
井川さんのゲスト、最後の回です! 「やるべきなのにできないこと」って、ありますよね。それはなぜできないのか、やったほうがいいのか。そんなことを漠然と話しています。途中から誰か特定の人の人生相談みたいになっていますが……w まずは、大きな塊を崩すことから始めないといけません。
栃尾こんにちは、ストーリーエディターの栃尾です。
井川はい、マメヒコの井川です。
栃尾このポッドキャストは私、栃尾江美がお話したい人をお呼びして、クリエイティブなことや哲学的なことを好き勝手に話す番組です。
井川はい。
栃尾はい、「何を聞こうかな」と思ったときに、まあ、一緒に収録手伝ってくれているアユミちゃんも悩んでいることなんだけど、「やんなきゃいけないけど、なんかできないな」っていうか、足が向かないっていうか、足なの? なんか気が向かないっていうか、で、いつまでもいつまでもできないことがあると。
井川うん、うん。
栃尾まあ、「やりたくないんだろうな」と思いつつ、でも、やると自分で決めてやろうと思っていることなんですよねぇ。
井川うん。
栃尾やっぱ、でも、それってなんか向いてないっつうか、やんないほうがいいのかなっていう……。
井川いや、やったほうがいいでしょう。
栃尾(笑)なんで? やったほうがいいんだ。
井川あの……、たぶん、マネジメントが下手なんだと思う。
栃尾あ、自分の?
井川自分の。
栃尾はい、はい。
井川あのぉ、これ自分でもそうだけど、あのぉ、何て言うのかな……、1つのことなんだけど、それは1つのことじゃないことってあるわけ。
栃尾ある、ある。
井川ね。
栃尾あります。
井川うーん、なんかこう、そうだなぁ、例えばさ、今日このあと郵便局に行く。そして、小包を送るとかって、これならさ、できるわね。1つのことだから。
栃尾でも、私めっちゃ苦手です、そういうの。
井川あ、そう。
栃尾事前に住所調べて。スマホで調べるじゃないですか。
井川うん。
栃尾それでペンを出して、書かなきゃいけないでしょ。
井川うん。
栃尾そういうなんか、で、住所調べるためにメールを探さなきゃいけないでしょ?
井川うん。
栃尾とか、そういうパソコン離れたアナログなこと結構苦手ですね。
井川うーん、それはもうダメだね。
栃尾(笑)。
井川人としてダメ。
栃尾(笑)やっぱり?
井川だから、それはもう人としてもうダメだから。
栃尾ヤバイ、普通の人はそれが1つのことなんだ。
井川そう。
栃尾なるほどね、はい(笑)。
井川でも、もっと、例えばそうだなぁ、うーん、じゃあ、結婚をするとか。
栃尾デカイなぁ(笑)、デカくない?(笑)。
井川これ1つのことじゃないよね?
栃尾うん。
井川ね。
栃尾うん。
井川じゃあ、今日の2時に。
栃尾「結婚しようか」みたいな(笑)。
井川「結婚するか」っていうことにはならいよね?
栃尾ない、ない。
井川まずは、相手がいなきゃ、相手を探すところから始めなきゃいけないとすると。
栃尾長い、長い道のり。
井川結婚をするっていう1行と、郵便局に行くっていう1行をノートに箇条書きに書いちゃダメなわけよ。
栃尾そりゃそうだ、確かに。
井川そうでしょ?
栃尾はい。
井川モノゴトが進まない人って、これを同じ大きさで1行ずつ書いちゃってるんだよ。
栃尾なるほどね。
井川結婚をするとか、あと、じゃあ、独り立ちする。
栃尾(笑)デカイ。
井川独り立ちする。
栃尾はい。
井川それと、うーん何だろう、ポッドキャストを編集するとか、これは同じことじゃないじゃない。
栃尾そんな人います?(笑)
井川いますよ。
栃尾いますか?(笑)
井川そういう人ほとんどじゃない?
栃尾えっ? そうなの? アユミちゃんうなずいてるけど、そうなんだ。
井川だって何、テレビのワイドショーみたいなものを見てたって。
栃尾はい。
井川なんか日本を変えなくちゃいけないとかって。
栃尾確かにね。
井川そんなニュースを。
栃尾いきなり言ってくるね(笑)。
井川いきなり言ってくるじゃない?
栃尾(笑)。
井川日本は変えなくちゃいけないっていうことかと思えばさ。
栃尾なるほど。
井川なんかその、上手な掃除の仕方。
栃尾うん。
井川「年末です。上手なお掃除の仕方について、今日は」とかってやってるじゃない。
栃尾(笑)やってる。
井川全然さ、今すぐ役に立つことと、もうちょっとこのなんていうのビジョンを持って1つずつ細かいことに砕いていかなくちゃいけないことを。
栃尾うん。
井川並列に語り過ぎてる人が多いわけよ。
栃尾それって実は、リフレッシュなんじゃないんですか?
井川いや、それで、つまりどういうことかというと。
栃尾はい。
井川掃除をやるとか、郵便局に行くっていうすぐできることよりも、その大きな物事を、例えば、日本を変えるとか。
栃尾はい。
井川あぁ、じゃあ、結婚相手を探すとか。
栃尾うん。
井川そういうことに、ちゃんと自分の時間とウェイトとモチベーションを割いてないのよ。
栃尾あぁ、はい、はい。
井川だから、そういうことを細かく噛み砕いて、今日できることに置き換えてないのよ。
栃尾うん、うん。
井川だから、そんなの放置しっぱなしじゃない。
栃尾うん。
井川ずっとなんかその独り立ちする。しなきゃいけないっていうのはもうずっと思いつつも、もう2、3年経ってます、と。
栃尾うん(笑)、なるほどね。
井川それは、そういうことをいくらノートに書いていても、じゃあ、今日このあと2時に何をしなくちゃいけないかっていうことについては何にもやってないのよね。
栃尾うん。
井川だからもしかしたら今日の2時に、じゃあ、その自分が興味のある人と話をするとか、その人にお礼のメールを書くとか、って言う風に具体的なことに落とし込めれば、少しずつでも進むわけじゃん。
栃尾うん。
井川ところが、そんな抽象概念みたいなものだけ1行書いといてたって何にも進まないわけよ。
栃尾うん。
井川だからなぜかっていうと。
栃尾はい。
井川そういうことをかみ砕く能力が足りないんだよ。
栃尾うん、うん。
井川だから、大きいことは分解して、細かいことの積み重ねなんだっていう風に言い聞かせて、自分のモチベーションの高い時間、まあ、大体朝起きて、午前中だな。
栃尾そうですね。
井川午前中以外に、こういう問題については着手できないよ。
栃尾もうね、色々とやることが午後とか増えちゃうから。
井川そう、だけど朝イチにとりあえず、なんかじゃあ郵便局とかに行って片づけて、全部やってから全部そういうことが片づいてから、そういう問題に着手しようとみんな思うんだよ。
栃尾なるほど。
井川それ順番が逆だっつうの。
栃尾逆に最初にねじ込まないといけないと(笑)。
井川そう、最初にそういうことをねじ込む。
栃尾はい。
井川じゃない限り、その雑用に追われてさ。
栃尾うん。
井川サラリーマンの人って、基本的に1番最初にやることは満員電車に乗るじゃん。
栃尾うん、そうね。1日の始まり。
井川いや、人によるでしょうけど、でも、多くの人はそうだと思うわけよ。
栃尾そうですね。
井川この満員電車に乗っている時間で、この劣悪な環境の中で、そういうことを考えるのに使えてる人は、その先あると思うけど。
栃尾なるほど。
井川そこにこう消費、それに自分のそのエネルギーとかモチベーションを消費されちゃってたら、もう会社着いたら、「はぁ、いいやメールチェックしよう」みたいな、メールチェックして、「はぁ、そうこうしているうちに会議だ、じゃあ、会議行かなきゃ」ってなってたら、そういうことを考えることってほとんど使えないよね。
栃尾はい。
井川だからダメなんじゃない?
栃尾うん。
井川もちろん使えている人はいいと思うよ。
栃尾はい。
井川その朝一にそういうことを考えて、それからまあ、電車に乗るという人はいいけど、全部考えてからっていうのは難しい気がするけど。
栃尾井川さんはどうやって時間使ってるんですか? 午前中にそういうのをやってる?
井川そうね。僕は基本的には用事がない人だから。こうやってたまにラジオ出てくださいとか言われない限りは用事がないから。
栃尾そんなことはないと思うけど(笑)。
井川そういうことを考えるのは午前中とか。
栃尾ふーん。
井川午前中っていうよりは、案外僕の場合、シャワーで……頭から水を浴びてるときに思いつくことが多いから。
栃尾朝やるんですか。
井川うん、朝シャワーとか入るじゃない。
栃尾いや。
井川入るのよ。
栃尾(笑)井川さんはね。
井川そうすると、だからヒドいときは、1日に4回くらいシャワー入る。
栃尾なんかひらめきたくて?
井川ひらめきたくて。
栃尾へぇー。で、水なんですか?
井川水だね。
栃尾へぇ。
井川もうヒドいときはね、昔、もうちょっと若い頃は、湯船に机を持っていって。
栃尾うん。
井川湯船で何か浮かばないかと思って、水にずっと浸かってるんだよね。
栃尾あ、湯船だけど湯じゃないんだ、水なんだ。
井川湯船だけど、その何、ぬるい。
栃尾(笑)水風呂なの?
井川水風呂みたいなところに浸かってて、そこにパソコン持ちこんじゃうのよ。
栃尾へぇ、怖い。壊れそう。
井川そうそう、で、カチャカチャやってるみたいな。
栃尾うん。
井川そのぐらい何て言うの、自分のひらめくポイントが、水を浴びてるとか。
栃尾ふーん。
井川あとは何だろう、電車の中もいいよね。
栃尾ふーん。
井川なんかこう、移動中の電車の中じゃないと本が読めないと。
栃尾はい、はい、はい。わかる、わかる。
井川なんかどこかに着席して本を読もうっていう風な気にならないとか。
栃尾うん、うん。
井川うーん、だから例えば、都内なんかにいて。
栃尾はい。
井川「あー、ダメだ。今日はこう何も考えられないけど、なんかもうコレ出そうだな」と思ったら、どっかのビジネスホテルに泊まっちゃうもんね。
栃尾水を浴びるために?
井川うん。
栃尾(笑)。
井川水浴びて、「あぁ、そう」って言って浮かんで、もうなんかシーツを、シーツじゃない、ホテルって?
栃尾はい、綺麗なね。
井川綺麗な。
栃尾うん。
井川あのシーツのところに、バタンって倒れるのよ。
栃尾うん。
井川「あぁー」って。
栃尾はい。
井川そのときに、「なんかイケる、オレ」って思うんだよ。
栃尾え、もうホントひらめくって感じ?
井川ひらめくってこと。
栃尾へぇ。
井川で、それに結構、そういうことにお金を使うことにすごく積極的、僕は。
栃尾へぇ、ホテル以外には?
井川ホテル以外には、だから例えば、急きょ思い立って、渋谷にいて、「あぁ、もうダメだ。このままじゃ浮かばない。でも、やんなきゃいけない、あぁ、どうしよう」って思ったときに、渋谷から湘南ライナーに乗って。
栃尾はい。
井川とにかく、1,500円分ぐらいの、なんかそのグリーン車に乗るのよ。
栃尾はい。
井川グリーン車に。どっかわかんない、小田原ぐらいまでとか。
栃尾はい。
井川で、グリーン車に乗って、「はふぅ」ってなって。
栃尾(笑)。
井川外の景色が、それも2階建てなんだけど、グリーン車。
栃尾あぁ、そうですね、グリーン車。
井川上に乗るのよ。上に乗って。
栃尾景色がいいからね。
井川うん、車窓から「ぶるん、ぶるん」って流れていく川崎を抜けて、横浜行って、鎌倉のほうに行くみたいなときに、「あ、こういうことやりたかったんだ」って思って、小田原に着いて、1回出て、反対、またすぐに乗って戻ってくるってことあるよね。
栃尾へぇ。
井川これ飛行機じゃダメなんだよね。
栃尾あっ、そうなんだ。
井川これ電車なの。
栃尾あぁ、風景が動くから?
井川そう、で、なんか寝ちゃうこともある。
栃尾うん。
井川そういうときは寝たかったんだなって思ったりもするけど。
栃尾うん。
井川なんか自分のモチベーションをちゃんと整えるのに、色んな作法があって。
栃尾はい。
井川まあ、なんだろう。ネガティブなことを言う人とは付き合わないとかね。
栃尾うん。
井川そういうことも1つだろうし。
栃尾なるほど。
井川でも、そのすぐにシャワーを浴びるとか、あと夏の暑いときに、首回りが汗かくとオレもうダメなのよ。
栃尾(笑)そうなんだ。
井川何にも浮かばないのよ。
栃尾あぁ、気になっちゃって?
井川気になっちゃって。
栃尾はい、はい。
井川もうなんか、クリエイティブなことなんか全然できない。
栃尾はい、はい。
井川ということからすると、ちょっと汗ばむような季節に何か例えばイベントごとをやったら、荷物は絶対に運ばない。
栃尾汗かくから?
井川汗かくから。
栃尾うん。
井川そうすると、なんか良かれと思って運んじゃうんだよね。
栃尾あぁ、うん、うん。
井川「もう早くやっちゃおう」みたいな。
栃尾はい、はい。
井川そうするとね、「はぁ、まあ、一息つこうや」ってなっちゃうわけ。
栃尾うん。
井川そうすると皆も「あぁ、そうですね。井川さんが一息っていうなら、じゃあ、つきましょう」ってなるじゃん。
栃尾うん。
井川じゃなくて、そういうときに、皆が「なんだよ、アイツ手伝わないのかよ」って思われても、手伝わないっていうことを覚えた。
栃尾ふーん。
井川で、それもやっぱ自分の脳を使わなくちゃいけないっていう風にと思ってるから。
栃尾はい、はい。
井川まあ、混んでいる店には行かないとか。
栃尾うん。
井川まあ、そういう色々ある。
栃尾ふーん。
井川で、結構そういうことには、無頓着にお金を使うね。
栃尾(笑)無頓着に。
井川うん。
栃尾そうなんだぁ、なるほどね。
井川だから、そのモノを作っていくとか何かモチベーションを保つために、僕はお酒も飲まないし、煙草も吸わないし。
栃尾あぁ、そうなんだ。
井川なんかそのギャンブル的なこともやらないから。
栃尾はい。
井川ただ、その空間とか、そういう時間の使い方とか、自分のモチベーションが下がることについては一切加担しない。
栃尾ふーん。
井川関わらない。それは決めてる。
栃尾ふーん。最初の質問に戻ると。
井川うん。
栃尾そのやりたいのにできないことって、モチベーションが下がってるんだと思うんですけど。
井川うん。
栃尾それを、でも、どうすればいいんだろう。
井川いや、モチベーションが下がっているっていうか、つまり、エネルギーがもう足りてないわけよ。
栃尾はい。
井川その大きな岩を崩すのには。
栃尾うん、うん。
井川だから大きな岩を崩すためには、自分をすごく快適に持ち続けて、毎日コツコツと、そのなんだろう、うーん、自立するっていうことについて悩んでるとしたら、自立ってなんだろう。
栃尾はい。
井川金銭的な自立なのか、もしくは、その親っていう者と関わ……、ネガティブなことを言う親との関わりを断つっていうことなのか、まず色々と考えるわけよ。
栃尾なるほど。
井川で、断つっていう方法であれば、別に、その金銭的なこととは別じゃん。
栃尾はい。
井川だけど金銭的なことがないと、その親との関係を断てないのであれば、じゃあ、その金銭的なものっていうのは一体なんなのか。
栃尾はい。
井川でも、その金銭を稼ぐために、別なストレスが発生したら意味がないよね。
栃尾はい。
井川親と離れるために別なストレスが発生したんでは意味がないから。
栃尾はい。
井川ストレスっていうものをどう溜めないかっていうことじゃないか、って問題を考えていくわけ。
栃尾うん。
井川で、そうやって考えると頭の中が、タービンがぶわーって回っちゃうから、もうちょっと考えるだけで疲れちゃうよね。
栃尾あぁ、だからやっぱり環境とかも必要になってくるっていうことか。
井川そう。そしたら「もう今日はここまで」って言って、また明日の自分に任せる。
栃尾はい、はい。
井川って言って、少しずつ、その大きい岩をちょっとずつ崩していくと、あるときパカッって、何て言うんだろう。
栃尾ヒビが入るみたいなね。
井川ヒビが入る。
栃尾うん。
井川そういうときに、誰かに出会うから。
栃尾おっ、そうなんだ。
井川うん。パカッってなると。
栃尾へぇ。
井川「あっ!」って言って。だから「私、自立したいと思ってるんですけど、どうしたらいいですか」なんて質問は愚問なわけよ。
栃尾うん。
井川じゃなくて、例えば「私みたいな人でも一緒に暮らしてくれるっていう、シェア友達みたいなのってこのお店のスタッフにいませんかね」っていう質問ならさ。
栃尾うん。
井川「いきなりだけど、まあ、ちょっと聞いてみるか」っていう人がいるかもしれないじゃん。
栃尾なるほどね。ちょっとそれは、ちゃんと崩せてる状態ってことね。
井川だから、そういうことじゃなくて、いきなり自分でも手に負えないような問題を人に相談して、聞いてくれるのって。
栃尾うん。
井川お金が欲しい人か、占い師か、そんな人しかいないわけよ。
栃尾うん、うん。
井川「私結婚したいんですけど、どうしたらいいですかね」とかって、「うーん」とか言って、「あなたはこの10月にすごい出会いがあるわよ」って。
栃尾(笑)占い師ね。
井川うん。でもそうじゃない限りは、そんな問題は人に持ち込んでも、解決しようがないから、人でも解決できるような問題に崩せたら、解決は速いよ。
栃尾なるほどね。
井川「あぁ、前に言ってた話だけど、そういう人いたよ、たまたま」ってなるじゃない。だから、そういう問題に崩すためには、結構モチベーションとエネルギーを使って。
栃尾そうですね。
井川少しずつでもいいから、崩していくってことが大事じゃないの。
栃尾午前中に。
井川午前中に。
栃尾(笑)わかりました。はい、じゃあ、今日もありがとうございました。以上、栃尾江美と。
井川はい、井川でした。
<書き起こし、編集:折田大器>

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