいで……

あぁ、すみません、なんか。

終わりにしたいと思います。以上、栃尾江美と。

石塚毅でした。
<書き起こし、編集:折田大器>

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