
「栃尾さんはCPUがいい」と言われたことがあり、人をそういう風に見てみると面白いかもね、という話をしてみました。PCのCPUとかストレージとかわからない人は難しいかもだけど、今は割とみんなわかりますよね……? どうでしょう。わからなかったらごめんなさい。
栃尾クリエイティブの。
三谷反対語。
栃尾こんにちは、ストーリーエディターの栃尾江美です。
三谷こんにちは、三谷です。
栃尾このポッドキャストは私、栃尾江美が話したい人をお呼びして、クリエイティブに関することや哲学的なことを好き勝手に話す番組です。
三谷はい。
栃尾私ですね、最近言われたんだけど。
三谷うん。
栃尾そうそう、何回か前にゲストに出てくださった石塚さんとお話ししてて。
三谷はい。
栃尾「栃尾さんは情報処理能力が速いんだね」って言われて。
三谷へぇ。
栃尾でも、「私、そんな情報を別に処理しているつもりないんですけど」って思ったんだけど、その人が言い換えるには、CPU、人をコンピュータに喩えて考えると、「栃尾さんはCPUが強いんじゃないか」とその人は言っていて。
三谷はい。
栃尾で、石塚さんはすごい博識なんだよね。
三谷へぇ。
栃尾いろんなところから固有名詞とか、いろんな知識がどんどん出てくるわけ。だから、「僕は完全に本棚が豊富にあるタイプだ」と。そこから出してくる。
三谷記憶がいいみたいな。
栃尾そう。だから、パソコンでいうとストレージ。それがハードディスクなのか、SSDなのかわからないけれど、ストレージの人だと言っていて。
三谷へぇ。
栃尾あと、共通の知人の安田佳生さんね。
三谷うん。
栃尾安田佳生さんは、そんなにCPUがギュンギュン速いわけじゃない、めちゃくちゃ知識があるというのもそこまででもない、と。でも、やっぱりまな板の上にいろんなものを載せて、わーっと、全然関係ないようなところから物事を編み出すみたいなことが得意だから、きっとメモリーだよね、みたいな話をしてて。
三谷これ、けどあれだよね、パソコンをわかってない人は、ほぼわかんない感じになっちゃったね。
栃尾(笑)。
三谷メモリーとストレージの違いがわかるかどうかっていう話だよね。
栃尾そうだね。よく言われるのは、メモリーっていうのは、机って言われるよね。勉強机。この作業台にどれぐらい載せられるか。
三谷今この瞬間、覚えて使うっていうことね。
栃尾そう、手が届く範囲にモノを置く。それが狭いと、いくら作業が速くても何もできませんよね、ってことよね。モニターの大きさとかもそうかな。
三谷うん、確かに。
栃尾それで、ストレージっていうのは本棚って言われるよね。だから……
三谷たくさんデータを抱えていて、そこから引っ張ってくるっていうことですよね。
栃尾うん、本棚の大きさ。だから、「本棚から出してきて、テーブルの上に載せて作業をしますよね」っていう風に喩えられるけどね。
三谷なんとなく、なんかCPUが良いって、すごく良い感じがするよね。
栃尾そうだよね、パソコン性能って言えばCPU(笑)。
三谷パソコン性能的にいうと、計算能力が高いって最も重要なことじゃん。
栃尾そうだよね。だけど、「CPUが速いのに、このパソコンめっちゃ遅い。理由はメモリーだった」みたいなことあるよね。
三谷はい、はい。なんでそう思うの?(笑)。
栃尾えっ?
三谷なんでそう思うの? なんかさ、「CPUが良いっていうのは、ストレージとか、メモリーが低いってことでもあるよね」っていう話を今してるじゃないですか?
栃尾ううん、「低いっていうことでもあるよね」っていうよりは、「CPUは万能じゃないよね」っていうこと。
三谷あっ、CPUだけだとね。
栃尾そう、そう。
三谷はい、はい。
栃尾そうだね。
三谷普通にスペックが高いって言われたことじゃないの? それって。
栃尾うーん、たぶん、知識がないのはすごい言われているから。
三谷へぇ。
栃尾そういう意味だと思うんだよね。
三谷そうなんだ、へぇ。
栃尾いや、ネガティブな意味ではないと思う。もちろん、褒めてくださったんだと思うけど、自分としてはCPUが万能だみたいな、自分でそんなにさ。
三谷平たく言うと、頭の回転が速いとか。
栃尾その場のね。
三谷その場の反射神経が、とか。
栃尾うん。
三谷あとは、理解する力が速いとか。
栃尾たぶんね。
三谷リアクションが速いとかっていうようなことですよね。
栃尾だと思った。そう思うと確かに納得感あるなって。
三谷確かにね。
栃尾自分で言うのも恥ずかしいけれど、納得感は。
三谷それってけど、インタビューとか、インタビューが得意なライターとしては重要な機能なんじゃないんですか?
栃尾そう、でも、事前にめちゃくちゃ調べておいて、インタビューするタイプの人も結構いるのね。
三谷へぇ。
栃尾で、私はそれはね、なんかできない。つまんないのよね(笑)。
三谷(笑)ちょっと待って。「できない」と「つまんない」は違うぞ、みたいな(笑)。
栃尾つまんなかったらできないでしょ。
三谷えっ?(笑)。
栃尾「つまんないこと」は「できない」でしょ(笑)。だから、ほぼイコール(笑)。
三谷(笑)なるほど、はい。
栃尾私のインタビューのやり方っていうのは、やっぱりわりとその場で臨機応変にやるみたいなこと、事前準備はそこまでたくさんはしない、みたいなことだから、「確かに」って思って(笑)。
三谷(笑)。
栃尾三谷さん、どれだと思う?
三谷わかないなぁ。
栃尾わかんないよね。三谷さんもメモリーっぽいけどな。
三谷僕ね、けど記憶力がいいとは言われるんだけど。
栃尾ふーん。
三谷すごい昔のことを憶えていたりとか。映像的に憶えてたりとかっていうのはあるんだけど、興味あることしか憶えてないんですよね。
栃尾うん。
三谷だから、ストレージがいいっていうわけじゃないなって思うよね。
栃尾うん、本当に好きなことだけ、それこそオタク的に憶えているっていうことだよね。
三谷うん、うん。
栃尾確かに。だから、本棚が大きいかっていうと、あるジャンルについては、あるけど、すごく偏った本棚っていうことなのかな?
三谷そうっすね。あと、知識的なものだとか、さっき言った本棚的なものは、もうインターネットに任せてるって感じがする。
栃尾あー、はい、はい。
三谷覚えなくてもいいし、調べ方のほうが重要だなって思ってるから、もうインターネット的(笑)。
栃尾でもさ、そのインターネットって……
三谷調べるスピードが速いって感じ。
栃尾あ、調べるスピードが速いんだ。でも、それはさ、メモリーに出してくるわけじゃん。
三谷うん。
栃尾置くわけじゃんね。それをその場で料理できるっていうことでしょ?
三谷けど、そのあと保持しないっていう、サッとなくなる。
栃尾わかる、わかる。
三谷うん。
栃尾たぶん、私はね、インターネットで調べられるのは一緒なのに、やっぱりここの場に載せるみたいなのがちょっと下手な気がするね、私は。
三谷そうなんだ。
栃尾うん、そういう感覚がある。その場で調べても身にならないと思うっていうか、自分のモノにするまでにちょっと時間かかるんだよね。
三谷へぇ。
栃尾うん。だから……。
三谷なんでそう思うんだろう?
栃尾「あー、わかった!」みたいになるのにちょっと時間かかるんだよね。なんでそう思うか。たとえばさ、新しい言葉を知るじゃん、それをすぐ使う人いるじゃん。
三谷うん。
栃尾だけど私は結構いろんな事例を見ないと使わないの(笑)。
三谷うーん、なるほど、はい。
栃尾だから、すぐわかった気になれない。わからない、わからないんだと思う。
三谷それは解釈したり、考えたい人だからですよね。
栃尾うーん、まあね。だから、腑に落ちないことには使えない。でも、それってたぶん、すぐに腑に落ちるんだろうね、すぐ使える人は。
三谷ふーん。
栃尾勘違いしている場合もあるかもしれないけど、ちゃんとすぐに腑に落ちる人もいて、そういう人はたぶんもしかして自分の中のデータベースにアクセスして、こういうことだからねって、多角的にちゃんと一つのことを見れているのかもしれないんだけど。
三谷ふーん。
栃尾と感じる、うん。
三谷そういう意味でいうとストレージ、ストレージって言って伝わるのかな。
栃尾ハードディスク。
三谷記憶のやり方が違うんじゃないかなって思った。
栃尾うん。
三谷整理整頓がうまい人とかいるじゃないですか。パッとこう出してきたりとか。そういうのがうまい人もいるし、編集がうまくって、体系的に記憶するのがうまい人っていうのもいるし。
栃尾なるほどね。
三谷単純に物量っていうか、ワードがめちゃくちゃあるみたいな人もいるだろうし。
栃尾うん、うん。。
三谷人によって記憶とか、ストレージの使い方が違うんじゃない?
栃尾確かに。私は、理路整然とした本棚じゃなくて(笑)、オリジナルの入れ方なのかも、袋にガサっと何個も入れる(笑)。
三谷ゴチャっとしてたほうが好きっていう感じなんじゃないの。
栃尾そのほうがわかるんだろうね、たぶん。ちょっと形を変えたりとかしたほうが。
三谷うん。
栃尾それはある。それは容量が少ないから、概念的にしてるっていう面もあるのかもしれない。
三谷あぁ。
栃尾だって、全部覚えちゃうのが一番いいもん。
三谷ホントに?
栃尾どうだろう。抽象化……、その都度抽象化。抽象化したものと具体的なものを両方覚えておくのがいいじゃん、だったら。私はさ、具体的なものを覚えられないから、抽象化して、コンパクトにして、覚えているわけよ、たぶん。
三谷なるほどね。
栃尾圧縮して。
三谷確かに、それちょっとプログラマー的にはすごく理解できる話なんだけど(笑)。
栃尾できる?(笑)。でも、たぶん……
三谷(笑)クラスを定義してみたいな。
栃尾あ、でも、そういう感じだと思う。
三谷クラスからみたいな。
栃尾そう、そう。クラスって抽象化なんだよね、きっとね。
三谷汎用的なクラスで。
栃尾そう、そう。
三谷メモリーは消費しません、みたいな(笑)。
栃尾まさに、そう(笑)。そうだね。だから、それが「卵が先か、鶏が先か」で。
三谷うん。
栃尾そういう考え方だったから、ハードディスクを増設しなかったのかもしれないし、もともとハードディスクが少なかったから、そういう考えにしたのかもしれなくて。どっちがどっちかわからないけど。
三谷なるほど、はい、はい。だから「BASIC」じゃなくて、「C言語」だっていう話をしてるんだよね。
栃尾(笑)そういうことだね。
三谷(笑)。
栃尾コード、コードみたいになってるじゃん、そうしたら(笑)。
三谷これ、(リスナーが)ほぼ理解できない話になってきた。
栃尾あ、ホント? そうかな、難しいかしら。
三谷けど面白い。記憶をしたいやり方っていうと、なんだろうな……、僕は調べ方とか、やり方の手段としては記憶を使うけれど。
栃尾うん。
三谷ただ、覚えるとか、知識とか、よくあるじゃないですか、「あの本にこういうことが書いてあって」とか、「あの本のこの偉い人はこういうことを言っている」とかっていうような使い方はしないって気がする。
栃尾へぇ。それは忘れちゃうの?
三谷うん、そう、覚えられない、絶対。
栃尾じゃあさ、ネットにないことは調べられないの?
三谷いや、ネット以外のことも調べるは調べるよ。
栃尾どうやって調べるの?
三谷まあ、本で調べたりもするし。
栃尾本はどうやって探すの?
三谷本は本屋で探す。
栃尾そのときはさ、何をアテにするの?
三谷うんとね、何ていうかな……たとえば、ネットで引っ張り出すっていうことに関しても、まったく一から調べるわけじゃなくて、「あれはそこらへんに書いてある」とか、「あれはこういう調べ方すると出てくる」っていう感じで憶えてる。
栃尾アテはあるんだ。
三谷そう。たとえば、「あれだったら、この辺の本を探れば出てくるんじゃないか」っていうことまでは覚える。
栃尾はい、はい。
三谷とか、流行ものとか、「最近トピックスでこういうのが出てきているな、今は深めないけど」みたいな。必要があったら、そこから芋づるのように引っ張ってくるということはするけれども。
栃尾なるほどね。よくさ、成功者の講演とかあるじゃん。で、そういうのでさ、「こうやったからうまくいきました」みたいなことがあるじゃん。でも、それを普通の人っていうか、一般的な人は「じゃあ、それをやろう」って思っちゃうんだけど、たぶん、三谷さんは、「どういう思考プロセスでそこに行ったのか」っていうのがきっと興味があるってことなんだろうね。
三谷それは「あなたはそういう風に成功しただろうけど、他の人にとって成功かどうかはわかんないだろうね」って思って考える。
栃尾あ、そっか。その人のやり方はこうだったみたいなのは興味ないんだ、別に。
三谷やり方はこうだったまでは、興味あるかなぁ……、あんま興味ないかもしれないね。
栃尾あ、そうなんだ、じゃあ、それはまた違うのかなぁ。自分の場合だけ?
三谷うーん。
栃尾自分のやり方? 人のやり方にはあんまり興味ないの?
三谷オリジナルのやり方は考えたいなって思うけど。まあ、もちろん、聞けばなんとなく感触として残るじゃないですか。
栃尾うん。
三谷けど、なぞろうとはあんまり思わないなって感じがする。
栃尾なぞろうとは思わない、なるほどね。
三谷そう。
栃尾人に聞いたりもするの? 探し方は憶えてるって言っていたけど、人に聞くみたいなのも含まれるの?
三谷あ、それも含まれる。「これはあの人に聞いたほうがラク」とか、「これは、なんかアイツがいい」みたいなことは考える。
栃尾それって何なんだろうね、チップセット?
三谷チップセット?
栃尾(笑)。
三谷また、なんかわかんない話出てきたよ。マザーボードですね(笑)。
栃尾違うの?(笑)。
三谷全体をオーサリングするっていう。
栃尾あぁ、ちょっと違うのかな。
三谷どうなんだろうな、コンピューターでいうとって何だろうなぁ……。
栃尾うん。
三谷回転数が速いとかっていうよりも、パターン認識が強いとか、「あれはあそこ」とか、「あれはこういうこと」っていうことの入口だけ憶えてるっていうほうが、処理が高くなるっていう感じはしてます、自分として。
栃尾だから、ある程度パターンが決まっているものについては、方法論を組み込んじゃってる。
三谷ちょっと入口までは、考えておくみたいな、自分でね。
栃尾はい、はい、なるほどね。
三谷そんな感じがする。それは何だろう。CPUだけじゃないな、CPU……、うーん、何て言ったらいいんだろう?
栃尾チップセットってそういう役割じゃないんだっけ?
三谷OS的っていうのかな、なんていうのかな。
栃尾あぁ、OS的ね。
三谷OSをアップデートしようとは思う、そう。
栃尾うん。どんどんできることが、用意されていることが増えていく。
三谷そう、ソフトウェアを改善していったほうがいいなって思ったりする。
栃尾うん、なるほどな。そうするとCPU負荷が下がるっていうことだね。
三谷そうですよぉ。
栃尾(笑)。
三谷エンジニア的に言うと。
栃尾そうだよね、「毎回ギュンギュン回してるんじゃねぇわ」っていう感じだよね(笑)。
三谷そう、そう。「ハードウェアじゃない、ソフトウェアの時代です」って感じがする。
栃尾なるほどね、まあ、面白かったね。ちなみに、アユミちゃんは……、
三谷わかったのかな、そういうの(笑)。
栃尾ちなみに、アユミちゃんはGPUだなって。
三谷はい、はい。
栃尾言ったんだけど、CPU、頭で考えているとめっちゃ時間かかることが。
三谷グラフィックのほうね。
栃尾わりと、グラフィックでパッとできちゃいますよ、みたいな。
三谷はい。
栃尾ちょっとアーティスト的思考だなっていう感じがね、しました。
三谷あのね、我々の世代で、理系を経験した人でないとほぼ通じない話だよ(笑)。
栃尾そっか、若い人はわかんない?(笑)。
アユミGPUを検索して調べても。
三谷わかんないよね。
アユミはい、どこまで見てもわかんなかったです。
栃尾難しいよね。
三谷ね。
アユミ(笑)。
栃尾うん、うん。でも、GPUの良いのが載ってると、映像とかが速くなるんだよね。
アユミふーん。
栃尾精細に表示できたり。
三谷ぜひ皆さん、検索して。今日出た言葉を一つずつ(笑)。
栃尾これをさ、この概念を手に入れると、どういう人が頭が良いんだっていうのがさ、結構崩れるよね。
三谷うん、確かにね。それぞれの頭の良さがあるよねってことね。
栃尾そう、そういうこと! って素敵な考え方だなって思ったんだよね。
三谷おー、いいね。確かに、それはいい。
栃尾ということですね。告知をすると、そうだな、ツイッターフォローしてくださいって感じにしたいと思います。
三谷うん。
栃尾ツイッターを私は栃尾江美でもやってるし、あと、『クリエイティブの反対語』で新しいのを配信したり、「過去回でちょっとこういうことを言ってました」みたいなのをつぶやいているので、探してみてください。
三谷はい。
栃尾はい、以上、栃尾江美と。
三谷三谷でした。
<書き起こし、編集:折田大器>

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