
たなしんさんが書いていたブログが「身体性」について書かれており、私が食いついたことがたなしんさんと久しぶりにやり取りするきっかけになったのでした。サウナの話、高岡英夫先生の「究極の身体」の話、AIと身体性の話、サッカーやバレー、背骨や魚の動きなど、さまざまな話題にあっちこっち飛びました。
栃尾クリエイティブの。
たなしん反対語。
栃尾こんにちは、ストーリーエディターの栃尾江美です。
たなしんこんにちは、たなしんです。
栃尾このポッドキャストは私、栃尾江美が好きな人やお話したい人をお呼びして、クリエイティブに関することや哲学的なことを好き勝手に話す番組です。たなしんさん、引き続きよろしくお願いします。
たなしんよろしくお願いします。
栃尾はい、えっとですね、私が、たなしんさんのツイッターじゃないな、その「Point of View」を見たのかな?
たなしんはい。
栃尾で、すごい食いついたのが、身体性のことでしたよね。
たなしんはい、はい。そうなんですよね。
栃尾そう、そう。どんなお話でしたっけ?
たなしんえっと、こんな時代なんで、もうちょっとコミュニケーションの中に身体性を取り戻していったらいいんじゃないか。そういう記事を書いたんですよ、僕が。
栃尾はい、はい。コロナだからってこと。
たなしんはい。それを読んでいただいたっていうのがありましたよね。
栃尾そうですよね。あそこでお薦めいただいた本をですね、まだ途中……1冊目の途中ぐらいまでしか読んでないですけど。
たなしんあぁ、はい、はい。
栃尾そう、そう。でも、私もずっとですね、身体性は考える1つのテーマとしてあって、きっかけとしてはAIの研究をしている……
たなしんえっ、はい。
栃尾有名な方がいて、そのゲームのAIを開発しているんですけど。
たなしんはい。
栃尾その方がですね、「AIになくて、人間にあるものは身体だ」って、「身体性だ」っておっしゃってるんですよね。
たなしんうん。
栃尾で、たとえばの例で書いてあったのは、「ゲームの中のAIっていうのは、足をパンってかけられたときに何にも気づかないけど、バタって倒れた瞬間に倒れたことがわかる」と。
たなしんうん。
栃尾でも、人間っていうのはもう蹴られた瞬間にわかるわけですよね。「あ、バランス崩した、倒れる、倒れる」っていうのが。
たなしんうん。
栃尾だから、それがまさに身体性で、それをAIに持たせることは今の段階ではできないみたいな感じだったかな。
たなしんうーん。
栃尾あとなんか、モノを触るときにも、AIは触ったってことはわかるんですけど。
たなしんはい。
栃尾人間は触ったことによって、何か向こうから返ってくる。
たなしんはい、はい。
栃尾力が返ってきたりとか、反射を見てるとか、感じてるとか、触り続けているのがわかるとか。
たなしんふーん。
栃尾機械は触った瞬間がわかるし、離れた瞬間もわかるんだけど、「触り続けている」は認知しないとかね。
たなしんあぁ、なるほどぉ。
栃尾そう、そう。
たなしんうーん。
栃尾そういうのを読んで、「身体性ってどういうことなんだろう」って思ってて。
たなしんあぁ。
栃尾あんまり意識しないですよね、でも、普段。
たなしんそうですね。僕もそうですね、AIっていう文脈じゃまったくないんですけど。
栃尾うん、うん。
たなしんちょっと前の回に、僕、白湯にハマってますっていう話をして(笑)。
栃尾(笑)はい。
たなしん白湯がもう身体に染みついてるんですけど。
栃尾はい。
たなしん今年の頭に、行動指針っていうのを掲げていて、「血流をよくする」とかなんとか書いてるんですけど。
栃尾はい、書いております。
たなしんまあ、なんかそういうところから結構ですね、自分の体についてすごい考えるようになったんですよ。
栃尾ふーん、はい。
たなしんで、血流をよくしようって思ったのは、去年に遡るんですけど。
栃尾うん。
たなしん僕のちょっとツテで、静岡県の朝霧高原っていうところご存じですかね?
栃尾わかりません。
たなしん富士山のすぐそばで、えっと、朝霧ジャンボリーとかいうキャンプ場、大きいキャンプ場があったりとかする場所で。
栃尾はい。
たなしん「朝霧JAM」っていうね、あの毎年、音楽イベントとかもやってたんですけど、そこで。
栃尾ふーん。
たなしんで、その朝霧高原っていうのは僕は結構昔から好きで、よくキャンプとかに行ってたんですけど。
栃尾へぇ。
たなしんたまたま、偶然そこで、地域医療をやっている医者の先生がいまして。で、その先生が富士山の湧き水で作られた溜め池の傍に、フィンランドのサウナ小屋を作ったんですよね。
栃尾へぇ。
たなしんフィンランド式のサウナ小屋を。
栃尾はい。
たなしんで、まさにアウトドアサウナができるというか。
栃尾うん。
たなしんそのサウナ小屋で体を温めて、池に飛び込むみたいな。
栃尾はい、はい。
たなしん「そういうフィンランド式のサウナができるよ」っていうことで。
栃尾はい。
たなしん僕その体験モニター的に、つながりがあったので、ちょっと使わせていただいたんですよね。まあ、個人的に、サウナ結構流行ってますけど、サウナ結構僕もやっぱり好きで。
栃尾うん。
たなしんただ、その都市とかにあるサウナ施設とかで感じたことのない体験をその朝霧高原の池で感じたんですよ、僕はそのとき。
栃尾へぇ。
たなしんなんかすごく、体を温めて、それで池に飛び込んで冷やしてみたいなことをわりと繰り返してたんですよね。
栃尾はい。
たなしんそうしたら、夜、ご飯食べてるときに、ものすごい食べれるんですよ……ご飯が。
栃尾はい(笑)。
たなしんそして、おいしい。
栃尾はい(笑)。
たなしんキャンプしてたんで、キャンプでご飯作ってみんなで食べてたんですけど。
栃尾うん、うん。
たなしんそれがものすごい食べれちゃうし、すごい消化が早いわけですよ、なんか。
栃尾へぇ。
たなしんで、お酒もちょっと飲んでたんですけど、全然残んなくて。
栃尾はい。
たなしん「何これ?」みたいな。
栃尾うん。
たなしんそういう感覚に陥ったんですよ、そのとき。
栃尾はい。
たなしんで、「考えりゃ、サウナだよな、これは完全に」と。
栃尾うん。
たなしんサウナを入った後に、その温かいのと冷たいのを繰り返した結果、すごいワンピースのルフィーみたいな感じで、血流がドクドク、ドクドクたぶん体の中を流れるようになって。
栃尾はい。
たなしんそれがたぶん消化を促している。
栃尾血流。
たなしん「あ、血流やべぇな」と思ったんですよ、そのとき。
栃尾うん、うん、はい。
たなしんで、そっから「血流をよくしていくことをとにかくしていこう」と、思ったんですよね。
栃尾なるほど、そこがスタートなんですね。
たなしんそう、そう。そこがもう発端ですね。
栃尾うん、うん。
たなしんで、走るにしても、血流をよくするために走ってるみたいな感じなんですよね、今。
栃尾筋力とかじゃないんだ。
たなしん筋力じゃなくて(笑)。
栃尾(笑)はい。へぇ、なるほどね。
たなしん足で踏むじゃないですか、で、ふくらはぎって第二の心臓って言われてるぐらい。
栃尾あぁ、なんかそういう本が流行りましたよね、一時期。
たなしんはい。
栃尾「ふくらはぎを揉みなさい」みたいな。
たなしんはい、そう、そう。で、地面を強く蹴るときにポンプの代わりになって、血を上にあげてくれるというのがふくらはぎの役割なんで、歩くなり、走ったりはやっぱりしたほうがいい。
栃尾うん、うん。
たなしんっていうんで、なんかすごい血流が好きになっちゃったんですよ、なんか。
栃尾え、そこから身体性に興味が出たんですか?
たなしんそこから自分の体に興味が出て。
栃尾うん。
たなしんで、それで色々本を探してたんですよ、体に関係する本みたいな。
栃尾はい。
たなしんそしたら、高岡英夫先生っていう、「ゆる体操」っていう体操を考案されたおじさんの本をちょっと見つけて。
栃尾はい。
たなしん究極の身体とはみたいな(笑)。
栃尾うん、うん。
たなしん「なんだこれは!」みたいにちょっと思って、まあ、出たのは2010年とかで結構前なんですけど。
栃尾はい。
たなしんこれなんかすごい面白そうだなって思って読んでたら、すごい面白かったっていうんで、身体性がすごい自分の中にテーマになっちゃったみたいな。
栃尾どの辺が面白かったんですか? 私もたぶんそれ読みかけてるやつ。
たなしんあ、ホントですか。
栃尾はい。
たなしんあの、なんだろう、人間の体の中には魚の構造と、四足動物、チーターとかライオンとかそういう四足動物の構造が残ってると。
栃尾あぁ、はい、はい。なるほど。
たなしんで、「その背骨をね、うまく使うことが究極の体のポイントだ」みたいなことを言ってるわけですよ。
栃尾はい、はい。背骨。
たなしんはい、だから「背骨と、その色んな筋肉、各骨と筋肉が全部ちゃんと分離されている状態で、それを自由自在に動かせるのがマイケル・ジョーダンだ」みたいな話をしているわけですよ、その先生は。
栃尾あぁ、それ私あれですね、武田鉄矢の「三枚おろし」っていうPodcastで、紹介してたのを聞いたんだ。マイケル・ジョーダン、あれ、バスケの人ですよね?
たなしんそうです、バスケの人。
栃尾あの人はボールが返ってくるその弾力を杖にしてるみたいな。
たなしんうーん。
栃尾あれ? 違いました?
たなしんかもしんない。
栃尾そんな話が。
たなしんあぁ、書いてある、最後のほうに書いてあります、それはね。
栃尾うん、うん。そう、そう。だから、体だけ単体でみるとバランスは取れてないんだけど、ボールが来たときにシュッとバランスが取れるみたいな感じのことを言ってましたね。
たなしんうん。
栃尾で、「まさに」と思って、軸がないみたいな。
たなしんそうですね、グニャグニャしてるみたいなね。そういう……
栃尾うん、うん。
たなしんだからすごく骨とかってあんまり意識したことがなくて、それこそ背骨だけで言っても26個ぐらいのパーツがくっついて出来上がってるんですよね。
栃尾へぇ。
たなしんで、そんなの意識したことないし。
栃尾はい、確かに。
たなしん逆にそれがちゃんと分かれた状態で、筋肉ともちゃんとこう分かれた状態で、それぞれがちゃんと動くことができるのがウサイン・ボルトだったり、リオネル・メッシっていう。
栃尾一流のアスリート。
たなしんはい、そう、そう。
栃尾へぇ。なるほどねぇ。
たなしん「マジか」って思って。
栃尾なるほどねぇ。その背骨ってことで言うと、私椅子がですね結構変わってる椅子を使ってて、座骨で座る椅子なんですけど。
たなしんどういう椅子なんだろう。
栃尾なんかお尻が……。
たなしんちっちゃい、ちっちゃいってことですか?
栃尾ちっちゃい。お尻の面がちっちゃくて、本当に痛いんですよ、ずっと座ってると。
たなしんあぁ。
栃尾で、座骨で座るんですけど、背骨が正しい形になるっていうのをもう10年以上たぶん使ってて。
たなしんへぇ。
栃尾で、なんか、一時期、「美しく魅せるためには姿勢だ」って思ったんですよね。
たなしんうん、うん。
栃尾うん。で、その時に、「エステに行くとかなんとかじゃなくて、姿勢を正すべきだ」と思って(笑)。
たなしんいやぁ、いいっすね。
栃尾歩き方なんかも顎を引くとか、椅子も頑張る椅子にしたりとか、そう言えばしてましたね。
たなしんそう、なんか高岡先生の書いてあった本の中で、いわゆるファッションのモデルさんとかいるじゃないですか。
栃尾はい。
たなしんで、ああいう方々が、東京ガールズコレクションとかで歩くじゃないですか?
栃尾はい。
たなしんあのときに、すごいクネクネ、クネクネしてますよね。
栃尾クネクネしてる。
たなしんあれを要は究極の身体だと言ってるわけですよ。
栃尾なるほど、なるほど。
たなしんあれは魚が直立歩行して歩いてるみたいな。
栃尾あぁ、似てる。
たなしんなんかそういうイメージだったりするじゃないですか。
栃尾はい。
たなしんだから姿勢がよいっていうのも、結局背骨がちゃんと使われているというか、そこに立脚するような話が書いてあって、「あぁ、なるほどねぇ」みたいな。
栃尾面白いですね。
たなしんうん。
栃尾なんかサッカーやってたっておっしゃってたじゃないですか?
たなしんはい。
栃尾サッカーとなんかそういうのって繋がるところあります?
たなしんいや、繫がりますよ、めちゃめちゃ。
栃尾私もバレーを久ぶりにやってね、めちゃめちゃ繫がるなってことがあるんですよね。
たなしんはい。
栃尾どんなところだったりしますか?
たなしん僕が発見だったのが、リオネル・メッシっていうスーパー選手がいるんですけど。
栃尾はい。
たなしんバルセロナで、今、去就が問題になっているスーパースターですけど。
栃尾あぁ、そうなんですか。
たなしん彼がなんであんなにね、ちっこいのに、すばしっこくて、巨漢の男をかい潜って、シュートをバンバン決められるんだろうみたいな思ってたところがあって。
栃尾はい。
たなしん魚の構造と四足動物の構造をフル活用しているのが究極の身体だっていうことを高岡先生は言ってるわけですけど。
栃尾うん。
たなしんそういう視点で見ると、メッシはホントに人間じゃないんですよ。
栃尾へぇ。
たなしん動物だし、魚なんですね、なんか。
栃尾へぇ。その動き……、体の動きが?
たなしんそう。
栃尾へぇ。
たなしんそう見ると、すごい腑に落ちて。「あぁ、だからコイツすげぇ動きができるのか」みたいな。
栃尾うん、うん。
たなしんはい。なんかそういう感覚がまず発見としてあったんですよね。
栃尾はい。
たなしんで、結局上手いレベルの人っていうのはやっぱりそれにこう、そのラインに乗ってるというか。
栃尾うん、うん。
たなしん「やっぱり体が柔らかいってそういう意味で必要なんだな」みたいなこととかが分かったりしたし。
栃尾うん、うん。
たなしん「あぁ、僕がやってたのはそういう意味では大したことなかったんだなぁ」みたいなことをちょっと思ったりとか(笑)。
栃尾へぇ。体のほうが先に動くみたいなことが私、バレーを久しぶりにやるとやっぱりあって。
たなしんあぁ。
栃尾私、トスが、トスっていうか、オーバーパスがずっと得意なんですよね。
たなしんはい。
栃尾得意で、昔から上手だと言われていたんですけども、そのトスを自分で振り返ると。
たなしんはい。
栃尾ボールが、ボールの偏りによって、右手と左手、上と下の力の加減を変えて真っすぐ飛ぶようにしてるんですよ。
たなしんうん、うん。
栃尾わかります?
たなしんうん、うん。
栃尾ボールをキャッチしたときに必ずしも真ん中に入ってこなくて、左右に寄ったりしちゃうんですよね。
たなしんうーん。
栃尾そうすると、寄ってるほうを強くしてるんですよね。で、それが終わったあとに初めて気づくんですよ。
たなしんはぁ、はぁ、はぁ。
栃尾もうパスを出しちゃった後に初めて気づく。「あ、今右手のほうが強くやってたわ」みたいなことを初めて気づいて、全然まったく意識せずにやってるんですよね。
たなしんあぁ。
栃尾「なんかそれって解明できないな」って。
たなしんあぁ。
栃尾動き、魚の動きとはまったく関係ない話になっちゃいますけど。
たなしんうん。
栃尾頭とかで考える前に体が動くみたいな。
たなしんそれもでも、高岡先生の本でわかると思いますよ。
栃尾あ(笑)。わかる? その秘密が?
たなしん要は、言ってるのは。
栃尾はい。
たなしん「脊椎がちゃんと動くようになると反射能力は高まる」って言ってるんですよね。
栃尾へぇ。
たなしん魚って、全動物の中でもめちゃめちゃ反射能力が高い、要は、あの海の中で100何キロで泳いでいる癖に急転回とかするじゃないですか、ターンとかしたり。
栃尾あぁ、確かに、確かに。
たなしんで、餌を見つけたら飛び上がってキャッチして食べるとか。
栃尾はい。
たなしんだから、「すごい超越した反射力を持ってるのが魚だ」って言ってるんですよね。
栃尾ふーん、それは背骨をすごい活用してるからだと。
たなしんそう、そう、そう。
栃尾へぇ。
たなしんもしかしたら、そこら辺とリンクしてくるかもしれないですよね。
栃尾確かにね。
たなしんうん。
栃尾私、結構反射神経はいいほうなんですけど、でも、できないプレーはいっぱいあって、苦手なのもあるんですけど、まあ、反射神経が必要なプレーは結構得意だったりするんですよね。
たなしんうーん。
栃尾だから何か関係あるのかな。背骨がいいとか思ったことないけど(笑)。
たなしん背骨がいいんじゃないですか、もしかして(笑)。
栃尾でもね、このライター業してるのに腰を痛めたことはまだないですね。
たなしんあぁ、じゃあ、それは背骨がいいっていうことですね。
栃尾いいのかなぁ(笑)。
たなしん背骨が成熟してきてるんじゃないですか、なんか。
栃尾成熟してるのかな(笑)、わかんないですけど。フラ踊ってましたけど、結構それもグニャグニャでしたね。
たなしんあぁ。
栃尾わりと踊り的には。
たなしんはい。
栃尾というわけでですね、またお時間になってしまいまして。
たなしん(笑)。あっという間ですね。
栃尾(笑)あっという間ですよね。はい。ということで、またお話したいのは山々ですが、この辺で終わりにしたいと思います。はい、以上、栃尾江美と。
たなしんたなしんでした。
<書き起こし、編集:折田大器>

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