
200回記念第2弾! 栃尾の人生を振り返ると言いながら、あまり振り返っていない気もしますが……子どもの頃のことも少し話しています! 後半の方は、私には二面性があって、それに苦しんでいて、今乗り越えている最中っていうのを話しています。(こういう自分を知って欲しかったのかもしれません……w)
栃尾クリエイティブの。
アユミ反対語。
栃尾こんにちは、ストーリーエディターの栃尾江美です。
アユミデザイナーの金子アユミです。
栃尾このポッドキャストは、ストーリーエディターの栃尾江美が話したい人をお呼びして、クリエイティブに関することや哲学的なことを好き勝手に話す番組です。
アユミほい。
栃尾200回記念、第二弾!わー(拍手)。
アユミおっ、第二弾でーす(拍手)。
栃尾ということで201回なんですが。
アユミはい。
栃尾200回記念ということで。私、色んなテーマを考えたんだけどね、今後話しそうなことよりも、こういうときしか話さないみたいなことで、話してみましょうということで。
アユミそうですね。
栃尾私の半生を振り返ってみようかと。
アユミはい。
栃尾思っているんだけどね(笑)。
アユミうん、「江美さんの強さはいったいどこから」みたいな。
栃尾強さねぇ。
アユミうん。
栃尾そう、そう。まあ、強さねぇ(笑)。
アユミうん(笑)。
栃尾えーっとですね、昔……、昔? 子どもの頃は……
アユミうん。
栃尾色んな切り取り方があるけど、本当に小ちゃいときは優等生っぽかったよね。
アユミうん。
栃尾テキパキしてて。
アユミ小さいときっていうのは?
栃尾小学校低学年とか。
アユミあー、はい。
栃尾学級委員に選ばれてみたいな。
アユミえー、すごい。
栃尾足も速くてみたいな。
アユミモテそう。
栃尾あぁ、モテた時期もあったよね。
アユミへぇ。
栃尾小学校5年生ぐらいのときに太り始めたんだけど。
アユミうん。
栃尾それまではスラっとしてたので、髪も長かったし。
アユミうん。
栃尾なんかそういう時期もあったね。
アユミへぇ。
栃尾で、なんだっけ? そうなんだけど……、アレ? でも、そう、毎日のように泣いてたの。
アユミえ?
栃尾(笑)だから、結構面倒くさい女だったんだと思う。
アユミえ?。
栃尾すごい活発的、活動的? 活発で、溌剌として、男ともバンバンやり合うみたいな感じなのに、すぐ泣いちゃうみたいな(笑)。ムカつかない?
アユミえー、ムカつきはしないっすけど、そんな感じだったんですか。
栃尾そう、そう。
アユミへぇ。
栃尾で、これも日記に……、ブログに書いてあって思い出したんだけど、「泣くことって恥ずかしい」みたいに言われたんだよね。
アユミはい。
栃尾外から。
アユミうん。
栃尾で、それまではそんなに恥ずかしくなかったんだけど多分。
アユミうん。
栃尾恥ずかしいことなんだと思って。泣いてはいけないんじゃないか、と。
アユミうん。
栃尾でもさ、悲しいことをしゃべったりすると泣いちゃうから、感情を見せないようにしなきゃいけない、と。
アユミうん。
栃尾で、泣きそうになったらしゃべらない、とか。表情によってもバレちゃうから、表情を固めればいいんだ、みたいな。固めるしかない、みたいな。
アユミほう。
栃尾で、ムスッとしたりとかいう風に。
アユミ賢さゆえの対応。
栃尾いや、賢くはないでしょ。でも、そういう風に逃げてた。で、それでずーっと育ってしまったね。
アユミずっと育ったわけですね。
栃尾(笑)そう。だから、3年生か4年生からあんまり泣かなくなったけど、それこそ卒業式でみんなが泣いているときにむしろ泣かないみたいな感じだったけど。
アユミうん。
栃尾でも、本当は中身はドロドロとしているっていうか、「栃尾さんって結構情熱的なんですね」とか、たまに言われるけど。
アユミうん。
栃尾そういうのがあったんだと思う。
アユミ情熱的っていうのは? 最近?
栃尾「意外に情熱的なんですね」って最近言われたけど。
アユミあぁ、そうなんだ。
栃尾そう、そう。
アユミ(笑)。
栃尾だからずっと余波はあるっていうか。そういう私もいるっていうか。
アユミあぁ、そういう私もいるわけですね。
栃尾そう、そう。
アユミなるほど。
栃尾で、わりと学校では優等生タイプだと思ってたんだけど、よくよく考えると、結構反抗してた。
アユミえ? 今、振り返ると? え?
栃尾たまに思い出すっていう(笑)。
アユミえー。
栃尾結構反抗していて、つまらない授業はまったく聞かないで落書きをし続けてたりとか。
アユミえー、学級委員が。
栃尾学級委員してたかな? そのとき、5年生とか、してたかなぁ。学級委員とか、学年代表みたいなのをしてたけど。
アユミおぉ、いいじゃないですか。
栃尾してたけど、中学校とかも、嫌いな授業は寝てたしね。
アユミへぇ。
栃尾うん。
アユミそれで?
栃尾ん?
アユミそれでいい大学行ったんだなと思って(笑)。
栃尾いい大学ではない気もするけど。
アユミすげぇ。
栃尾結構、うちの子どもってさ、好きなことしかできないんだけど。
アユミ存じ上げております。
栃尾これ、私の血だったかな(笑)?
アユミ(笑)。
栃尾ごめんなさい、みたいな(笑)。
アユミ(笑)いや、いいじゃないですか。
栃尾私はさ、ルールを守ってきっちりしてたつもりだったけど、それは学校が別に嫌いじゃなくて、学校は行ってたけど、学校でルール守ってなかったな、みたいな(笑)。
アユミいや、学校のルールって、ルールと言えないんじゃないですか?
栃尾どういうこと?
アユミいや、何だろうな。本当に守らないといけないルールって、「人を傷つけちゃいけない」とかじゃないですか。
栃尾うん、今思うとね。
アユミでも、学校ね、今、つまんない授業って、つまんないから寝ててもしょうがないよねって、なんか私は思ったりしますけどね。
栃尾うん、でも、それが許されない環境だったらさ、もしかしたら行きたくないって思ったのかなぁなんて思うけどね。
アユミそっかぁ。
栃尾今思えば。うん。
アユミうん。
栃尾だから、結構好き勝手やってたね。
アユミへぇ。
栃尾意外に。
アユミ意外に(笑)。
栃尾うん、(笑)そう。
アユミうん。
栃尾それで、そのまま理系に行ったけど、私ずっとこう、なんか理系に行って大学とかで苦しんでいたのが、感情的な部分と、論理的な部分が両極端にあって。
アユミうん。
栃尾それで、身体が引き裂かれるような思いをしてたんだよね、結構。
アユミへぇ、どういうときにそうなるんですか?
栃尾友達ができないってことだよね、まず。両方をわかってくれる友達ができない。
アユミへぇ。
栃尾例えば、大学は情報工学科って言って、プログラミングとかをするところだったんだけど。
アユミおぅ、スゲェ。
栃尾プログラミングの話をする人と、小説の話はできない、みたいな。
アユミへぇ、そうなんだ。
栃尾例えば。
アユミうん、うん。
栃尾うん。その両方持っている人もいるかもしれないけど、あんまりいないよね。
アユミふーん。
栃尾会社に入っても、ビジネスの話をバリバリにやる人と、あとなんだろうな、例えば、日記を、毎日、エモい日記を書き続けてる人っていうのとは共存しないみたいな(笑)。
アユミ(笑)なるほど。
栃尾で、わりと自分がどっちの人かわからないなぁって思いつつ。
アユミふーん。
栃尾で、例えばさ、『mixi』とかでもあったけど、小説好きみたいな人、自分でも書くぐらい小説好きみたいな人の集まりに、行ったことはないけど、そういう人の会話を覗くと、論理的に考える人はあんまりいないんだなとか。
アユミへぇ、そうなんだ。小説書けるのに?
栃尾やっぱ、感情が大優先みたいな人が多い気がする、そういうところでは。
アユミへぇ。
栃尾本当のプロの人は両方できるのかもしれないんだけど、そういうコミュニティに入りたいなって思ったときに、なんかちょっとそこまで私は振りきれないなみたいなのがあって。
アユミほう、なるほど。
栃尾私はどこに行けばいいんだ、みたいな感じがあったね。
アユミ大学生から?
栃尾悩み始めたのはいつ頃だろう。でもその、たぶん、コンピューターの会社に居ながら、書く仕事がしたいって思ったわけだよね。で、転職したんだよね。
アユミうん、そっか。
栃尾だから、そのときに、たぶん、こんな論理的……論理的って言うか、書く仕事も論理的なんだけど、「こんなにITの世界に居っぱなしじゃダメだ」と思ったんだろうね。
アユミふぅーん。
栃尾で、書く仕事って、ものにもよるけど、結構想像力を働かせるみたいな。
アユミうん。
栃尾読者の気持ちを考えるみたいなことがあるから。
アユミはい。
栃尾そういうところは面白かったなと思うんだけど、相変わらずガジェットの記事とか書いていたから、「違うのでは~?」と思いながら(笑)。
アユミ「違うのでは~」(笑)。
栃尾違うのでは、と思いながら(笑)、引き裂かれる感じ。
アユミあぁ、そうだったんですね。
栃尾でも、それがフッと楽になったのは、タクラムの。
アユミうん。
栃尾『Takram』っていう会社のね、「デザインエンジニアリング」っていう言葉を作ったのか、広めてるのか。田川さんという方がいて、社長のね、その人が言っていたのは、デザインとエンジニアリングもさ、私が苦しんでいた両極端なことに結構似てる気がするの。
アユミへぇ。
栃尾デザインってわりとアートっぽいじゃん。
アユミはい。
栃尾感性っぽい、イメージとしてね。
アユミはい。
栃尾で、エンジニアリングって、やっぱりすごく論理的で、無機質な感じ。
アユミはい。
栃尾で、それを共存しようっていう会社なわけだよね。
アユミはい、はい。
栃尾で、それは間、中庸を取るんじゃなくて、「デザインとエンジニアリングを振り子のように素早く行き来する」って言ってて。
アユミうん、うん。
栃尾すごい私はそれを聞いて楽になって。
アユミうん。
栃尾なるほど、私も、じゃあそのエモいところとロジカルなところを行き来すればいいんだ、と。
アユミほぅ。
栃尾だから別に組み合わせて混ぜこぜにしなくても、間を取らなくても、両方持ったまま生きられるんだと思って、随分楽になったのよ。
アユミへぇ、そうなんすね。
栃尾そうなんすよ。
アユミそっか、そうすればいいのか。
栃尾そう、そう。
アユミふぅーん。
栃尾あと、コレ、半生振り返ってる?
アユミうーん。
栃尾(笑)抽象的になっちゃうんだよね。
アユミうん。
栃尾あとさ、もう一個、さっきすごい泣き虫だったって言ったけど。
アユミそうですね。
栃尾二面性ってもう一個あって、すごい私の感情的で弱虫で、泣き虫だったりする部分と。
アユミうん。
栃尾あと、外から見るとすごいクールで、感情がないみたいに見える部分と、二面性があって。
アユミうん。
栃尾それも気付いてなかったけど、苦しんでたんだなっていうのがあるね。
アユミへぇ。それは「他者から見た自分」と「自分の中の自分」が全然違うみたいなことですかね?
栃尾うん、そうだよね。それも前回言ったのかな? それもだから、この3、4年の間に随分変わったんだけど。
アユミうん。
栃尾そう、さっき収録前に言ってたけどね、井川さん。ゲストにも出てくれた井川さんに。
アユミはい。
栃尾結構しゃべったことがない……えーと、お互い何人もいる場所で、お互いの認識はして。あと、メッセンジャーのオンラインではちょとしゃべったりはしたぐらいで、「人見知りなんだね」って言われたんだよね。
アユミ(笑)スゲェ。
栃尾ちょっとなんか怪しいじゃん、逆に(笑)。
アユミあぁ、はい(笑)。
栃尾だけど、それで色々こう、この人を信用してみようと思って、色々と話してみたんだけど。
アユミうん、うん。
栃尾まあ、そのときに言われたのが。
アユミうん。
栃尾私の中にすごく弱いA子さんってのがいます、と。
アユミうん。
栃尾それを守ってるつもりのクールなB子さんがいると。
アユミはい。
栃尾で、だけどただそのB子さんていうのは、自分をコントロールしてるようでいて、ただA子さんに振り回されているだけ。
アユミうん。
栃尾A子さんのアンチテーゼだから、A子さんに振り回されてるだけだから、B子さんは全然強くない、みたいな。全然できてない、みたいなことを言われたことがあって。
アユミはい。
栃尾それで逆にもう一人C子さんっていうのを作って、A子さんとB子さんを俯瞰して、ちゃんとスイッチできるように。だから、つまり誰の前でもA子さんを出すわけにはいかないのよ。
アユミそうか。
栃尾むやみに傷ついてしまうから。
アユミそうか。
栃尾そのためのB子さんだから。
アユミそっか。
栃尾それで、でもB子さんだけで、あなた自身をコントロールすることはできない、と。
アユミうーん。
栃尾だから、二人を上手に扱えるようになったほうがいいよ、って言われてさ、それをブログに書いてたんだけど。で、今それを読み返してみたら、「あ、そんな風になってるな」って思ったんだよね。
アユミ今の自分がね。
栃尾そう、そう。
アユミうん。
栃尾で、結構さ、人見知りとか、恥ずかしがり屋なんだけど。それは結構色んなところで言ってるかもしれないけど。
アユミそうっすね。
栃尾そう。とか、泣き虫とかさ、そういうのもA子さんなんだよね、たぶん。
アユミはい。
栃尾で、強がったりとか、論理的に話したがるとか、そういうのがわりとB子さんなのかな、という。
アユミA子さんが本質というような感じでもなく。
栃尾そう。
アユミ二人が共存しているわけですね。
栃尾そうなの。たまにね、「本当のあなたはこんなに弱いんだね」みたいな表現をする人もいるわけ。「いや、ちょっと違う」みたいな(笑)。
アユミ(笑)。
栃尾両方私です、みたいな感じなのよね。
アユミだからC子さんが必要なんですね。
栃尾そうなんだと思う。
アユミすごい、井川さん。
栃尾そう、井川さんね、ヤバイんだよね。
アユミ(笑)すごっ。
栃尾そう、そう。それがわかったことが結構大きいかなって。
アユミそれはいつ頃わかったんですか。
栃尾そのA子さんB子さんの話は、だから1年半ぐらい前だよね。
アユミそっか。
栃尾それさ、ゆうさんにも言われて、えっと、コルクラボのね、ゆうさんっていう。
アユミはい。
栃尾「Dr.ゆうすけ」だっけ(笑)。
アユミゆうさん。
栃尾そのドクターゆうさんにも言われて。そのゆうさんは、弱い女の子は江美ちゃんだと、で、外側に出してガードしてるのは、とち子、とち子っていう名前にしようぜ、みたいな(笑)。
アユミ(笑)。
栃尾とち子さんやめろよ、みたいな。もう江美ちゃん、江美ちゃん。
アユミBがとち子さん、Aが江美ちゃん。
栃尾っていう言い方を。
アユミうん。
栃尾うん、江美ちゃんととち子って言われて、とち子って結構気に入って自分でも結構使うんだけど。
アユミあぁ、そうなんだ(笑)。
栃尾そういうの、わかる人にはわかるんだなっていう。
アユミうーん。ね、わかる人すごいっすね、わかんないっすよね。
栃尾不思議だね。人間というものがどういうものかっていうのがわかってるのかなぁ。
アユミへぇ。
栃尾心理学なのか、そういうのもわかんないけどね。
アユミ感覚的なものともなんかちょっと違う感じもしますしね。
栃尾そうだね、そう、そう。
アユミそんなに文章っぽい感じで、人の内面を知れるってすごいっすね。スゴッ。
栃尾ね。そう、そう。自分の中を明らかにしてくるっていう、半生だったのかな(笑)
アユミはぁ、まあ、そういう意味ではこの4年間で、というか1年半ぐらいで劇的に自分の内面がわかった感じなんですかね。
栃尾そうね、でも、ちょっとずつ変わってくるのもあるよね。例えば、笑えるようになったのは5年ぐらい前とかね、写真で笑えるようになったのは、5、6年前とかだと思うし。
アユミうーん、それは何ででしたっけ? なんか聞いたかも?
栃尾それは何で……色んなことが重なったんだよね。笑顔が大事っていうエピソードが色々重なって、たぶんそれは今まで生きてきた中で触れているはずなんだけど、それが段々自分に響くようになったのがそのタイミングじゃない?
アユミはぁーん。
栃尾うん、うん。そういうエピソードがいっぱいあったんだと思う。
アユミそっか。
栃尾そう、そう。そういうタイミングがあるよね。自分が受け止められるタイミングでないと受け止められない。
アユミはい、わかります。
栃尾今まで聞いてきたことだけど、初めて意味がわかったみたいなことがたぶんその時期だったんだと思うな。
アユミ「あの時、あの人がこう言ってたけど、今だったらわかる。今ならわかるよ」ってなりますよね。
栃尾(笑)そう、そう。そういうときにもう一回思い出せるといいよね。
アユミなるほど。
栃尾というわけでちょっと長くなりましたが、こんなところでしょうか。
アユミはい、おもしろかったです。
栃尾えーっと、じゃあ、私は、どうしようかな。ポッドキャストを配信したい方がいたら、私とアユミちゃんでサポートできますので、よろしければお問い合わせください。
アユミはい。
栃尾以上、栃尾江美と。
アユミ金子アユミでした。
<書き起こし、編集:折田大器>