
オリジナリティあふれるイラストを描くいずいず。ふだん、どんなインプットをしているのでしょうか? なんと、YouTubeが多いのだそう。作りこんだものよりも素材そのままっぽいものを取り入れるのがいずいず流です。

クリエイティブの。

反対語。

こんにちは、ストーリーエディターの栃尾江美です。

イラストレーターのいずいずです。

このポッドキャストは私、栃尾江美が好きな人やお話したい人をお呼びして、クリエイティブに関することや哲学的なことを好き勝手に話す番組です。引き続き、いずいず、よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

いずいずの作品っていうかな。

うん。

が結構やっぱ独特なので、「どんなインプットをしているのかな?」っていうのを聞こうかな、と。

うん、本当に普通なんだけど。

普通なの(笑)。

うん。インプット……うーん、テレビはもう最近あんまり観てなくて、仕事しているときはYouTubeを、好きなユーチューバーさんの配信をずっと聞いてたりとか。

仕事中に聞けるんだ。

聞いてる。あんまり良くないらしいけど。

イラストだからいいよね。イラストとかデザイナーさんの人ってさ、聞きながらできるって聞いてさ。

そうか、できないか。

いいなぁって。

あぁ、そっか、そっか。

まあ、言葉を扱うからね、言葉を聞いちゃうとできないねぇ。

そうだね、あぁ。

歌詞がなければ私は大丈夫だけど、あと英語の歌詞とか。歌詞がなくてもダメな人もいるね。

へぇ、面白い。

YouTube聞いてるんだ。ネトフリとかじゃないの?

何?

NetFlixとかじゃないの?

いや、ユーチューバーさんの、なんか面白いユーチューバーさんを探すのが好きで。

うん。

そういうNetFlixとかの、こう作りこんだプロの仕事っていうよりは、ちょっと粗削りでも、リアルな面白い人を観るのが好きっていうのがあるんで(笑)。

へぇ、どういう人が好きなの?

最近だと、「だいじろー」さんっていう発音の人。

英語?

そうそう、英語の……英語の発音。

ふぅん。

でも、すごいの。「ホントああいう人っているんだな」とか思うのが、「イギリス英語とアメリカ英語の違い」とかから始まって。

あぁ。こないださ、Twitterとかで見たかなぁ。「トメイトゥに怒ってる」っていう。

あぁ、そう、そう、そう、そう。

(笑)。それユーチューバーなんだ、あの人。

そう、そう、そう。あの人とか。

うん。

そう、「インド英語はこう」とか、「フィリピン英語はこう」とか。観察力、耳の観察力がすごいんだろうね、ああいう人って。

ふーん。

あとはスピリチュアル(笑)。

あぁ、スピリチュアル。

スピリチュアル大好きなんだよね(笑)。

へぇ。

とか、なんかあのエネルギーがやっぱりすごい。動画とかもあんまり編集されてない方が好き。結構撮りっぱなしみたいなのの方が、その人のよさがわかる感じが。

それさ、長く聞いてられるからなのかな? 仕事中にずっと聞けるとか。

長く聞いてられる? 編集してない方ってこと?

つまりさ、例えば、普通のサラリーマンとか、日中働いている人ってさ、お家に帰って1時間とか2時間とかしかないわけじゃん。コンテンツを楽しむ時間。まあ、スマホで電車の中でも観れたりするかもしれないけどさ、基本的には。だよね?

そうね。

その時間にさ、何を入れるかっていうと結構さ、「雑なやつだと嫌だっていう抵抗感があるかな」って思ったんだけど、関係ない? 時間が少なくても好きかな? 好きは好きかな?

なんか結構素材っぽいものが好きなんだよね。

なるほどね。

だから、食べ物とかも、芋だけとか。

わかるわ。

アボカドだけとか。

あ、それはわかるわ。

塩か醤油だけでいいっていうか。あんまりゴテゴテしたものが……

いや、めっちゃわかる、それ。

あとコンテンツとかも、あんまり手かけたものだと、「これ、裏方にどれだけの人がいるんだろう」とか、「いくらお金かかってるんだろう」とか、もう怖くて観れないっていうか。

ふーん。

だから、ちょっと待って、何でなんだろう……

まあ、でも、素材っぽいものが好きっていうのはわかる。そういう感じだったらわかるな。

うん。

でも、私の場合、例えば、YouTubeを試しに観てみて、つまんなかったときの、時間返して感がやばいから、あんまり今のとこ観れない。いずいずにこの間おすすめしてもらった占いのやつはめっちゃ観たけど(笑)。

(笑)。そう、私、ほら、子育てもしてないし。

(笑)。

すごい、あのね、自分のための時間しかないのよ。

(笑)。多いのか?

そう、だから、「愛の不時着」とか皆観てるやつあるじゃない?

何それ? ドラマ?

「愛の不時着」とか、NetFlixの。

わかんない、NetFlix? ふーん。

NetFlixの韓国ドラマとか。

あぁ、はい、はい。

「これ観たら絶対に面白いんだろうな」って思うんだけど、観れない。時間あるのにね。

あんまりさ、流行ってるやつは観ないの?

観ないね。

あぁ、私もそれはあって、例えば、何だっけ? 「テネット」?

うーん、うん、映画ね。

めっちゃ流行っててさ、でも、全然観たい……流行ってるから観たいみたいなのはないんだよね、皆無っていうか。流行ってて自分も観たいと思ったら、まあ、観たいけど。でも、逆にその流行ってるものを観ないところに独自性が。

それもある、そういう考え方もあると思う。

ね、出るんじゃないか、みたいな。例えば、私だったらさ、ひたすらポッドキャストを聞いてるわけよね。そういうところにこう自分の何かがね、あるんじゃないかって思うからさ。

うん、うん、そう。

っていうのはあるね。

わかる、わかる。

うん。

だから、自分が提供するものの市場調査じゃないけど、その辺りはやっぱりチェックはするって感じじゃない?

ふーん、どの辺? どういうところ?

だから、例えば、私だったら本屋行って、イラストレーターさん、今どんな人が流行ってるんだろうとか、名前もチェックしたりとか、「あ、この人いいな」とか。市場調査じゃないけど。

うん、うん。

「あ、今こういうテンションなんだな」とか。

うん。

そういう意味での情報収集はする……してる。

なるほどね。

うん。

私、文章のそういう調査みたいなのは、今はもう全然しない気がする。

やってる方もいらっしゃるのかな? そういうのって。

ちょっと前は、ウェブライターみたいなのがバンバン来てた頃は、結構読んでたよね、やっぱり。でも、それは市場調査というよりは、やっぱり皆が楽しむように楽しんでいた感じかもしれない。「最近これ来てるな」みたいなのとか。でも、今は何だろうね。でも、その社会情勢じゃないけど、例えば、こう「SDGsっていうのが最近色んな企業で来てるな」みたいなのはさ、何て言うんだろう、時代の流れみたいな、企画出しとかするときに使うから。そういうのは気にするし、ウォッチするかな。あと、文体でいうとね、どっちかっていうと、ライターさんの文章を見るよりは、小説家の文とかの方が肥やしになるって感じがする。だから、そういう方が私は多いかな。最近だから、小説を読み直すみたいなことをやっている気がするけど。あとは私の場合、音声だけどね。なんかそのさ、全然違うところの、例えば、いずいずだったら、ビジュアル系じゃん?

うん、うん。

そういうんじゃないところから何かインスピレーションを受けるみたいなことある?

むしろ、最近意識的にビジュアルの情報収集をするようになって。

あっ。

元々やっぱり本が好きだったから。

うん。

上野千鶴子さんとか。

うん。

ああいう、何て言うんだろう……

エッセイ?

エッセイっていうか、社会学者?

社会学者。

ああいう人の本とか、そっから何て言うか、あの、本屋行くとどっちかっていうと、放っておくとそっちの方に行っちゃう。

え? 社会学っぽい方?

エッセイとか。

あぁ、エッセイとかね。

そう、そう。ああいう、ジェーン・スーさんとか。

はい、はい。

ああいう女性ものの読み物が好きで、よく読んでたんだけど。

うん。

仕事始めてからの方が、そういう、もっと意識的に他のアーティストの絵を観なきゃなっていうところがあって、それは何でかっていうと、例えば、仕事を依頼されたときに、ああいう、ああいう、こう、何て言うか、頭の中で、言葉で、「こういうビジュアルだったら面白いんじゃないか」って思って、言葉で考えたアイデアを絵にすると、全然面白くないものになったりとかするの。

へぇ、それ仕事をして気付いたんだ。

そう、そう、そう。

へぇ。

あんまり面白くないの。

うん(笑)。

言葉で……何て言うんだろう、アイデアだけ、アイデアだけだったら結構面白いものになっているはずなのに。

うん。

絵面にするとつまんない。つまんないっていうか、あんまり効いてなくて。

へぇ。

でも、言葉にすると、逆に、言葉にするとあんまり面白くないんだけど、絵面にすると面白いとか。

うん。

そっちの方がたぶん大事で。

そうだね。

うん、で、そこが「あ、ただの考えオチだったんだな」とかいう感覚が結構身に付いてきて。

へぇ、面白い。

そう、だから、「やっぱり私が扱っているものは絵なんだな」って、当たり前なんだけど。

うん。

うん、私は結構元々異業種にいたから、そこの考えオチみたいなのが何度かあって、今はもう絵で考えるっていうか、そう、なるべくビジュアルだけの方を集中して収集していこうって思ってるかな。

なるほどねぇ。言葉だったら面白いのに。

そう、そう、そう。

私さ、たまにね、挿絵みたいなのを描くことがあるの。

うーん、上手いよね。

あぁ、ありがとう。あぁ、そっか、そっか、たまに。それで、それは完全に絵から出てるね。

あぁ、だから、それなの。それは正しい、正しいと思う。

うん、うん。言葉を絵にするっていうのはほとんどなくて。まあ、それだったら言葉で書くから、私の場合だったらね。だけど、そうじゃない、「あ、これはもう絵にしたい」みたいなのしか描かないからからさ、だから、そうね……

頭にパッてこの絵が浮かぶみたいな感じってことでしょ?

そう、そう。これ言葉で説明するのは非常に野暮だし(笑)。

うん、うん。

まあ、絵にしちゃったらパンッで一目でわかるから。ただ、その絵は説明が必要かもしれないけど。まあ、まあ、でも抽象概念みたいなやつをね、絵にするみたいなことが多い気がするね。だから、私、結構考える、これ結構色んな人に質問してるんだけど、考えるときに、何で考えるか? 言葉で考えるのか、ビジュアルなのか。私はビジュアルにもならないなんか空間なんだけどね(笑)。

えー、理系だからちょっと……

理系だからなのかなぁ?

(笑)。

わかんない。あぁ、でも、そういうのもあるかもしれないね……、うん、あるかもしれないけど。例えばさ、元々物理がすごく好きだったんだけどね、物理ってさ重力とかって目に見えないじゃない?

うん(笑)。

だけど、概念としては絶対にあるわけだよね、頭の中に。

うん、うん(笑)。

たぶん、ああいうのに近いかもしれないね。

いや、もう物理が好きとかちょっと相容れないわ、私。

(笑)。

ホントに(笑)。

相容れないって(笑)。え、物理面白いよね、面白い、面白い。

あぁ、そう……、いやぁ……

うん。え、いずいずはどっちなの? だから元々言葉で考えてたけど、ビジュアルで……

私、言葉かな。うん。

へぇ。

言葉、長いのはちょっと苦手だけど、なんかわりとスパンッていうコピーとか考えるのは好き。

うん、うん。

キャッチーなものとか。

うん、うん。

うん、そうだね……、絵、意外と絵じゃないかもしれない。

へぇ、頭の中で考えるとき?

そうだね。

じゃあさ、インプットするときはさ、文字があった方がいいの?

うん、そうね。

テレビとかもテロップが入ってた方がいいみたいな。

あぁ、うん、そうかも。

ふーん、ラジオとかだとあんまり聞かない? 聞きづらい?

うーん、でも、やっぱり……ほら、最近YouTubeとかでラジオ流してる人とかっているじゃない?

うん、うん。

ああいうのよりも、やっぱりその人が、別に観てなくても……その人がやっぱり動いて、顔の表情とかああいうものがあった方がやっぱり臨場感があっていいよね。

あ、そうなんだね。ふーん、面白い。ふーん、なるほどね。でも、あれだね、まあ、もうそろそろ時間なんだけどもさ。

はい。

言葉で考えたのを絵にしてもイマイチで、最初から絵で考えるっていうのはすごく、新しい……新しい発見っていうか、大事なことなのかもしれないね。

うん、たぶん、そういう人……私、意外ととっちーは言葉から考えてるんじゃないのかなと思ってたから意外だったんだけど。

へぇ。

そう、何て言うの、絵描いてない人が、「あ、こういうのを絵にしたら面白いかもしれない」っていうのを考えたときに、絵にしてみたらつまんなかったって、結構あるあるじゃないかなって今思ったんだけど。

そうなんだ。

そう。

へぇ。

だから逆に絵だけでつまんないって思ってても、面白いっていうこともあるから、「あ、絵って面白いな」って。

そうだね、うん、面白い。

うん。

じゃあ、こんなところで今日は終わりにしたいと思います。

(笑)。

えっと、5回、全5回ね、いずいずにお付き合いいただいてどうもありがとうございました。

ありがとうございました。

はい、じゃあ、以上、栃尾江美と。

イラストレーターのいずいずです……でした。
<書き起こし、編集:折田大器>

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