【コラム】お役立ち情報の消化不良に効くもの


メディアの仕事をしているとわかるが、役に立つ記事は読まれやすい。読者にとっても読む意味があるし、書くほうにしてもわかりやすい。「面白い」というふわっとしたものより、機能的なお役立ち記事の方が興味を持たれやすいのだ。

だけど……。

ノウハウものに食傷気味

ノウハウものはとても役に立つけれど、いや、だからこそ、ときに食べ過ぎて飽きてしまう。おなかが空いている時には、とてもい美味しい。次から次へと、どんどん吸収できる。

ところがあるときから、インプットばかりが続くと自分が何も進んでいないことに気が付く。何か行動しなくてはならない。これ以上は入らない。

消化吸収とはよく言ったもので、自分の体に入れたあと、自分のエネルギーや栄養素として、「何か」に使わなくてはならない。

周囲では、セミナーや講演会、勉強会などがとても多い。でも、インプットばかりで、身になっていないことが多いのではないだろうか。その時は「なるほど!」と感心しても、それによって自分が何か変わっているだろうか。

自分で考える人が好き

インプットを自分が前に進むエネルギーにするために、自分で考えて行動してみたいと思う。

結局これもインプットなのだけど、自分で考えている人が好きだ。情報をどこかから運んでくれるひとではなく、その人の考える過程も踏まえて見せてくれる人。自分の頭で考える人。

情報をくれる人の言葉を聞いても、「へーすごいね」で終わってしまう。自分の頭で考えている人と話していると、「本当かな?」と考えるし、自分の頭の中で問いが生まれる。

考える人と話そう

私が配信している「クリエイティブの反対語」というポッドキャストでは、毎回ゲストをお呼びしている。

今週配信した回から、宮田匠さんがゲスト。『ビジネスフレームワーク図鑑』という書籍を書かれていて、1年間売れ続けているすごい書籍なのだけど、この方は、自分の頭でいつも考えている。

私が好きなのは彼のTwitterで、日々気づいたことや、問いをよく発している。それは決して「答えはこうです」という誰かに教えるものではなく、日々少しずつ気づき、蓄積しているような。

お話して、思考が深まる

宮田匠さん(通称たくみん)と話したPodcastはこちら

たくみんと話すと、問いを問いのまま置いておくという価値観が近くてうれしく思った。自分の中で答えが出ていないことを発するのも恐れない。そういう姿勢が好きだし、相手の思考も刺激される。

ゲストなのに、ありえないほどの「話したいテーマ」のリストを持ってきてくださった。そういう姿勢がTwitterでもにじみ出ている。

帰りがけに、私と、私の子どもと、収録担当のアユミちゃんに、書籍をプレゼントしてくださった! うそみたい。ゲストなのに! 気遣いの方!

話も楽しかったし、とても謙虚で、心がきれいで、とても楽しいひと時だった。

<見出し画像イラスト&デザイン:金子アユミ