アユミちゃんゲストの第2回目! 今回は「恥」をテーマに話しました。「他者と一体化したい・わかりあいたい・つながりたい」といった欲求に伴い生まれる感情が「恥」なのではないか? という考えで話しました。また、他者に関係なく自分の中に恥を感じるという人もいるよね、という話も。
クリエイティブの。
反対語。
こんにちは、ストーリーエディターの栃尾江美です。
デザイナーのアユミです。
このポッドキャストは、私、栃尾江美が、好きな人やお話したい人をゲストにお迎えして、クリエイティブに関することや哲学的なことを好き勝手に話す番組です。
ほい。
ほい、えっと(笑)、今回はですね、「恥」ってことについて。
恥についてですね。
アユミちゃんも恥ずかしがり屋ですけれど(笑)。
あぁ、そうですねぇ(笑)。
(笑)私は全然恥ずかしがり屋に思われないんだけど。
(笑)。
わかる?
あぁ、はい、よく江美さん言ってますもんね。
何て?
「人見知りなのに、全然人見知りに思われない」って(笑)。
そう、そう(笑)。
はい。
恥をこじらせ過ぎててさ、恥ずかしがり屋に見られるのも恥ずかしいワケ(笑)。
(笑)。
だからさ、シャイな人とかさ、ちょっと恥ずかしそうにかわいくするじゃん。
はい、はい。
あれも恥ずかしいと思っちゃうわけよ。
あぁー。
自分がやるとしたらね。
そうですか。
そう、そう。
それはかわいいですね。
言えばね。
ね(笑)。
(笑)でも、そんなことは誰にもわからないから。
確かに。
「なんで、こんなに恥ずかしいんだろう」って(笑)、ずっと思ってて。
うん。
で、なんか恥についてAmazonで検索したりしてもさ、結構高いのよ。
うん、高い? 本ですか?
恥について書かれている本とか高くて。
へぇ。
「中身も知らないで買えないな」っていうぐらいの値段だったりして。
あぁ、じゃあ、人気があるんですかね?
いや、人気がなくて絶版だから高くなってるんだよ、たぶん(笑)。
あ、そういうこと? そういうことっすね。
人気の本って1円とかになるやつだから。
そうなんですか?
そう、そう。
逆だと思ってました。
まあ、絶版になってから人気が出ると高くなるけどね、もちろん。
そうなんですね。
だけど、最近「やっと正体を掴みかけた」みたいなのがあって。
おぉ、どんなことで?
それはね、『愛するということ』(エーリッヒ・フロム)っていう本があるんだけど。
はい。
それに、とにかく「愛」について、「愛」っていうか、「愛する」っていう行動なんだよね。「愛」っていうものじゃなくて、「愛する」っていう行動であるってことが永遠と書かれていて。
はい。
『愛するということ』に書かれていたのは、「人が求めているのは」、ちょっと長くなりそうだけど…
あぁ、いいっすよ。
「究極的には、他者と一体化したいものだ」っていう風に書かれていて、でも、アユミちゃんは”それ”そんなにピンとこないって、さっき言っていたけど。
そうですね。
だけど、例えば私がよく言ってる「人とわかり合いたい」みたいなことも、「その精神的なたった一部でもいいから、一体化したい」っていう思いにたぶんすごい近いの。
はい。
で、話を聞いてほしいとか、共感したいとか、例えば映画を観てさ、共感して涙を流すとかそういうのも、たぶん誰かと一体化したいっていう感じなんだろうなって私は解釈していて。
うん。
私はそこにすごいビビッと来たのね、そのフレーズに。
あぁ。
そこになんて書いてあったかというと、「アダムとイヴの物語が聖書に書かれています」と。で、「アダムとイヴっていうのは元々1つのものだったのに、ある時から2つの人に分かれた」と。「その時に、恥が生まれた」と書いてあったの。で、「裸であることを恥じた」って書いてあって。
うん。
だからまず、「他者がいるから恥ずかしいんだ」っていうのが、「確かにそうかもしれないと思ってたけど、そうなんだ」という発見と、あとその、例えば恋人同士とかでさ、そういう関係になる前って、すごい恥ずかしいんだけど、だんだん親密になってくるといちいち恥ずかしくなくなるでしょ?
うん、うん。
だから「そういうのも、だんだん一体化に近づいていくと恥が消えていくのかしら?」と思って。
江美さんは、恥を消したいんですか?
恥っていうのはさ、嫌なものなんだよね、やっぱり私にとっては。
あぁ、そうなんですね。
そう、そう。
はい。
嫌じゃない? 嫌だから、恥じゃない?
はぁあぁぁ、わっかんないっすねぇ、私、結構色んなことに恥ずかしがっちゃうタイプで。
嫌じゃないの?
いやぁ、確かに嫌ですね。
(笑)。
なんか「恥ずかしがっている自分」が確かに嫌ですね。
嫌じゃなくなったら、もう恥じゃないと思うわ。
あ、そっか。
うん、もう恥を乗り越えてるもん。
それが「愛」ってことなんですかね?(笑)
愛?(笑)、わかんないそれ、具体例がないとわかんないけど(笑)。
(笑)。
そう、どこまで話したっけ? そう、恥は嫌だよ。恥は嫌で、無くしたいのかなぁ? でもね、その恥を一つ乗り越えたところに、一つ喜びがあるのは確かな気がするんだよね。でも、それは「恥があるからこそ」っていうところもあるっていうか。
おぉぁ。
「人見知りだったけど、人と仲良くなれた」みたいなことがあると、「恥ずかしいけど」みたいなところがあるのかなぁ?
ぅーん。
(笑)。例えばね、何で私すごい恥ずかしいのかっていうと、「ひかれる状態」がすごい恥ずかしいの。
「えっ」ってやつですね(笑)。
そう、「えっ」ってやつ、そう。「私は詩を書いています」っていうときに、「わっ」てひく人がいるわけよ。
あぁ。
その状態って、もう孤立しちゃうわけだよ自分が。他者とわかり合えなくて、分断された状態。
寂しいですね。
そう、寂しい状態を、すごく恐れている…
なるほどですね。
だけど、それを受け容れられたらむちゃくちゃ嬉しいわけ。
「私もやってるよ」とかそういうやつですか?
とか、「そういうの良いよね」とか。
あぁ、うん。
「そういう人好きだよ」とか。あとなんか「いいんじゃない」って普通でもいいよ、別に。共感してくれなくても、ひかないっていう。
あぁぁ。
うん、そういう状態はすごく嬉しいわけだよ。受け容れてもらえたみたいな。
確かに、そうっすね。
そう、そう。だから、その恥っていうのは、その間(あいだ)に渦を巻いているものらしいっていう(笑)。
相手の出方で自分の恥が決まるんですかね、そうすっと。
そう、たぶん。例えばさ、ギャグを言ってもウケないと恥ずかしいじゃん。
はい、恥ずかしいです。
それもひかれてることだと、私としてはね、ひかれてることで。
はい。
そうすると、「言う前にウケないかもしれないと思って恥ずかしい」のもそうだし、「言ったあとにウケなかった」っていうのも恥ずかしくって。
(笑)。
もう、家に帰ってウジウジしちゃうみたいなやつも恥ずかしいじゃん、ずうっと(笑)。
思い出しても恥ずかしいみたいなね、発狂しちゃうみたいな(笑)。
そうそう(笑)。結局、相手の気持ちが離れてしまったみたいなことが、離れてしまったことと、さらにそれを恐れている状態が、私にとって恥なのかな、って。
あぁ、そうなんですね。でも、私、それ以外にも、自分が言っちゃったことで、誰もひいてないのに、スッゲェ恥ずかしくなるときとかがあるんですよ、自分の中で。
(笑)。どういう(笑)、どういうとき?
えっ、なんか別に照れなくてもいいときに照れちゃったりとか。わかりますか?
えっ? でも、誰かがいるときなんでしょ、絶対に?
あぁ、そうっす絶対誰かがいるときです。相手がいて、自分がいて、自分がなんか言っちゃって。相手は、「んー」って言ってるのに、自分はめっちゃ恥ずかしいみたいな。
それはさ、例えば別の反応だったら恥ずかしくなかったの?
いや、どういう反応をいただいても、恥ずかしかったと思うんですよね。
例えば、どういうこと?
ちょっと言えないっすけど…
(笑)。
(笑)。
下品なこととかってこと?
いや、なんだろうなぁ、例えばその、「このコップすごい、なんかパイナップルみたいだね」って言ったときに、「んー」って言われたときとかはめっちゃ恥ずかしいっすね。
全然、わかんないよ。
あぃぃっ。パイナップルじゃないじゃないですか、どう考えても。
パイナップルじゃない。あとから気付くってこと?
あとから気付くんです、言って。
あっ、言ったときには気付かなかったけど。
あっ、言って気付きます、だから。
言ったあとにね。
瞬時に気付いて、顔真っ赤っ赤になっちゃうやつですね(笑)。
(笑)。
それはスゲェ恥ずかしいっすね。
でも、それはパイナップルだって思ったことは別に恥ずかしくないんでしょ? 言ったことが恥ずかしい?
なんかたぶん、パイナップルと思っちゃった自分が恥ずかしいんじゃないかと思うんですよ。
(笑)。
たぶん(笑)。
なるほどね、あぁ、そうそう、恥ずかしいにも2種類あるなっていう風に思っていて。
あぁ、はい。
私がすごく強く感じるのは他者に対して、他者にどう思われるかっていうことの恥ずかしさなんだけど。そうじゃなくて、今みたいに、「なんでそんな自分なの?」っていうことに恥ずかしさを感じる人も結構いるみたいね。
今、江美さんの見解では、恥には2種類あるってことですよね。
そう、2種類ありそうだっていうことが、色んな話を聞いて判明していまして。割とやっぱり、外からの評価とかをそんなに気にしていない人は、他者に対する恥ってのをあんまり感じなくて。
あぁ、そうですか。へぇ。
わが道を行くみたいな人ね。で、だけどやっぱり人目を気にしたりしている人は、他者からの恥を感じるんだけど、感じない人たちっていうのは、内面で「うわ、自分はこんな人間だったんだ」「こんなことも知らなかったんだ」みたいなことに、誰に思われるでもなく自分で恥ずかしいって言ってた。
あぁ、そうなんですね。
うん。
結構、それ統計とったら面白そうですね。
それね。
みんなどう感じているのか、とか。
確かにね。
江美さんの恥に対する最終目的地点とかも見えてきそうな気がしますけど。
何がしたいんだみたいな。
何がしたいというか。
そうそう。
恥がなくなる瞬間がなんかこのまま行くと江美さん、ある気がするんですよね。
あぁ、そういうこと? なんか、自分の中でか。なくなる…あるのかなぁ?
パンッと、なんか江美さんが悟りを啓いたときにでも、なる気がするんですよね。
なるほどね。でも、人に対しては随分なくなっているよ。
うん。
初対面でさ、ちょっと自分をガードするみたいなのは、随分なくなっているね。それは相手も怖いんだろうなとか、想像すると、自分から開けていこうみたいな。
あぁ、いいですねぇ。
みたいなのはあるけどねぇ。
私もそういう意味では、結構ガードしてしまいがちなので、ちょっと緩くしたほうが相手はいいかもしれないですね。
うん。そう、そう。それで私のさっきの仮説のさ、「一体化したいとか、人と繋がりたい、分り合いたいみたいな欲求があるからこそ、それを拒絶されたときに恥じる」という私の仮説からすると、恥ずかしがっている人ほど、人を求めているじゃないかって気がするの。
あぁー、そうかもしれない。
結構さ、あの人、人見知りだなとか、恥ずかしがり屋だなって思う人とかってさ、話しかけてあげるとすっごい喜ぶじゃん。
喜ぶ。
(笑)。
喜びまっす。
アユミちゃんがってこと?
そう、そう。
私、本当になんか人を求めているって感じがするんだよね。だから、そういう見極め方をするみたいなのもありなのかなとか。だとしたら、結構説明が付くなと思って、私はね。
うん、うん。本当ですね。
人を求めているのと、恥との強さっていうか。
うん、うん。
そうであるほど。でも、「人を求めずに自分は自分みたいになったら恥ずかしくない」ってことなのかね?
でも、そうすると、またちょっと寂しさもあるんですよねぇ。
そう、そう。そうなんだよね。
なんか「人は人、自分は自分」ってなかなか思い切れない部分があるから。
例えば、私の欲求みたいなものが、本当に人と一体化することだったら、絶対に叶わないじゃん、一生。
そうですね、全部が全部一緒になるっていうのは難しいですもんね。
そう、果てしない欲求なんだよね、叶わないから(笑)。
果てしないですね。なんか切ないですね。
(笑)。そう、だから、そうしたらいつまでも恥はなくならないのかなとも言える。
そうか、そうかも。
と思いまして。
はい。面白いですね。
そう思うとね、まあ、これぐらいにしておきますか? ちょっと早いけど。私はですね、何を告知しようかな。えっと、『note』を書いておりまして、色々好き勝手『note』を書いているんだけど、「今日の140文字」っていうのを、更新するだけの『note』があって、Twitterにも平日は毎日投稿しているんだけど、Twitterは雑多なことを色々書いているけど、その「今日の140文字」っていうマガジンには、その140文字だけをひたすら書いているので、良ければ探してみて、見てください。
何年ぐらい今やってるんですか?
えー。
結構長いですよね、もう?
長い。2、3年じゃん? まあ、2年か。
ですよね、いや、毎日、大変だ。
でも、こっそりお休みしてるけどね、実は。思いつかなかったりするから、結構。
そうっすよね。
割とその日に思ってることを書くっていうのがポリシーで。ストックはしないっていう。
素晴らしい。
という感じでございます。
はい。
はい、じゃあ、以上、栃尾江美と。
金子アユミでした。
<書き起こし、編集:折田大器>