
宮田さんが働いているスーパーで、「よい売り場」を考えると、「よいメディア」との共通点が見つかってきました。メリハリとか意外性とか、飽きない工夫とか……! 「見せ方」って同じなのかもしれませんね。
栃尾クリエイティブの。
宮田反対語。
栃尾こんにちは、ストーリーエディターの栃尾江美です。
宮田こんにちは、宮田匠です。
栃尾このポッドキャストは私、栃尾江美が好きな人やお話したい人をお呼びして、クリエイティブに関することや哲学的なことを好き勝手に話す番組です。引き続き、宮田匠さんよろしくお願いします。
宮田お願いします。
栃尾はい、えーと、まあ、売り場とメディアとか、何て言うのかな、アウトプットっていうのが非常に共通点がありそうってことで。
宮田はい。
栃尾そういえば、誰かが「店舗っていうのはメディアである」みたいなことを言ってた気がしますね。
宮田ほぉ。あ、やっぱりそうなんですね。
栃尾どこぞの偉い方が(笑)。
宮田(笑)そうんなんですね、そういえば僕が働いているところにもメディアっていう言葉がそういえば貼ってあったなって、いま一瞬思いました、実際に。
栃尾へぇ、なるほど、考え方が一緒なのかもしれないですね。
宮田はい。
栃尾で、そもそも良い売り場とか、良い文章、良いアウトプットっていうのは何なんだろうっていうのをちょっと今回、考えてみたいということで。
宮田はい。
栃尾はい。宮田さんが考える良い売り場ってどんな感じなんですか?
宮田そうですね、すごい抽象的なことを言っちゃうんですが。
栃尾はい。
宮田話を聞いてみたいのは。
栃尾うん、うん。
宮田僕思うに、活き活きしてる売り場ってすごいいいなって思うんですけど。
栃尾はい。
宮田「実際に、買う目線で回ったときに、活き活きしてるなって思う売り場とかってありますかね」っていう(笑)。
栃尾あ、私が?
宮田はい。
栃尾行くときに?
宮田はい。「なんかいいな」みたいなのってありますか? 言語化できないかもしれないけど。
栃尾なんかいいな……、やっぱこう足が向くのは安いとこですね(笑)。
宮田あぁ、やっぱもう、わかりやすい安さ。
栃尾そう。あとは、すべてが整然と並んでるよりも、やっぱりちょっと意外性がある方が楽しいですね。
宮田あぁ、それ、すごい聞いてみたいです(笑)。
栃尾(笑)。
宮田やっぱそうかって。
栃尾なんかこの通りは。
宮田はい。
栃尾何て言うかな、カップ麺と何某しか置いてませんみたいな、ちょっと倉庫っぽい、何て言うのかな……、現金問屋みたいなスーパーが近くにあるんですけど。
宮田(笑)はい。
栃尾それはやっぱりちょっと、まあ、安くて買いやすいけど、棚を見る楽しさはないっていうか、行くときのウキウキ感はあんまりないですよね。
宮田やっぱりちょっと意外なものがある。
栃尾意外なもの……、気の利いたものがあるっていう感じですかね。
宮田気の利いたもの、あ、それすごい絶妙に言い表してる感じがありますよね。
栃尾うん、うん。
宮田目新しいもの置いてあればいいって問題でもなくて。
栃尾そう、そう。
宮田「それいいな」みたいなものが置いてあるってことですよね(笑)。
栃尾なんかセンスいいなみたいな。
宮田はい、フムフム。
栃尾感じがあると嬉しいかもしれないですね。
宮田なるほど、じゃあ、利便性とかそっちなのかな。
栃尾うん、なんか西友、前のお家に西友が近くてよく行ってたんですけど。
宮田はい。
栃尾結構、お菓子売り場に、輸入物っていうか、そういうのが一気に入るときがあるんですよね。
宮田ほう、ほう。
栃尾そういうのを結構楽しみにしてた気がします。
宮田なるほどな、そういうことか。
栃尾で、「これ、売切れたらもう入ってこないんだろうな」みたいな。
宮田あぁ、はい、はい。その瞬間の楽しさみたいなものが。
栃尾そうです。出会いみたいな感じですかね。
宮田なるほど。
栃尾そういうのも……、パッケージとかもかわいいし。そういうのもあった気がしますね。
宮田なるほど、ありがとうございます。あのぉ、ちょっとまたちょっと違うかもしれないんですけど、『スーパーの女』っていう映画があって(笑)。
栃尾へぇ。
宮田で、それ働き出してから観たんですけど。
栃尾あ、伊丹十三の?
宮田あぁ、そうです、はい、まさに。
栃尾はい、はい、はい。
宮田それ、スーパーで働いてたし、「観よっかな」と思って観たんですけど。
栃尾はい。
宮田そしたら、「良い売り場は話かけてくる」みたいなのを言ってて、あ、なんか……
栃尾あ、お客さんに?
宮田はい。
栃尾なるほど、売り場自体がってことですか。
宮田そうです、そうです。
栃尾あぁ。
宮田で、それ聞いてから、「なるほどなぁ」みたいに思ったのが、結構、ちょっとすごい根性論になるかもしれないんですけど。
栃尾はい。
宮田例えば、品出しする人とかが、やっぱり丁寧にやってる売り場って、なんかすごい見たときにポジティブな感覚があるんですよね。僕も、誰が並べるかによってちょっとずつ違うんですけど。
栃尾へぇ。
宮田「この人並べたところってなんか惹きつけられるな」みたいな(笑)。
栃尾ふーん。
宮田「それってなんなのかな」みたいなのが、最近、色々いじりながら考えたりするんですけど。
栃尾きれいに並べてるとかなんですか? 簡単に言っちゃうと。
宮田そうですよね、きれいに並べてる……、なんかきれいに並べてる、そう、何なんですかね(笑)。なんかきれいに並べてるだけの人もいますよね、でも。
栃尾へぇ。
宮田なんだろう……、物量感……、何なんだろう? ちょっと僕もいま言語化できないんですけど。
栃尾なるほどねぇ。
宮田バナナとかを、僕最初に、バナナを並べる仕事っていうか、何て言うんですかね、バナナ並べてってやるときに、めちゃくちゃきれいに並べたんですよ。
栃尾はい。
宮田元々僕、飲料の部門出身だっていうので、何て言うんですかね、水平垂直にこうピチッと並んで、バナナを並べてて。
栃尾うん、うん。
宮田でも、なんか水平垂直に並べてるところもあれば、適当に積んであるバナナのところとかもあって。
栃尾はい。
宮田僕、最初、面倒くさいからバラバラに積んでるのかなと思ったんですよ(笑)、他の人が。
栃尾はい。
宮田でも、自分も色々やってみたり、他のお店、自分と違う会社の店舗とかを見に行ってみたりしても、やっぱりバラバラに積んであるバナナはバラバラに積んであるのを見て。
栃尾はい、はい。
宮田「なんでなんかな」って思ってたら、やっぱそっちの方が、バナナ、何ですかね、「バナナ、今日はいっぱいどっさり感があるからなのかな」とか、色々と考えだして。
栃尾うーん。
宮田そうすると、なんか、きれいに並んでるバナナが必ずしもいい訳じゃないとかなってきて。
栃尾確かに、確かに。
宮田はい。なんかその辺り……
栃尾おいしく見えるのはどっちかみたいなね。
宮田そうですね、なんか美味しそうかとか、なんすかね。
栃尾はい、お得に見えるとか。
宮田お得に見えたり、バナナの生命力みたいなのを感じるというか(笑)。
栃尾はい、はい、はい。あるかも、あるかも。そういうので言うとアレですね、たぶんウェブメディアはあんまりないけど、雑誌とかのレイアウトとかはその辺、すごい関係ありそうですね。
宮田おぉ。
栃尾例えば、情報誌だとしても、例えばきれいに並んでるのが見やすい訳じゃないじゃないですか?
宮田あぁ、そうですよね、確かに。
栃尾まあ、見やすいかもしれないけど、魅力的じゃないっていうか。
宮田はい。なんか引き込まれない。
栃尾そう、そう。あえて四角じゃない枠を取ったりとか、大小付けたりとか、写真もインパクトのあるやつをボーンっとデカくしたりとか。
宮田はい、はい、はい。
栃尾っていう風にすると。
宮田はい。
栃尾で、さらに必要な情報はちゃんとわかりやすく、定型的に、まあ、値段みたいなものですよね、定型的に誰でもパッと見てわかるところに置いておいて。
宮田はい。
栃尾でも、そうじゃないちょっと特徴みたいなやつは、全然バラバラにレイアウトした方が魅力的ですよね、たぶん。
宮田あぁ、いや、それ、そう、なんか雑誌の話で言ったら、とっちーさんって色々な媒体で編集とかされてるじゃないですか?
栃尾はい。
宮田で、この音声も音声で、何て言うんですかね。
栃尾まあ、確かに。
宮田雑誌とか本て、一気に平面で見れるじゃないですか。
栃尾はい。
宮田でも、音声とか、あとウェブの記事とかってどっちかって言うと、線で読んでいかないといけなかったりするじゃないですか。
栃尾そうですね。
宮田で、スーパーの売り場も、全体のレイアウトは平面で見るんですけど、お客さんが通っていくのは線なので、線で見たりするじゃないですか。
栃尾うん、うん。
宮田で、その2つでたぶん緩急だったり、インパクトの置き所だったりあると思うんですけど、音声って、何て言うんですかね……点の置き所というか、インパクトの付け方とかって何か考えられたりとかするんですか?
栃尾えー、難しいな。音声はまあ、すごい感覚的にやっちゃってますけども。
宮田(笑)はい。
栃尾どうですかねぇ。なんかまあ気を付けてるのは、しゃべり方を練習したいなって思ったときに、アナウンサーみたいなしゃべり方を練習しちゃダメなんだろうなって思ったってことですかね。
宮田え、面白い、それってどういうことですか? (笑)
栃尾(笑)えっと……
宮田アナウンサーみたい……
栃尾アナウンサーみたいなしゃべり方はわかりやすい、聞き取りやすいんだけども。
宮田あぁ、なんとなく、はい。
栃尾魅力があるかというと、まあ、そこは目指してないというか。
宮田ちょっとデコボコしてるほうがいいみたいな感じ?
栃尾そう、そう、そう。私だったら、楽しいことはワァーって早口になっちゃうし、ちょっと考えてるときはすごいノロノロ話すわけですけども。
宮田(笑)。
栃尾そういう風になんか、私のテンションがそのまま素人っぽくそのまま伝わる方が。
宮田あぁ、それ面白い。
栃尾私はそういう方を目指した方がいいかなみたいな。
宮田はい、はい。いや、それ、やっぱりそうか。じゃあ、あんまり何て言うんですかね、ここにこうしようって置いてるっていうよりも、そのときのテンションに任せてるみたいな感じなんですか?
栃尾そうですね、まあ、音声については台本とかを別に決めてるわけじゃなくて、その場で話しているので、最初のテーマ出しのときですよね。
宮田はい。
栃尾に、なんか「これなら盛り上がりそうだ」とか、「これだと今までの焼き直しみたいな話題しか出ないかな」みたいなことは結構ちゃんと考えますけど。
宮田ふん、ふん、ふん。
栃尾始まったらまあ、ノリですかね。
宮田(笑)。ライブ感に任すと。
栃尾(笑)。そう、そう、そう。あと、その置き方、「前回はこのテーマでやったから、今回はこういう方でやろう」とか。「最近ちょっと真面目が続いたから、ふざけてやろう」とか。
宮田あぁ、ほう、ほう。
栃尾そういうことは考えますね。
宮田そっか、そっか、はい。
栃尾「難しいテーマが続いたから、もっとべちゃべちゃ喋れるやつにしようか」みたいな。
宮田(笑)なるほど。
栃尾「バカバカしいのが続くとちょっとつまんないから、ちょっとシリアスなの行こうか」みたいな感じですね。そういう置き方はします。
宮田なるほどな。それってウェブの記事とかのときも一緒ですか?
栃尾ウェブの記事はですね、私はあの、そうだな……、文章書くのでウェブでは主に。
宮田はい。
栃尾今月の企画全体を考えるみたいなことは、ほとんどしたことがないですね。
宮田あぁ。
栃尾でも、それをやるとしてもそういう風に考えると思いますね。
宮田うん、うん。
栃尾やっぱり真面目な記事と、ちょっと読み物的なライトな記事と、あとなんか面白おかしいのとか。
宮田うん、うん。
栃尾そういうのを、読者層、まあ、同じ読者だとしても興味関心がちょっとこう……まあ、飽きないようにっていうか、そんな感じですかね。
宮田なるほど。
栃尾それは考えると思います。やっぱメリハリあった方が面白いですよね。
宮田そうですよね。
栃尾それでよく思うのはアレですね、ミュージシャンのアルバム。
宮田おぉ、なるほど、はい。
栃尾なんか、そうそう、ロックミュージシャンとかでもバラードがめちゃめちゃ流行ったりするじゃないですか。
宮田あぁ、はい、はい。
栃尾めちゃくちゃ売れる。
宮田はい。
栃尾私の昔のだから、プリプリ(プリンセス プリンセス)とかなんですけど(笑)。
宮田(笑)。
栃尾だけど、毎回、毎回バラード出してちゃダメですよね。
宮田そうですよね、なるほど、なるほど。
栃尾そう。
宮田あ、面白い。
栃尾普段めちゃくちゃ激しいのをやってるからバラードがめっちゃ売れるっていう。
宮田はい、はい。
栃尾なんかそういうのはよく考えますね(笑)。
宮田それ、面白いですね。その音楽の、CDのそのアルバムの選曲とか、いや、ちょっとあんまり意識したことなかったんですけど。
栃尾あ、ホントですか。
宮田どういう組み合わせでアルバムが1個、こう何て言うんですか、まとめられてるかってちょっと面白そうですね。
栃尾そうです、そうです。あれ、めちゃくちゃ、その緩急っていうとやっぱり音楽ってわかりやすいじゃないですか。
宮田確かに、めっちゃわかりやすい。
栃尾アップテンポだとか、スローだとか。
宮田それ面白い。
栃尾1曲の中でもそうですけど、アルバムの中で、作ってる方はめちゃくちゃ考えてるので。
宮田あぁ、やっぱりそうですよね。
栃尾うん。
宮田あぁ、なるほど。
栃尾それはすごい、確かに、そういう観点でみると、すごい面白いかもしれないですね。
宮田はい。
栃尾最近はね、アルバムっていう考え方が随分なくなってきてはいるようですけれども。
宮田でも、面白い、それ。
栃尾まあ、だからコンサートのセットリストとかもそうなんじゃないですか。
宮田そっか、なるほど。ちょっと僕、音楽に疎すぎて全然着目したことなかったんですけど。
栃尾(笑)あ、そうなんですか。
宮田言われたら、まさにってなりました今。
栃尾はい、全員めっちゃ考えてると思います。
宮田ですよね。
栃尾一人残らず、はい。
宮田やっぱスーパーもめっちゃ緩急大事だと思うんで。
栃尾そうですよね。
宮田さっき言ってたみたいに企画の緩急もそうだし、もうちょっとその売り場の何て言うんですかね、利便性の面での緩急とかも、やっぱり緑のものがずっと続いてたら、それなんかもう景色になっちゃうし。
栃尾(笑)。
宮田でも、言ってその葉物ってカテゴリーで並べたらずっと緑なんで。
栃尾はい。
宮田その中にどうリズムをつけるのかってすごい大事ですもんね。
栃尾あぁ、そうなんですね。私は緑のもので固まってたほうが探しやすいななんて思ってたりしましたけど。
宮田探しやす……そう、なんか話飛び飛びになっちゃうかもしれないんですけど。
栃尾はい。
宮田カテゴリーでまとめるのか、用途でまとめるのか問題みたいなのって、いっぱいあるらしいんですよ。
栃尾あぁ、あるある。さっきみたいに、さっきっていうか前回かな、お鍋コーナーでまとめるかとかそういうことですよね。
宮田あ、はい、まさに。で、だいたいみんなどこに置くか迷うっていうか、何て言うんですかね、パプリカとかを、ピーマンじゃないですか一応、何て言うんですかね、仲間というか、その種類としては。
栃尾はい。
宮田でも、まあ、使うときはサラダが多いから、パプリカをどっちに置いてるかで、そのチーフの考え方がわかるみたいな(笑)。
栃尾(笑)。
宮田ことを言われたりして、「あ、なるほどなぁ」みたいな(笑)。
栃尾確かになぁ。
宮田ピーマンの横にパプリカを置いてたら、バーベキューのときに、ピーマンがバーベキューのところに行ったら、じゃあ、パプリカも一緒に行くのかみたいな(笑)。行かないよね、みたいな。
栃尾うん、うん。
宮田「あぁ、なるほどなぁ」みたいな。なんか面白いなって思って。
栃尾パプリカ問題(笑)。
宮田(笑)。
栃尾そうですね、はい。じゃあ、ちょっとまだまだ続きますけども、ちょっと今回に限ってはお時間なので、ここで。
宮田はい。
栃尾プチっと切りたいと思います(笑)。
宮田(笑)。
栃尾はい、以上、栃尾江美と。
宮田宮田匠でした。
<書き起こし、編集:折田大器>
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