
アユミちゃんゲストの第2回目! 今回は「恥」をテーマに話しました。「他者と一体化したい・わかりあいたい・つながりたい」といった欲求に伴い生まれる感情が「恥」なのではないか? という考えで話しました。また、他者に関係なく自分の中に恥を感じるという人もいるよね、という話も。
栃尾クリエイティブの。
アユミ反対語。
栃尾こんにちは、ストーリーエディターの栃尾江美です。
アユミデザイナーのアユミです。
栃尾このポッドキャストは、私、栃尾江美が、好きな人やお話したい人をゲストにお迎えして、クリエイティブに関することや哲学的なことを好き勝手に話す番組です。
アユミほい。
栃尾ほい、えっと(笑)、今回はですね、「恥」ってことについて。
アユミ恥についてですね。
栃尾アユミちゃんも恥ずかしがり屋ですけれど(笑)。
アユミあぁ、そうですねぇ(笑)。
栃尾(笑)私は全然恥ずかしがり屋に思われないんだけど。
アユミ(笑)。
栃尾わかる?
アユミあぁ、はい、よく江美さん言ってますもんね。
栃尾何て?
アユミ「人見知りなのに、全然人見知りに思われない」って(笑)。
栃尾そう、そう(笑)。
アユミはい。
栃尾恥をこじらせ過ぎててさ、恥ずかしがり屋に見られるのも恥ずかしいワケ(笑)。
アユミ(笑)。
栃尾だからさ、シャイな人とかさ、ちょっと恥ずかしそうにかわいくするじゃん。
アユミはい、はい。
栃尾あれも恥ずかしいと思っちゃうわけよ。
アユミあぁー。
栃尾自分がやるとしたらね。
アユミそうですか。
栃尾そう、そう。
アユミそれはかわいいですね。
栃尾言えばね。
アユミね(笑)。
栃尾(笑)でも、そんなことは誰にもわからないから。
アユミ確かに。
栃尾「なんで、こんなに恥ずかしいんだろう」って(笑)、ずっと思ってて。
アユミうん。
栃尾で、なんか恥についてAmazonで検索したりしてもさ、結構高いのよ。
アユミうん、高い? 本ですか?
栃尾恥について書かれている本とか高くて。
アユミへぇ。
栃尾「中身も知らないで買えないな」っていうぐらいの値段だったりして。
アユミあぁ、じゃあ、人気があるんですかね?
栃尾いや、人気がなくて絶版だから高くなってるんだよ、たぶん(笑)。
アユミあ、そういうこと? そういうことっすね。
栃尾人気の本って1円とかになるやつだから。
アユミそうなんですか?
栃尾そう、そう。
アユミ逆だと思ってました。
栃尾まあ、絶版になってから人気が出ると高くなるけどね、もちろん。
アユミそうなんですね。
栃尾だけど、最近「やっと正体を掴みかけた」みたいなのがあって。
アユミおぉ、どんなことで?
栃尾それはね、『愛するということ』(エーリッヒ・フロム)っていう本があるんだけど。
アユミはい。
栃尾それに、とにかく「愛」について、「愛」っていうか、「愛する」っていう行動なんだよね。「愛」っていうものじゃなくて、「愛する」っていう行動であるってことが永遠と書かれていて。
アユミはい。
栃尾『愛するということ』に書かれていたのは、「人が求めているのは」、ちょっと長くなりそうだけど…
アユミあぁ、いいっすよ。
栃尾「究極的には、他者と一体化したいものだ」っていう風に書かれていて、でも、アユミちゃんは”それ”そんなにピンとこないって、さっき言っていたけど。
アユミそうですね。
栃尾だけど、例えば私がよく言ってる「人とわかり合いたい」みたいなことも、「その精神的なたった一部でもいいから、一体化したい」っていう思いにたぶんすごい近いの。
アユミはい。
栃尾で、話を聞いてほしいとか、共感したいとか、例えば映画を観てさ、共感して涙を流すとかそういうのも、たぶん誰かと一体化したいっていう感じなんだろうなって私は解釈していて。
アユミうん。
栃尾私はそこにすごいビビッと来たのね、そのフレーズに。
アユミあぁ。
栃尾そこになんて書いてあったかというと、「アダムとイヴの物語が聖書に書かれています」と。で、「アダムとイヴっていうのは元々1つのものだったのに、ある時から2つの人に分かれた」と。「その時に、恥が生まれた」と書いてあったの。で、「裸であることを恥じた」って書いてあって。
アユミうん。
栃尾だからまず、「他者がいるから恥ずかしいんだ」っていうのが、「確かにそうかもしれないと思ってたけど、そうなんだ」という発見と、あとその、例えば恋人同士とかでさ、そういう関係になる前って、すごい恥ずかしいんだけど、だんだん親密になってくるといちいち恥ずかしくなくなるでしょ?
アユミうん、うん。
栃尾だから「そういうのも、だんだん一体化に近づいていくと恥が消えていくのかしら?」と思って。
アユミ江美さんは、恥を消したいんですか?
栃尾恥っていうのはさ、嫌なものなんだよね、やっぱり私にとっては。
アユミあぁ、そうなんですね。
栃尾そう、そう。
アユミはい。
栃尾嫌じゃない? 嫌だから、恥じゃない?
アユミはぁあぁぁ、わっかんないっすねぇ、私、結構色んなことに恥ずかしがっちゃうタイプで。
栃尾嫌じゃないの?
アユミいやぁ、確かに嫌ですね。
栃尾(笑)。
アユミなんか「恥ずかしがっている自分」が確かに嫌ですね。
栃尾嫌じゃなくなったら、もう恥じゃないと思うわ。
アユミあ、そっか。
栃尾うん、もう恥を乗り越えてるもん。
アユミそれが「愛」ってことなんですかね?(笑)
栃尾愛?(笑)、わかんないそれ、具体例がないとわかんないけど(笑)。
アユミ(笑)。
栃尾そう、どこまで話したっけ? そう、恥は嫌だよ。恥は嫌で、無くしたいのかなぁ? でもね、その恥を一つ乗り越えたところに、一つ喜びがあるのは確かな気がするんだよね。でも、それは「恥があるからこそ」っていうところもあるっていうか。
アユミおぉぁ。
栃尾「人見知りだったけど、人と仲良くなれた」みたいなことがあると、「恥ずかしいけど」みたいなところがあるのかなぁ?
アユミぅーん。
栃尾(笑)。例えばね、何で私すごい恥ずかしいのかっていうと、「ひかれる状態」がすごい恥ずかしいの。
アユミ「えっ」ってやつですね(笑)。
栃尾そう、「えっ」ってやつ、そう。「私は詩を書いています」っていうときに、「わっ」てひく人がいるわけよ。
アユミあぁ。
栃尾その状態って、もう孤立しちゃうわけだよ自分が。他者とわかり合えなくて、分断された状態。
アユミ寂しいですね。
栃尾そう、寂しい状態を、すごく恐れている…
アユミなるほどですね。
栃尾だけど、それを受け容れられたらむちゃくちゃ嬉しいわけ。
アユミ「私もやってるよ」とかそういうやつですか?
栃尾とか、「そういうの良いよね」とか。
アユミあぁ、うん。
栃尾「そういう人好きだよ」とか。あとなんか「いいんじゃない」って普通でもいいよ、別に。共感してくれなくても、ひかないっていう。
アユミあぁぁ。
栃尾うん、そういう状態はすごく嬉しいわけだよ。受け容れてもらえたみたいな。
アユミ確かに、そうっすね。
栃尾そう、そう。だから、その恥っていうのは、その間(あいだ)に渦を巻いているものらしいっていう(笑)。
アユミ相手の出方で自分の恥が決まるんですかね、そうすっと。
栃尾そう、たぶん。例えばさ、ギャグを言ってもウケないと恥ずかしいじゃん。
アユミはい、恥ずかしいです。
栃尾それもひかれてることだと、私としてはね、ひかれてることで。
アユミはい。
栃尾そうすると、「言う前にウケないかもしれないと思って恥ずかしい」のもそうだし、「言ったあとにウケなかった」っていうのも恥ずかしくって。
アユミ(笑)。
栃尾もう、家に帰ってウジウジしちゃうみたいなやつも恥ずかしいじゃん、ずうっと(笑)。
アユミ思い出しても恥ずかしいみたいなね、発狂しちゃうみたいな(笑)。
栃尾そうそう(笑)。結局、相手の気持ちが離れてしまったみたいなことが、離れてしまったことと、さらにそれを恐れている状態が、私にとって恥なのかな、って。
アユミあぁ、そうなんですね。でも、私、それ以外にも、自分が言っちゃったことで、誰もひいてないのに、スッゲェ恥ずかしくなるときとかがあるんですよ、自分の中で。
栃尾(笑)。どういう(笑)、どういうとき?
アユミえっ、なんか別に照れなくてもいいときに照れちゃったりとか。わかりますか?
栃尾えっ? でも、誰かがいるときなんでしょ、絶対に?
アユミあぁ、そうっす絶対誰かがいるときです。相手がいて、自分がいて、自分がなんか言っちゃって。相手は、「んー」って言ってるのに、自分はめっちゃ恥ずかしいみたいな。
栃尾それはさ、例えば別の反応だったら恥ずかしくなかったの?
アユミいや、どういう反応をいただいても、恥ずかしかったと思うんですよね。
栃尾例えば、どういうこと?
アユミちょっと言えないっすけど…
栃尾(笑)。
アユミ(笑)。
栃尾下品なこととかってこと?
アユミいや、なんだろうなぁ、例えばその、「このコップすごい、なんかパイナップルみたいだね」って言ったときに、「んー」って言われたときとかはめっちゃ恥ずかしいっすね。
栃尾全然、わかんないよ。
アユミあぃぃっ。パイナップルじゃないじゃないですか、どう考えても。
栃尾パイナップルじゃない。あとから気付くってこと?
アユミあとから気付くんです、言って。
栃尾あっ、言ったときには気付かなかったけど。
アユミあっ、言って気付きます、だから。
栃尾言ったあとにね。
アユミ瞬時に気付いて、顔真っ赤っ赤になっちゃうやつですね(笑)。
栃尾(笑)。
アユミそれはスゲェ恥ずかしいっすね。
栃尾でも、それはパイナップルだって思ったことは別に恥ずかしくないんでしょ? 言ったことが恥ずかしい?
アユミなんかたぶん、パイナップルと思っちゃった自分が恥ずかしいんじゃないかと思うんですよ。
栃尾(笑)。
アユミたぶん(笑)。
栃尾なるほどね、あぁ、そうそう、恥ずかしいにも2種類あるなっていう風に思っていて。
アユミあぁ、はい。
栃尾私がすごく強く感じるのは他者に対して、他者にどう思われるかっていうことの恥ずかしさなんだけど。そうじゃなくて、今みたいに、「なんでそんな自分なの?」っていうことに恥ずかしさを感じる人も結構いるみたいね。
アユミ今、江美さんの見解では、恥には2種類あるってことですよね。
栃尾そう、2種類ありそうだっていうことが、色んな話を聞いて判明していまして。割とやっぱり、外からの評価とかをそんなに気にしていない人は、他者に対する恥ってのをあんまり感じなくて。
アユミあぁ、そうですか。へぇ。
栃尾わが道を行くみたいな人ね。で、だけどやっぱり人目を気にしたりしている人は、他者からの恥を感じるんだけど、感じない人たちっていうのは、内面で「うわ、自分はこんな人間だったんだ」「こんなことも知らなかったんだ」みたいなことに、誰に思われるでもなく自分で恥ずかしいって言ってた。
アユミあぁ、そうなんですね。
栃尾うん。
アユミ結構、それ統計とったら面白そうですね。
栃尾それね。
アユミみんなどう感じているのか、とか。
栃尾確かにね。
アユミ江美さんの恥に対する最終目的地点とかも見えてきそうな気がしますけど。
栃尾何がしたいんだみたいな。
アユミ何がしたいというか。
栃尾そうそう。
アユミ恥がなくなる瞬間がなんかこのまま行くと江美さん、ある気がするんですよね。
栃尾あぁ、そういうこと? なんか、自分の中でか。なくなる…あるのかなぁ?
アユミパンッと、なんか江美さんが悟りを啓いたときにでも、なる気がするんですよね。
栃尾なるほどね。でも、人に対しては随分なくなっているよ。
アユミうん。
栃尾初対面でさ、ちょっと自分をガードするみたいなのは、随分なくなっているね。それは相手も怖いんだろうなとか、想像すると、自分から開けていこうみたいな。
アユミあぁ、いいですねぇ。
栃尾みたいなのはあるけどねぇ。
アユミ私もそういう意味では、結構ガードしてしまいがちなので、ちょっと緩くしたほうが相手はいいかもしれないですね。
栃尾うん。そう、そう。それで私のさっきの仮説のさ、「一体化したいとか、人と繋がりたい、分り合いたいみたいな欲求があるからこそ、それを拒絶されたときに恥じる」という私の仮説からすると、恥ずかしがっている人ほど、人を求めているじゃないかって気がするの。
アユミあぁー、そうかもしれない。
栃尾結構さ、あの人、人見知りだなとか、恥ずかしがり屋だなって思う人とかってさ、話しかけてあげるとすっごい喜ぶじゃん。
アユミ喜ぶ。
栃尾(笑)。
アユミ喜びまっす。
栃尾アユミちゃんがってこと?
アユミそう、そう。
栃尾私、本当になんか人を求めているって感じがするんだよね。だから、そういう見極め方をするみたいなのもありなのかなとか。だとしたら、結構説明が付くなと思って、私はね。
アユミうん、うん。本当ですね。
栃尾人を求めているのと、恥との強さっていうか。
アユミうん、うん。
栃尾そうであるほど。でも、「人を求めずに自分は自分みたいになったら恥ずかしくない」ってことなのかね?
アユミでも、そうすると、またちょっと寂しさもあるんですよねぇ。
栃尾そう、そう。そうなんだよね。
アユミなんか「人は人、自分は自分」ってなかなか思い切れない部分があるから。
栃尾例えば、私の欲求みたいなものが、本当に人と一体化することだったら、絶対に叶わないじゃん、一生。
アユミそうですね、全部が全部一緒になるっていうのは難しいですもんね。
栃尾そう、果てしない欲求なんだよね、叶わないから(笑)。
アユミ果てしないですね。なんか切ないですね。
栃尾(笑)。そう、だから、そうしたらいつまでも恥はなくならないのかなとも言える。
アユミそうか、そうかも。
栃尾と思いまして。
アユミはい。面白いですね。
栃尾そう思うとね、まあ、これぐらいにしておきますか? ちょっと早いけど。私はですね、何を告知しようかな。えっと、『note』を書いておりまして、色々好き勝手『note』を書いているんだけど、「今日の140文字」っていうのを、更新するだけの『note』があって、Twitterにも平日は毎日投稿しているんだけど、Twitterは雑多なことを色々書いているけど、その「今日の140文字」っていうマガジンには、その140文字だけをひたすら書いているので、良ければ探してみて、見てください。
アユミ何年ぐらい今やってるんですか?
栃尾えー。
アユミ結構長いですよね、もう?
栃尾長い。2、3年じゃん? まあ、2年か。
アユミですよね、いや、毎日、大変だ。
栃尾でも、こっそりお休みしてるけどね、実は。思いつかなかったりするから、結構。
アユミそうっすよね。
栃尾割とその日に思ってることを書くっていうのがポリシーで。ストックはしないっていう。
アユミ素晴らしい。
栃尾という感じでございます。
アユミはい。
栃尾はい、じゃあ、以上、栃尾江美と。
アユミ金子アユミでした。
<書き起こし、編集:折田大器>