【コラム】モーニング・ページを書いてみよう


「あれもこれも書きたいけどこんな抵抗感がある」というアウトプット相談。その人が本当に書きたいことは、対話の中で見つかってきた。

今回のアウトプット相談は、比較的話す機会の多い男性。事前に「話す前に準備していったほうがいいことある?」と聞かれたので、「そうねえ、書きたいことと、なぜ書きたいか、考えてきてくれれば!」と軽く答えた。

当日になると、A4用紙にびっちりと、書きたいこととその背景が書かれている。ひとつひとつ聞いてみるけど、時間が足りない。とにかく発信したいことが多い。相談時間も、ずいぶん延びている。

最初は「誰かに伝えたい」「反応してほしい」みたいな内容だった。でも、よくよく聞いていくと、実は「こういう文章は読んでいて嫌だから自分は書きたくない」「でも、気にせずさらけ出したい」という矛盾する2つの欲求があることが分かった。

嫌いなタイプの文章があって、それをなぜ嫌いなのかはそのうち深堀りしたいところだけれど、ひとまず「気にせずさらけ出したい」という言葉にフォーカスする。

「さらけ出したい」でも「批判されたくない」

一通りの欲求を聞いてみた。

伝わるものを書きたいけど、そうじゃないと思われたくない。「わかる人がわかればいい」みたいな文章は好きではない。能力がないと思われたくない。

いろいろな感情があった。私はふと、むかし取り組んでいた「モーニング・ページ」のことを思い出した。

「『ずっとやりたかったことを、やりなさい』っていう本、知ってる?」

彼は、知らないと言った。

「その中に書かれているのは、自分を取り戻すワークのようなものなんだけど、大きくは2つ『モーニング・ページ』と『アーティスト・デート』。その中の、『モーニング・ページ』をするといいんじゃないかな」

モーニング・ページとは、思ったことをそのまま文字にする行為。「書くことがないなー」と思ったら「書くことがないなー」と書く。朝の30分を使って書くことが推奨されているので「モーニング・ページ」という名前なのだ。それを、誰にも見せずにやってみたらどうだろうかと、提案した。

「あるいは、私にだけ見せてくれれば、適宜読むし」

かくして彼はパスワード付きのブログを開設した。彼は毎日のようにモーニング・ページを書き、思いのたけをつづっている。そこには彼なりの鋭い視点がちりばめられていて面白い。私は毎日とは言わないけれど、ときどき読んで足跡のようなものを残していく。

少しして聞いてみると「人目を気にせず書けて楽しい。これまで外側に解決策を求めていたけれど、内側に問題があるということが分かった。アウトプットするより、内省をする方が先だと思う」との感想。しばらく続けてみて、次の段階に行けたらいい。