学校の勉強やカリキュラムは、増えるばかりでなかなか減りません(ゆとり教育のときは減りましたが!)。実際、学校の勉強はどれくらい必要なのでしょうか。子どもの教育に長く携わっている深松浩子さんと話してみました!
クリエイティブの。
反対語。
こんにちは、ストーリーエディターの栃尾江美です。
こんにちは、「子どものみかた」の深松浩子です。
このポッドキャストは私、栃尾江美が好きな人やお話したい人をお呼びして、クリエイティブに関することや哲学的なことを好き勝手に話す番組です。今回も浩子さん、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
えっと、クリエイティブに関することや哲学的なことって言ってるけど、子どもの教育ってどっちにも入るかもね。
あぁ、ホント、うん、ホントにそうだと思う。
めっちゃクリエイティブだよね(笑)。
そうだね(笑)。瞬間、瞬間。
瞬間、瞬間。
クリエイティブみたいな(笑)。
「子どもが駄々こねたとき、どうするか」みたいな。
そう、そこで方法を、「はい、クリエイト」みたいな(笑)。
クリエイト。「答えがないんですけど」みたいな。答えないことばっかりだもんね。
(笑)。
ホント、そうだよね。あれがすごい疲れるんだよね。
そうねぇ。毎日やってる……
そう、これをどうするかとか。
親御さんは(笑)。
うん、なんか親であるってだけで、言うことを聞かない率が何割増しとかだもんね。
(笑)。もうなんか良いのか悪いのかだよね。
そうだね。子どもにとってそういうワガママ言える環境は必要なんだろうけど。
うん。
そう、そう。それでまあ、今はね、こういう状況でね、学校に……、まあ、今は行けてるけど、行ってもこう、なんかワチャワチャ遊べないとかさ(笑)。
うん、うん。
なんかそういう運動できないとかさ、グループで発表し合うようなことができないとか、そんな状況でさ。まあ、学校でどんな意味があるんだろうって色々考えられてると思うんだけど。
うん。
そこで、まあ、浩子と……、浩子に聞きたいっていうか、一緒に話したいなっていうのが、「学校の勉強は必要か」みたいなところ。
うん。
で、浩子は塾もやってたし、家庭教師もやってるってことで、学校の勉強を、学校の教科を教えることが中心だと思うんだけどさ。
うん、うん、そう。
なんかそれについて、どんな風に考えてる?
うーん……、学校の勉強が必要かでいうと、学校っていう場は場で必要で、今勉強って言われてるものは、ちょっと形は変えないと、内容は変えないといけないけど、必要だなとは思ってる。
なるほど。変えるべきところって、どんなところなの?
まず、教科の中身として、どうしたってまだ小学校で入ったけど、本格的でない英語だったりとか、言語だったりとか、まあ、あとITに関する部分だったり、金融に関する、経済の部分だったりは全然まだ日本では弱いと思うから、それは子どもたちが出て行く社会のなかで必要なことかな。そして今はちょと、うーん、まだ不十分かなと思うから、それを入れていくとか。
うん。
あと授業の仕方自体も、じゃあ、集団で本当にいいのかとか。
うん、うん。
で、今やっと、コロナで分散登校とかがあったときには、クラスの人数が減ったり、今やっと少人数言われてるけど、うーん、少人数どこまでやるのかとか、本当に少人数が良いのかとか。
うん、うん。なんかさ、ITとか経済とか、英語とかはさ、もちろんやったほうがいいっていうのはわかるんだけどさ、そしたら今の小学生とか、中学生もそうかもしれないけど、パツパツでしょ?
うん、うん。
なんか減らしてもいい教科とかも考える?
考える、考える。
「やんなくていいんじゃない?」みたいな(笑)。
(笑)。あの、何だろうな……、公式を結構覚えて、それの応用をするための時間をとることが、カリキュラムの中には結構多い。
うん。
まあ、学校のなかでは、授業のなかでは。
うん。
それが本当にそこまで要るのかとか。
数学? 公式って言うと。
そう、そう、数学。で、思考力さえ鍛えれば、そういう知識の面はある程度削れたりするから。
うん。
そうすると、まあ、昔からよく言うような知識を教える授業みたいな時間はだいぶ省いていいと思う、とか。
うん、うん。それ知識って言うとさ、私数学の公式を覚えるのはそんなに苦じゃなかったのね。
うん。
例えば、テストで忘れたら、もう1回導けばいいみたいな。
あぁ、うん、うん。
のもあったりとかして。それで、でもさ、どうしても英語とか、社会とか、覚えなきゃいけないやつはさ、全然覚えられないんだけど。そういうのはさ、でも、知識の教科でしょ?
あぁ、でも、それは授業の仕方によるかなと思う。
ふぅん、うん。
英語は特に。英語は使っていくことから授業を始めれば、知識っていう感覚はそんなになくなってしまうと思うし。
うーん、めっちゃあるよね。
使うものっていう感覚で、体育みたいな(笑)、どっちかっていうと。
へぇ。
感覚でたぶん習得していくことはできるし。
へぇ。日本語をね、言葉を覚えるの楽しいからね。
それで言うと、日本人にとっての日本語の授業、国語は、知識色が多かったりするだろうから。
ふーん。
まあ、それを本当に、表現力の授業に変えるっていうのは1つの方法だし、そうすることで、授業時間はたぶん結構短くなると思う。
覚えることが減るから?
そう、そう。あと、読み。読んで、例えば、漢字とかもそうだけども、それのテストのための練習時間をとるとか。
はい、はい。
ああいうのも、実際問題、教室じゃなくてもできる。
あぁ、家でやるのね。
先生と皆がいないといけないのかっていう。そうそう。
家でやるとまた、負担だよね、でもね。
うーん、まあでも、学校でやるものは、もうちょっとシェイプアップしてもいい。
タイトに? あぁ。
のかな、と思うし。あと、それで言うと、家でやると負担って言う、家で学習することの意識ももうちょっと変わるといいなと思うっていうか。
どんな風に?
学習……、宿題だから嫌とかっていうことではなくて。
うん。
課題があって、その課題に向けて……、「課題に向けて自分で計画してやっていけばいいんだ」っていうだけにしていって、自分の目標があるんだったら、自分で考えてその練習をすればいいし。
うん。
特に練習が必要ないなって思う子はしなければいいし。
ふーん。
で、ただ、それで、課題が重くなっちゃうってことはもちろんあるだろうけど。
うん。
でも、自分で考える時間をとるっていうのも、すごい大切だから、家でそういう時間をとるのも、学校以外の時間?
うん。
を思考する時間に使うっていうのも、学校のカリキュラムの一部だと思って、学校に来てる時間自体のカリキュラムは絞っちゃう。
うん、うん。そういうことができるかなってことね。
そう、そう。
思考力ってさ、授業で伸ばせるってこと?
うーん、授業でも伸ばせるし、ただ、一人のときの、一人で考える時間とか、っていう時間の両方必要だなと思う。
うん、うん。私のイメージではさ、結構、何て言うのかな。覚えさせる授業のほうが、計画通りサクサク行くんじゃないかと思っていて。
(笑)。
子どもに考えさせるとか、答えのないところを自分で模索させると、もっと時間かかるんじゃないかと思う。そんなことないの?
あ、それはそこだけをピンポイントでやっていくことで、授業時間自体は、まあ、内容もだから削減されることになると思うけど。
うん、うん。
思考力があれば、例えば1から10まで教えなきゃいけなかったことを、1から5を教えることで、5から先は自分で考えられるみたいな。
うん、うん。
応用で考えていけるみたいな能力。
うん、うん。そうだね。
に変えていく。そういうのを養成するカリキュラムに変えていく。
うん、うん。私の子どもはさ、学校に行けてないわけだよね。で、今学校のカリキュラムを変えるっていうのは、まあ、もちろん現実的じゃないっていうか、誰か私以外の人がやるしかなくってね(笑)。
(笑)うん、うん。
で、そうすると、自分の子どもに学校の勉強をさせるべきなのかっていうと。
うん。
私はそれはまあ、「できるか、できないか」で言うと、不可能と思ってて。不可能なんだよね、学校行ってないし。家で同じことを学ばせるのは無理で、だから、ある程度は捨てなきゃいけないかなと思ってて。
うん。
そうするとさ、「何を捨てて、何をやるべきなんだ」って思う。
よく言うことだけど、基礎は捨てられないと思う。
うん、うん。基礎って何のこと?
例えば、算数で言うんだったら、本当に、足すっていう概念とか、量が増える、減るっていう概念とか、あと、単位の概念とか、それが形を変えていくっていう概念とか、あと、面とかっていう量を表していくとか、幾何の概念。
うん。
そういうものは、世の中にあるんだということを知るっていう機会は絶対に取ったほうがいいと思うし。
うん。
で、それ以外で言うと、社会とかも、聞かないと、読まないと絶対知るチャンスがないようなものも多いから。
うーん。
そういうのは、やっぱり、歴史っていうのがあって、人はこうやって歩んできた歴史があって、それをなぜやるのかみたいな基本の部分とか。
うん。
地理でも、こういう影響があって、こういう風に地形がこうなるよ、みたいな。それに応じて正解はこうなるよ、みたいな。その為にあるんだよっていう、そういう基本だけは外さなければ。
じゃあ、あれか、それって概念的に1回ここにあるって分かってれば、忘れちゃってもいいって感じ?
そう、そう。
必ずしも覚えなくても。
うん。
なるほどね。確かに1回出会わないと分かんないことってあるね。
出会っておけば、あとは引き出す。
うん。そうだね。自分でそこにあるってことさえ覚えておけば、あとでもう1回調べればいいもんね。
うん。
この間、保護者会に行ったらさ、5年生、うちの子は5年生なんだけど、「5年生は今石油のことをやっていて」って言っていて。
うん。
確かにそういうのも、自分からね、石油の本を読むってことはまあ、ほぼないだろうから。まあ、でも1回ね、忘れちゃうとしても1回聞いておいたら違うだろうから。
うん、うん。
まあ、そういうのは確かにあるかもね。
うん。
私なんかはもう忘れちゃってるから、「やっても意味ないんじゃない」って思ってたけどさ。
うん、うん。
「忘れちゃったけど、やったわ」っていう……
(笑)。
ことだけでも、かなり違うってことね。
そうね、その意識の下の方に、いつもはわからないところにある、教養の種になるみたいな部分。
はい、はい。
があればいい。
なるほどねぇ。
もちろん、「地球のなかで南と北で生活は違うってなんとなく分かるよね」っていうことを最初に触れるみたいな。
はい、はい。
その機会として、勉強っていうのは必要だなって思う。
なるほどねぇ。じゃあ、勉強って感じじゃなくても、ちょっと教科書をなぞるとか、見るとか、読むとかでも随分違うのかなぁ。
そうね、その方法は、うん。教科書が読みやすいってことだったら、教科書を読むっていう方法でも全然いいと思う。
うん、うん、なるほどね。そういう、基礎の必要知識ということで学校のカリキュラムができてるってことなんだよね。
そう、そう。そうね。
うん、ちょっとまだまだ続きそうだけど、そろそろお時間なので。
はい。
はい、今日はこの辺で終わりにしたいと思います。以上、栃尾江美と。
深松浩子でした。
<書き起こし、編集:折田大器>
<見出し画像イラスト&デザイン:金子アユミ>