
『insight』という本に書かれていたことを発端に、内的自己認識と外的自己認識のギャップを埋めたいという発想になった私(栃尾江美)。そのためにフィードバックが大切だと書かれていたので、そのまんまヤギワタルさんに質問してみました!

クリエイティブの。

反対語。

こんにちは、ストーリーエディターの栃尾江美です。

イラストレーターのヤギワタルです。

このポッドキャストは私、栃尾江美が話したい人や好きな人をお呼びして、クリエイティブに関することや哲学的なことを好き勝手に話す番組です。えーとですね、最近気になっているのが、フィードバックのもらい方というか、受け取り方というか、認識の仕方というか、なんか私の界隈でちょっと流行ってたのかな、『Insight』っていう本があって、まあ、それまだ途中までしか読んでないんですけど、結局その自己認識っていうんですか。

はい。

「自分をどう認識するか」っていうところで、自分の「内的自己認識」だったかな、と「外的なもの」と2つあると。

うん。

で、「内的なもの」っていうのは、「自分の思考の癖はどんなのか」とか、「根源的にどんな欲求があるのか」とか、まあ、そういうのが「内的なもの」だと思うんですけど、まあ、「外的なもの」っていうのは、「この人は人の気持ちがわかんないな」とか、「仕事ができる、できない」とか、そういうのが「外的なもの」で、その両方が長けている人ってあんまりいないって話を聞いたんですけど。

うん。

でも、その両方が長けていると、やっぱ成長だったかな? まあ、すごく、判断とかもちゃんと……適正な判断ができるしとか、まあ、そういう「いいこと」がいっぱいあるんですよ、人生で。

確かに。

うん、うん。認識がピッタリ合ってるというか、内側と外側で。で、「その外側を鍛えるためには、適切なフィードバックをもらうべきだ」みたいな話があって、「でも、それってすごい難しいよね」みたいな話があって。

そうですね。

「ヤギさんどうしてるのかな?」っていう……

あぁ……

ちょっと前置きが長くなりましたが。

いや、今思い出したのは、若いときってすごいズレてますよね。

そう、そう。自意識がね、すごいから(笑)。

内的?

うん、自己認識かなぁ、たぶん。

自己認識と、外的?

うん、自己認識?

なんだ?

外的じゃなくて?

内側の評価と外側の評価、全然……

そう、えっ、外的自己認識じゃなかったかなぁ……

ズレてますよね。

まあ、そうですよね。

自分の「俺はすごいんだ」みたいに思ってるけど、実は何にもできてないとか。

うん。

「アイツ何にも仕事できない」って思われてるとかってのは、若いときはよくありますよね。

どっちにズレてました?

僕は……

「俺はすごい」系?

「俺はすごい」系ですね。

(笑)。

どっちかって言うと。

そうなんだ、そうなんだ、はい。根拠のない自信っていうやつですね。

それって結構難しいですね。

えっ。

逆に、「根拠って何?」みたいなのはありますけど。

なるほどねぇ。

自信っていうのは根拠がないものだと、どっちかっていうと思いますけど……

えー……

ありますかね?

なるほどね。えっと、わりと女子あるあるなんですけど、女性って自分を低く見がちらしいんですよ。

あぁ、はい。

例えば、なんとか詐欺症候群っていうのがあって、例えば、高い評価を受けると、「私はこの人を騙してる」って思っちゃうんですね。で、「自分が高いとは思えない」みたいなのが結構女性に多いらしくて。

はい。

だから、私はわりと自分が思ってる以上の評価をいただくなっていうことが多かったりして、で何だっけ? そうそう、でも、自信が付いてくるのは、外側の評価が重なってくると自信が付くので。

あぁ。

それは、まあ多分、私的には根拠があるんだと思うんですよね。

なるほど。

はい(笑)。

あぁ、そっか。だから、うーん、でも、若いときっていうのは、友達としか会ってないんで。

はい、はい。学生のとき。

友達の評価をちゃんともらってるんですよ。だから、面白いやつっていうのは、周りから面白いって思われてる可能性が高い。

はい。

だから、それでいうと……

根拠はある。

ピッタリ合ってる。

(笑)。

友達のフィードバックと、自分のフィードバック、内的評価が合致しちゃう可能性ありますよね、今の話。

それは、合致してればいいんじゃないですか。

でも、「一般社会から見るとおかしい」みたいな。

なるほどねぇ。

ちょっと難しいですね。

なんか学生時代って、「面白いが正義」みたいな。

ありましたね。

だから、面白いって言われると、「俺すごい」になっちゃうってことですか?

そうですね。

あぁ、で、ヤギさんはわりとそうだったってことですか。

(照笑)。

お笑い目指すぐらいなんか(笑)。

そうですね。それはありましたね(笑)。

(笑)なるほどね。面白いキャラだったんですね?

僕は、うーん……。それを自分で言うのはアレですけど。

確かに。

でも、面白ければいいっていう時代はありましたね。

あぁ、大学生ぐらい?

そうですね。

でも、私もそれありました。

あ、ホントですか。

大学生のときは、ファッション、恋愛、お笑、がすべて。

はい。

なんでだろうって思うけど(笑)。

まあ、でもね、よくある話だと思いますけど。

(笑)でも、女性はね、分かれるかもしれない。

あぁ、そうですか?

私は女子校出身だったのもあって。

はい。

女子校って面白い人がね、やっぱり人気があるんですよね。共学だとそうでもないんだろうな、と想像します。

あー、なるほど。

うん、うん。で(笑)、フィードバック……

ちょっと話がズレてるかもしれないですけど。

そう、そう。

フィードバックねぇ、難しいですね……

そうだなぁ……

とにかく、自分では……自分は自分のことを外からは見れないっていう可能性が高いので。

結局はね、はい。

なるべく、「外側から自分がどう見られてるか」っていうのは、気にしなきゃいけないかなとは思いますね。

想像するんですか? それとも、やっぱり人に聞いたりとか、人の言葉を受け止めるとか。

「冷静になってみる」みたいなのは必要かなと思いますね。

自分を?

自分を。そうですね。

え、例えば? 「こんなこと言っちゃった」みたいなときとか。

そうですね……、自分の中では理屈が合ってるんだけど、外側からは自分がやった行動とか、話したことだけしか見られないんで。

はい。

自分の中では、例えば、1、2、3、4って何かを積み上げていって、10というのを、10だけ言ったとしても、周りからしたら、その10しか見えないんですよね。だから、その前の論理が見えないんで、「この人、急に10って言った」みたいな、「何を言ってんだろう」みたいになっちゃうんですよね。

はい。

だから、その1、2、3、4みたいな筋道も、10を言いたいんだったら、1、2、3ぐらいも何か言っておかないといけないんですよね。

うん、うん。

でも、若いうちの評価の仕方とか、若い人全員かはわかんないですけど。

(笑)。

僕はそうだったってことで言うと、やっぱり10を言いたい。とにかく10だけバンバン言ってけば、評価は付いてくるものだと思っちゃう。

うん。

だけど、ほとんどの場合、10っていきなり言われても何も伝わらない。

うん。

でも、友達は僕の1、2、3も知ってたりするんで。

あぁ。

普段から一緒にいるから。

はい。

「コイツが面白いことを言う」っていうのは、わかってたり、その前提を知ってるから面白さに気付いてくれたりする。その友達のフィードバックっていうのは、その前提を踏まえた上で成されている。でも、初めて会った人っていうのは、その前提を知らないから、10だけ見て、「この人意味わかんないこと言ってる」っていうフィードバックになったりするっていうのを、想像するしかないかもしれないですね。

なるほどなぁ。

わかりますか?

わかりますよ。えっとね……わかります。わかるって言っていいのかな、簡単にわかるって言って(笑)。

いや、いいです。

私もそういう感覚はあって、例えば、Twitterで日々私のツイートとかを見てくれている人は、私がどういう考えなのかとか、「意外と結構考えてるんだな」みたいなこととかを知ってくれてるんですね。だけど、私の文章だけ、商業的な、仕事で書いた文章だけを見たりとかって、「はあ、はあ、こんなもんね」と思うと思うんですよね。

うん。

だから、その……、でも、私の日々のプロセスを知っていて、その原稿を見た人と、やっぱ……、それ愛着とかも関係していると思うんですけど、かなり違うなとは。

そうですね。

思います。

はい。だから、そのフィードバックを誰からもらうかで、結構違いが生まれちゃうというか。

うん、うん。ある、ある。

すごい近い人からすると、わかってくれてるから、「あなたは大丈夫」みたいな。

あぁ、確かにね(笑)。

評価が高くなりやすい。

確かにね(笑)。

「私はあなたのことを理解してます。なぜなら、1、2、3ってあなた積み上げてったから、今10来てるよね」みたいな。

うん。

でも、すごい遠い人からすると、「なんか急に来たけど、アイツ何にもないのに、急になんか難しいこと言ってる」とか、「そんな大したことないな」みたいな評価になりやすい。

はい。

でも、その途中の……、あんまり突き離しもしないけど、なんか自分の過去とか未来までケアしてくれる人からの評価が一番重要かなとは思いますけどねぇ。

そうですね。

フィードバックのあり方がいくつかあるっていうのを理解してないと、フィードバックはちゃんともらえないかもしれないですね。

なるほどなぁ。なんか、まだその本を全部は読んでないんで、あれですけど、何のためにフィードバックをくれるかってことにもよりますよね。

そうですね。

例えば、「仕事をうまく行かせたいんだったら、ここ直したほうがいいよ」とかっていうフィードバックなのか。仕事は抜きにして、「夫婦間を上手にやるんだったらこうしたほうがいいよ」とかによっても違うから。

はい。

それによって、例えば仕事のことを家族に聞いてもしょうがないかもしれないし、確かに、そういう見方はありますね。

そうですね。イラストレーターの話、具体的な話をすると。

うん。

イラストレーターっていうのは、結構、ファイルを持って、自分の作品ファイルを持って営業行ったりするんですよ。

うん。

そのときに、デザイナーなり、出版社なり、広告代理店の人とかに見てもらったときに、絶対になんかしらのフィードバックがあるんですよ。

なるほど、はい。

で、結構、色んなフィードバックが来ちゃって。

うん、うん。

「こうしたほうがいいよ」みたいな。

それぞれ矛盾してるし。

そう、矛盾しちゃうんですよね。

うん、うん。

だから、全部を真に受けてると。

確かに。

ブレブレになっちゃって。

はい。

何にも花開かないっていうことがあります。

それどうするんですか?

うーん、だから、それで、「はい、はい」って言って何も聞かないとか、それがなんか僕は辛くて、持ち込みってのはあんまり止めちゃったんですけど。

皆アドバイスしてくるの?

「アドバイスされたいから行ってるんじゃないんだけどなぁ」みたいなのもあるし。

(笑)確かにね。

でも、若いときはやっぱりアドバイスしてくれて、「あぁ、なるほど」みたいなこともあるんで、行ったほうがいいとは思いますけど、アドバイスとかフィードバックはありがたいんですけどね。まあ、その辺は難しいから信頼している人をこの人って決めて、この人の言ってることだけを守るとかはありますね。

へぇ、今そうしてるんですか?

最近はないですけど、前はありましたね。

なるほどねぇ。

鈴木成一さんとか。

はい。

関口信介さん、もう亡くなっちゃったんですけど、デザイナーで。その人が何て言うかは、気にする。でも、他の人が言ってることはそんなに気にしないとか。

なるほどねぇ。

は、ありますね。

なるほどねぇ。あと、今作品を持って行くってことで思ったのは。

はい。

それ最終形しかわかんないじゃないですか、さっきの話で言うと、10しかわかんないじゃないですか。

はい。

でも、仕事ってやっぱり日々のやりとりのしやすさとか、前の回で言ったかもしれないけど、文脈を知ってイラストを描くと。

はい。

その文脈を知るみたいなプロセスってもうすっぱ抜けてますよね、作品だけ見ると。だから、その辺のフィードバックは持込みじゃ得られないですもんね。

あ、そうですね。

うん、うん。

そうなんですよ。だから、最初は難しいですね、仕事を得るのは。イラストレーターが。

仕事を一緒にしてる人からフィードバックをもらうことはありますか?

あります……。あんまりないかな、でも。

でも、聞けないですよね?

そうですね。聞けないですね。

聞けないから、言ってくれる方と出会えたらラッキーって感じじゃないですか?

そうですね。

あぁ。あんまり……

でも、褒めてくれる人ぐらいしかいないんですよね。

そう、そう。あんまり苦言は言わないっていうか。

はい。でも、まあ、その辺はわかるというか。

まあ、空気でね。

いや、自分で……わかるというか。

あ、ホントですか。

うーん、その辺はさっきもちょっと言いましたけど、突き放すしかなくて、自分を。

うん。

「自分大好き」っていう気持ちと、「自分全然ダメ」っていう気持ちを両方持ってないと。

はい、はい。

うまく行かないですね。

なるほどぉ。

前に『note』に書いた「自信の問題」もありますけど、「自信がないフリーランスの不安」っていうのを書いたんですけど。

3月初旬ぐらいですかね。あれ、中旬?

そうですね、初旬ぐらいですね。

初旬ぐらい。

次に仕事がこないかもしれないっていう不安があっても、続けていけるのは、自分大好きだから。

(笑)。

自分大好きだから続けられる。

うん、うん。

自分の作品大好きとか。でも、嫌いでもある。嫌いでもあるから向上できるんですよ。

うん、うん。なるほどね。

そこがなんか、でも嫌い過ぎると「辞めりゃいいじゃん」みたいな話になっちゃう。

うん、うん。なるほどねぇ。

そこの両方必要で、なんで嫌いかって言ったら「ココとココがダメだから」。常に、そこは冷静に見れるようにしておかないと、伸びないし、それが自分からのフィードバック、外側からの視点としてフィードバックを自分でやってるみたいな感じですかね。

ふーん、なるほどねぇ。じゃあ、自分で2人いて、その2人が見てくれてるみたいな。

そうですね。自分の中と外を。

なるほど。

自分を俯瞰して見れるようにする必要があると思いますね。

なるほど。

それが前にもちょっと話した視点の問題で、視点をいくつか持っておけば、自分の視点っていうのは当たり前に皆持ってるんですけど。

うん、うん。

視点を他の人に持っていけるように訓練しておけば、その人が見たらどういう風に思うかっていうのが想像できるんで、それがフィードバックですね。

なるほどねぇ。

でも、まあ、すっごい原理的に、原理的というか、いつもの僕は妻にイラスト見てもらってるんですけど。

(笑)ネタばらしが。

その妻がどういうかっていうのはすごい重要ですね。

なるほどね。それは確かに、大事。

ピュアな目というか。なんにも文脈を知らないで見てる。そのまあ、矛盾はちょっとしてるんですけど、視点を具体的にずらすというか、自分じゃなくて、妻の目から見たらどう思うかっていうのと、想像しても……、妻だけだと具体的に、2個しかないんで、想像してもっと色んな視点を持って、フィードバックを自分で想像するってことですかね。

なるほど、なるほど。

それが大事な気がしてます。

うん、うん。はい、じゃあ、ちょっとね、お時間になってしまいましたので。

すみません。

いえいえ(笑)。ということで終わりたいと思います。以上、栃尾江美と。

ヤギワタルでした。
<書き起こし、編集:折田大器>

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