独特なタッチで、指名仕事も増えてきたイラストレーターのいずいず。どうやってそのタッチが確立したのか聞いてみました! また、普段のイラストの描き方なども。いずいずのイラスト講座、参加したいな~。
クリエイティブの。
反対語。
こんにちは、ストーリーエディターの栃尾江美です。
イラストレーターのいずいずです。
このポッドキャストは私、栃尾江美が好きな人やお話したい人をお呼びして、クリエイティブに関することや哲学的なことを好き勝手に話す番組です。引き続き、いずいず、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
いずいずと言えば、タッチがね、すごく魅力的、味があるっていうのかなぁ?
へへ、うれしい。
そういう印象なんだけれども。
はい。
なんかさ、全然違うタッチってあんまり見たことなくて、いずいずと言えば「ああいう感じ」っていう印象なんだよね。
うん、うん。
でも、さっき聞いてたら色んなものも描いてたっぽい話だったからさ。
あぁ。
その自分のタッチみたいなのってさ、どうやって決めるの?
広告のときとかは、「こういうタッチで」っていうのが……
うん。
なんて言うのかな、「他のイラストレーターさんが描いたやつに寄せていく」みたいな感じだけど。
うん。
まあ、「寄せていく」って言っても限度があるから、なんか「ちょっとシンプルっぽいのが好きなんだな」っていうときには、線を少な目にしたりとかするし。
うん。
ちょっと幅は持ってるよね。幅というか……
私たち(ライター)が文体がいろいろあるみたいな感じだよね。
そう、そう。幅はあるけど、でも、手描きの線で、好きな作家さんのテイストがミックスされたものなんだなって思ってる。今の自分の絵は。
それはさ、勝手にそうなったの? それとも「こういうので行くぞ」って考えるんじゃないの?
あんまりそういうのって考えても、基本自分が楽にというか、描けるのが今の状態っていう感じよね。
特に、「この線で行くぞ」って、「スタイルで行くぞ」って決めたわけじゃなくて、勝手にそうなってたんだ。
うん。
へぇ。もともとさ、昔から絵が好きだったっていうのはさ、ああいう、イラストって感じのを描いてたの?
うん。子供のときから絵本とかはやっぱり好きで、バーバパパとか、なんかソニプラっぽいものが好きだった。
はい、はい。
ちょっと外国っぽいっていうか、サンダーバニー?、あのパラッパラッパーの人とか。
うん、パラッパラッパーめっちゃ好きだった。
うん、とか。あと漫画も、やっぱり好きな漫画家さんとか、イラストレーターさんのを見てたのを小さい頃から真似とかしてて、全部そういうもののミックス。あとイラストレーターだと、宇野亜喜良(あきら)さんとか、和田誠さんとかも好きだったし、もう全部そいうのが遺伝子みたいになって今の絵になってるんだなって、そんなこと分析はしないけど。
うん。
でも、思うから、「自分のモノであって自分のモノでない」っていう感じはするよね、なんか。
コルクラボって漫画家さんが結構多いじゃない? だからさ、人の顔っていうかさ、漫画って結構顔が大事みたいなさ。
うん、うん。
顔描いてみたいな感じだけど、そういう道は通らなかったんだ。
漫画がね、そんなに……漫画好きだったけど……漫画も描いてた、描いてたんだけど、なぜか漫画家になりたいって思ってなかった。
へぇ。
雑誌が好きだったんだよね、やっぱり。
はい、はい。洋物の、なんかそういうちょっとオシャレな。
そう、そう。
イラストが。
そう、年頃になると漫画よりも雑誌のほうが好きだったから、よく女性誌とかってお化粧のやり方とかでイラストとかで描いてたりするじゃないですか?
する、する。
ああいうのとか真似してたよ。
へぇ。じゃあ、女の子を描くにしても。
うん、うん。
あくまで漫画じゃなくて、イラストなんだね。
そう、そう、そう。
へぇ、なるほどね。私もさ、漫画のさ、講座とかあったんだけど、コルクラボで。
うん。
こっしーがやってくれてたやつ。
うん、うん。
でもさ、「やっぱり私、イラスト描きたいです」みたいな感じだったんだよね。
あ、そうなのね。とっちーもそうなのね。
そう、そう。私もだから「漫画よりもイラスト描きたいです」って感じで。でも、一応ストーリーも考えるからさ、1コマ漫画みたいな。コマ割りっていうよりは、1コマでちょっとだけ時間軸がある漫画みたいな、あ、漫画じゃない、イラストみたいな感じの方がずっとやりたいと思ってて。
なるほど、なるほど。
そう、そう。ああいう感じは描けるは描けるの? それとも全然描いてみたこともないって感じなの?
少女漫画みたいなのってこと?
少女漫画みたいな、そう、そう。
いくえみ綾さんってわかる?
あ、わかる、わかる。なんだっけ、有名なやつ?
あの方の絵とかは結構好きで。
へぇ。
ただ、少女漫画っぽいって言われるかっていうとわりともうちょっと、何て言うんだろう、人間ぽい感じっていうか。
確かにね、わかる、わかる。
わかる? そう。
何だろうな……
浦沢直樹とかは好き。
はい、はい。目が大きすぎるとかじゃないっていう感じなのかな?
そう、そう。もうちょっとなんて言うのか2次元っていうか、漫画っぽいのが……、絵があんまり好きじゃないと漫画も読めないっていうのが結構あったりとかして。
うん、うん。
そう、そう、でも、漫画家さんはすごいよね、ちょっと本当に、全部、全部やらないといけないからすごいなって思うけど。
そうだね、角度も、体もね。
そう、そう。あと、飽きっぽいっていうか、長いのが読めないから、一瞬でとか、ワンビジュアルでバァッて入ってくるものとかも結構好きなんだよね。ちょっとせっかちなところもある。
ふーん。漫画で?
だから漫画が読めないから。
はい、はい。
こういうとこまで、魅せるものっていうものに惹かれるっていうのもある。
うん。今さ、noteとかのさ、見出しの画像とか描いてるでしょ?
そう、そう、はい。
コテンラジオの。コテンラジオさ、私のまわりでも聴いてる人めっちゃいてさ。
あぁ、ね、あれ、すごいですよね。
コルクラボ以外でも(聴いている人が多い)ね。(コテンラジオの)深井さんの扉を描いてるんだよね、いずいずは。
そうなの。
それのさ、イラストはさ、どんな風に決めるの? 考えてるの?
あれは、まずトップ画像だから、なるたけパッと目を引くものっていうのは意識していて。
はい。
いま、ビジネスインサイダーの佐藤優先生のコラムの挿絵もやらせてもらってるんだけど。
うん。
それは挿絵だから、中に入って、中面っていうか、トップ画像ではないのよね。
トップ画像も描いてなかったっけ?
そう、そう、トップ画像もあるんだけど、それは。
毎回一緒だっけ?
8パターンぐらいあって、それを回していくっていう感じなのね。
うん、うん。
で、その毎週描いている挿絵っていうのは、中面、スクロールして中に入っているやつだから、わりと色はシンプルに、もうブルーとオレンジっていうので決めてて。
ふーん。
ただ、コテンの深井さんの方は、トップ画像だから、ちょっと色とかで引きがあるように見せるっていう、ちょっと引き付けることを意識してるっていうのと、あとはなるたけ内容を軽やかに描く。なんかまあ、ちょっと歴史とかを「硬いな」とか「とっつきにくいな」って思ってるかもしれないけど。
うん。
深井さんのって、すごくなんか理論っていうか、話って、かなりキャッチーだし、それを、それが伝わるように咀嚼して描いてるっていう感じかな。
なんかさ、クスって笑える感じじゃない? いつも。
(笑)ありがとうございます。
それってさ、難しいんじゃないかなって思うんだよね。
うーん。
スベっちゃう怖さとかもある。
うん、ある、ある。
ある?(笑) どうしてるの?
それはめっちゃあるよ。
(笑)めっちゃある? どうしてんの? ラフとか出すの?
寒いとか。
寒い。
いや、あれは本当に自由にやらせていただいていて。
うん、うん。一発なんだ。
そう、そう、最初は、「どうだろう?」とか思って、なんかダメ出しっていうか来たら怖いと思って最初はちょっと硬かったんだけど。
(笑)。
「どの辺まで行けるんだろう? 飛べるんだろう?」とか思って、探り探りやってたら、結構……
いける、と。
「ここまで飛べるの?」みたいな。
(笑)。
でも、何て言うんだろう、こう不謹慎……、結構その、歴史とかナイーブなところもあったり、宗教の話とか、そういう、結構、ナイーブなゾーンとかあるじゃないですか?
うん、うん。
その辺りとかは、結構ちゃんと考えていて。
うん。
ギリギリ不謹慎にならないぐらいまでのところを攻めていくっていうのが結構楽しいかな。
へぇ。その、ちょっと、ごめんさっき遮っちゃったけど、スベるかもみたいなのはどうやって乗り越えんの?
え、「スベってるな」って思うときもあるし、でも、それは、あれよ、やっぱり、他の人をちゃんと見てる。他の方が描いたものとか、制作物というか、作品とか、漫画もそうだし。
うん。
それで、「あ、これ使えるな」とか。そういうのはちゃんと。
へぇ。「ここまでOKなのか」みたいな。「これなら面白いんだ」みたいな?
そう、そう。「このテンションっていうか、この外し具合使えるな」とか。そこの感覚は、何て言うか、掴むのがうまいかもね。
うん、うん。
他の人のを見て、真似るというか、学ぶというか。
なるほどね。だから、それをわりと自分のにすぐ取り入れられるっていう感じなんだ。
うん、うん。夜中とかに描いてて、次の日に見て、もうゾッとすることとかもあるよ。
(笑)やっぱりあるんだ。
ある、ある。
やり過ぎちゃう?
やっぱりちょっと寝かしたい。
あぁ、うん。冷静になってみるとわかるもんね。
そう、そう。もう熱くなってるから、描いてるときは。
どうやって描いてるの? iPadとかで描いてるの?
全部もうiPadです。
へぇ。
紙にプリントされるときはちょっとこう手を加えたりするかもしれないけど。
パソコンで?
うん。デジタルで、ウェブの仕事が多いから、そうするともう全然見え方が一緒だから。
iPadとペンで描いてるの?
そう、iPadとそう、何だっけ?
アップルペンシルだっけ?
そう、そう。描いてます。
その前は手描きだったの?
手描きだった。
手描きして、スキャンして?
うん、そう。
ふーん。いつ頃からiPadにしたの?
だから仕事始めてから。
じゃあ、3年?
3年前、うん。いや、もうiPadで飛躍的に、何て言うか、上達したっていうか。
うん。
やっぱり色もすぐ変えられるし。紙だとまたスキャンしてどうこうしてっていうのも手間だったりとかして、もう描く量が断然違うから、私iPadがなかったらたぶんできてなかったなって思うよ。
あ、そうなんだ。
うん。iPad。だから、イラストレーターになりたいっていう人がいたら、「iPad買いなさい」って言う。
(笑)。大きいやつがいいの?
大きいやつがいいと思うけど、でも、小さいやつでもいいよ。私、これ2台目なんだけど、1台目は小さいやつで、すごく小回りも効いたし、外で作業するときとかも楽なんだけど。
うん。
今、2台目で、大きいのに買い替えたけど、やっぱり大きいのもいいよ。
大きいのものいいのね。
うん、大きいのもいいよ。
そっか、アップルペンシルをさ、私使えるやつを買ったことがなくてさ。古いiPadしか持ってないから。
うん、うん。iPad Proじゃないってことでしょ?
Proじゃない。もっと前のやつ、小さいのしかないないからさ。
いやぁ、買った方がいいよ、とっちー。
いずいずさ、イラストのさ、講座やってくれるって言ってたじゃん。
(笑)。そうだね。
あれやってもらわないと。
たぶん、私、気負い過ぎなんだと思います。
あぁ、わかる、わかる。
サッとやればいいんだよね。
わかる、わかる。私もライター講座やるって言って、全然やってないもん(笑)。
(笑)。
最初はね、テストみたいなのをやればいいだよね。
そう、そう。そうだよね、やろう、やろう。
やろう、やろう。ということで、じゃあ、いずいずにイラストを今度教えてもらおう。
(笑)。
という感じで今日はいずいずのイラストの秘密をお伺いしました。じゃあ、以上、栃尾江美と。
いずいずでした。
<書き起こし、編集:折田大器>