反対語。

えー、マメヒコの井川です。

はい。

はい。

うん。

うん。

また、復活させてるけどね。

うん。

あぁ……。今のを受けていうと、フェードアウトが嫌いなの。

だから、パツッと切ったほうが、またすぐ再開できるという希望があるから、パツッと辞めるんだよ。

いやいや、フェードアウトっていうのはなかなか辞めにくいです……、あの、再開しにくいです。

うん、なぜかっていうと、フェードアウトするっていうことは、テンションが少しずつ下がっちゃってるわけよ。

テンションとか、モチベーションがね。

徐々に知らないけど、いつ間にかなくなっちゃってる。

でも、それは、そうすると再開しようと思っても、「でもなぁ」っていう。

うん、「でもなぁ」って思うわけよ。

うーん、だってさ、例えばさ、指ってさ。

うん、手についてる指。「手についてる指」ってすごい表現だけど。

手の指とかはさ、あれ、スパッと切れたら。

指が。

うん、すぐに付けやすいんだよ。

でも、これがグシャーって。

グシャーっと何かにひかれちゃって、半分腐ったみたいになっちゃたら、もうくっ付かないじゃん。

だから、そういうことと一緒で、生き物って、たぶんスパッと切れちゃったほうが再開しやすいんだよね。

そうだよ、だから。

何年も置いといたらダメだよ。

うん、やっぱりスパッと切って、「このままじゃダメだな」と思ったときに、スパッと切って。

でも、その再開を視野に入れてスパッと切るわけよ。

そう。

しなくてもいいし。

でもやっぱりそういう、何て言うんだろう、何でもそうじゃない。パッと「活動休止にする」って言っても再開する人と、なんとなくズルズル、ズルズルやってて、もういい加減解散みたいにしたらもう戻らないよね？

そうでしょ。

指の理屈と一緒。

そう、だからグチャグチャになる前に、まあ、自分のことで言えばさ、自分のモチベーションが下がりそうだと思ったら、もう辞めちゃうんだよ。

下がる前に。

だって下がったときの記憶が残っちゃうじゃん。

うん。

「結局こういうことやってもムダだったよね」みたいな。

そういう風に思う前に。

「いや、可能性あるから辞める」。

でも、今のままだと先も見える。

「じゃあ、ちょっと一回休憩入れるか」みたいな。リフレッシュよ。

うん、そういうつもりで、だから別に辞めてるんじゃなくて。

うん、だから例えば、アレもそうじゃない。離婚なんかするとき、離婚というより、男女の仲でね、「生き別れ」と「死に別れ」なら、「死に別れ」の方がくっ付きやすそうじゃん。

そう。突然、すごく旦那さんみたいなのが。

うん、くっ付きようがないけど、「天国行ってもまたあの人がいると思ったら私それを頑張って生きる」という気持ちになると思うわけ。

でも、生き別れだと、もうグジャグジャになっちゃってるから。

「もう顔も見たくない、天国なんか絶対、天国も地獄ももうあの人と同じお墓に入るとかもう絶対無理」とかってなるじゃん。

やっぱり人間っていうのは、ネガティブな感情の方が、ポジティブな感情より強いから。

ネガティブな感情持ったら、好きだったことよりも、ネガティブな気持ちが強くなっちゃって、もうそうなっちゃったら、元には戻れないんだよね。

そう、だからネガティブな気持ちがないから。

でもネガティブな気持ちを少し持っちゃったら、これはさ、どんなに好きでも嫌いな方が強いってことよ。

好きな気持ちよりも。

「あの人すごい好きだけど、あの人嫌い」って思ったら、やっぱり無理じゃない。

えっ、その人と？ その人と余命5日ってこと？

だから、余命5日っていう風になったらアレでしょうけど。

そう。

だから、どんなものでもさ、100％いいなんてことはないから。悪いことはある。

大変なこともあるし、人と付き合えば嫌なこともあるじゃない。

でも、嫌なことがあるからって、「嫌なことばっかり」と逃げてばかりもいられないじゃない。

だから人と付き合うときって、深く付き合うわけだから、ネガティブなところもある、と。

でも、そのネガティブなところをやっぱり人付き合いの中で、ネガティブを消してあげるってことが必要だと思うわけ。

やっぱりね。

例えば、栃尾とオレが付き合ってて、栃尾はいいんだけど、どうにもなんかウザい、と。

ウザい、と。

で、栃尾がそれを「なんか私ウザいとこあってごめんね」と、「ああいう風にウザくなっちゃうの」って言ってくれれば一応チャラだわな。またリフレッシュして。

「まあまあ、オレも悪いとこあるから、じゃあやろう」っていう風なことで、日々のことで消化できればいいよ。

でも、そうじゃなくて、「私、どうせウザいって思われてるだろうけど、アイツだって十分ウザいかんね」みたいな、お互いにそこを消化しないまんまで行ってさ。

爆発的に、「じゃあ、もう今までは我慢してたけど、言うけど、お前さ」みたいな。「私だって」みたいなことを言ったら、これもう元には戻らない。

戻らないでしょ？

戻らなそうでしょ。

だから、日々のことでそういうのが解消できる関係にしておくっていうことが一つ大事。

だけど、それでも少しずつ残っちゃう、何か「おり」みたいなものが。

そういうときには、やっぱり逆にスパッと一回切って、その「おり」が時間が経って少し薄れるとか、離れればいいところが見えるとかいうことで再開するっていう風に、何て言うんだろう、オレ愛が強いから。

全員とずっと付き合ってたいんだよ、なるべく。

そう、だからいい人だと思っている人ほど、パツッと辞めたい。

友達付き合いも。

うーん、友達でもなんでも、どんな人でも。

だからズルズル辞めちゃう、例えばスタッフなんかでも、「今辞めたら大変ですよね」みたいなことを言って、ズルズル残るような子は、その子は辞めてからもうお店に来ないよ。

でも、旦那さんの仕事の関係で、ちょっともう転勤するしかなくて、「私、本当はここで働きたいのに、こんな辞め方で残念です」なんて言う子はさ、その後、お客さんでもずっと続くなんてことはあるからね。

うん。

なる、なる。

ない。

そういう人たちを、ある程度受け皿になるようなことを次考えて辞めるもん。

うん、それは。

うん。

そうだね。

うん、もちろんだから、どうしてもハタケをその人がやって、「もう井川さんが辞めたって続けますよ」って言うなら。

辞めない。

うん、そういう人がいる以上は辞めない。

でも、そういうのがいなくて、最後オレしか残ってない。

っていうのは辞めるよね。

そうでしょ。でも、誰かがいるのに、「やりたい、やりたい」って言ってるのに、「いや、それはダメだ」って言って辞めるってことは基本しない。

だってその子が可哀想じゃない。

多い。

そう。

だけど、やっぱり誰かが「やりたい」て言っても、その子がいつの間にかいないとか。

そう、そういうことはあるからね。「えっ？」って思うけど。

みんなが続けて欲しいって思ってることを、こっちの独断で、「いや、ダメだ」って言ってスパッと辞めるってことは基本しない。

うん。

しない、しない。

だから、どっちかって言ったらそんな残酷に切るとか、こっちから無慈悲に別れようとかないよ。どっちかっていつまでもこっちは「まあいいんじゃない、このままで」っていう、どっちかって言うとそういうタイプだから。

オレ切らないよ、栃尾のこと。

そう、だから都合のいいさ、都合のいい男なわけだけど。

「別にそれはそれでいいんじゃない」っていう。

そういう風に思う。

そういう意味では、絶対こっちから無慈悲にウザいから切るとかってことはしない。

しかやらない。

うん、それはだから最後まできちんと見届けるってことだね。

うん、逆に、見届けるっていうのは、結構な精神力がいる。始めるより。

最後まで結局あれだけ、スタートアップをみんなでやったけど、何かを閉めるときって、このガランとしたところにオレだけかっていうこともあるわけよ。

で、そういうことをたくさん経験すると、強くなるよ。

辛いっていうより。

やっぱりどっちかっていうと、僕は言いだしっぺだから、立ち上げることはあるけど、その祭りの後っていうのかな。その祭りの後も自分が責任者だから、やることが多いんだよね。

そのときは、何て言うんだろう、その祭りの後に立ち会ってくれた人は、全員抱きしめたいような気持ちになる。

「お前は最後まで居てくれたか」って。犬でもいいんだよ。

猫でも。まあ、猫はいなそう。

うん、犬はいるけど。

でも、そういうときに、弔ってくれる。弔うっていうことはすごく大事で、どんなプロジェクトでもね。

「あっ、最期までこうやって終わりを見届けてくれたんだ」と思ったら、その人と何かを始めようって気になるね。

でも、たいていの人は始めるときにはいるけど、終わるときにはいない。

そう。だから、真ん中はみんないるんだよ。

うん、だけど最後……、お店もそうよ。朝の時間開けて、昼のピークタイムすごい混んでて、そのときにアルバイトさんもいっぱいいて、でも夜閉めるとき。

1人とか2人じゃん。そのときをやってくれるスタッフって、本当に何て言うのかな、グッとくるね。

いないでしょ？

で、その人たちは、本当にその日の気持ち、それはすごく精神力がないと難しいと思う。

でも、これはすごく鍛錬になるね。そういうことを経験するっていうのは。

心の。「あっ、簡単に始めてはダメだな」とも思うし。

「始めた以上は、ちゃんと弔うということも含めて、やり切る男でいたい」と思う。

うん、みんなボンボン始めるし、「始めたほうがいいよ」って言うけど、終わり方についてはみんなあんまり指南しないじゃない。

「終わりなんか適当で、フェードアウトでいいじゃん」みたいになっちゃうじゃん。

よくないよ。

つながんないじゃん。

うん。

そう。

そうでしょ？

いいこと言った、また。

そうだよね。

そう、だから、始めるのはできても、結構終わり方っていうのは、大人じゃなきゃ終われない。

そう。

終わり方上手。

それを目指して。

はい。

はい、マメヒコの井川でした。