「コルクラボ」というコミュニティで知り合い、最近ノリに乗っているいずいずに来ていただきました! オリジナリティあふれるタッチが魅力的で、一コマ漫画のような視点にクスっと笑ってしまいます。今回は、まずはいずいずの紹介から!
クリエイティブの。
反対語。
こんにちは、ストーリーエディターの栃尾江美です。このポッドキャストは私、栃尾江美が好きな人やお話したい人をお呼びして、クリエイティブに関することや哲学的なことを好き勝手に話す番組です。今日は、女性ですね、いずいずに来てもらってます。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
(笑)簡単に自己紹介、苦手だって言ってたけど、お願いしていいですか?
イラストレーターをやってます。いずいずと申します。えー、今年で3年目なので。
あっ、デビュー3年目。
はい、駆け出しなんですけど、徐々に……
来てるよね。
はい(笑)。粛々と、粛々と描いてます、楽しく。
(笑)ブレーク……ブレーク直前ぐらいな感じなのかな? ブレークしてるのかな?
前夜って感じで。
前夜って感じで(笑)。なんかその、いずいずはとてもタッチが独特な、1回見たら忘れないみたいなタッチのね、イラストだなと思っているんだけど。
うーん、うれしい。
まず、そのイラストレーターさんになった経緯みたいなものから教えてもらおうかしら?
私は美大とかは出ていなくて、ただ、元々小さい頃から絵は好きで、「そういう仕事をしたいな」とは思っていたのだけど。
うん。
何て言うんだろう、それで美大出てどうやって食べていくんだろうっていうのが。やっぱり、会社に勤めるっていうことが普通の働き方だと思ってたから。
うん。
普通の大学を出た後に、一応、出版社の料理書の編集者をやってました。4年間。
おう、料理書。
新卒で入って、それで転職して5年間は広告制作会社で進行管理。
ふーん。
スケジュール組んだりとか、見積もりをお客さんのところに出したりとか、そういう仕事をしていて、合ってないなとは思ってたんだよね、編集の仕事とか、そういうったのが(笑)。
あぁ、そうなんだ。
旗振り役っていうか。
はい、はい。
で、出版社に勤めているとデザイナーとか、カメラマンとかフリーランスで働いている人たちとたくさん触れ合うじゃない。
うん。
で、そこで「あ、やっぱり私、絵描きたい」っていう、「インディペンデントで絵描く仕事をしたいな」っていう風に、こうジワジワと夢が湧いて、温めていて、ずっと。
うん。
で、その時結婚して10年目で、結婚してたので、夫にも相談して「私こういう仕事したいんで会社辞めます」って言って、今に至るっていう感じですね。
ふーん。じゃあ、そのイラストレーターは、じゃあ、大学に進学する前から「イラストやりたいな」って思ってたってこと?
思ってた、うん。
うん、うん。でも、美大行っても就職できないしな、みたいな?
そう、そう。やっぱり知識がなかったから、そういう。親も普通のサラリーマンだったし。
はい、はい。
なんか……
どういうツテでね、行くのかみたいな。
そう、そう。デザイナーっていう仕事があることも知らなかった。
あぁ、わかるわ。私、広告代理店知らなかったもん。
あ、そう、そう。だから知らないんだよね、周りにそういう大人がいないから。
うん。
だから、今だったら「そんなことないよ」って、「絵が好きだったらこういう仕事もあるし」って言えるのに、なかったんだよね、情報が。
なるほどね、じゃあ、広告の会社にいて、「あ、イラスト描いてる人いっぱいいるじゃん」って感じ?
そう。うんと、出版社に勤めていたときに、元々そのデザイナー? エディトリアル系のデザイナーの方とか、スタイリストさんって言って、食器持ってきたりとか、こうなんて言うかな……
小物系?
そう、小物、そう、そう、小物の人とか。
はい、はい、いるね。
あとカメラマンとかの人が、フリーランスで働いているのを見て、大変そうだけど、すごく自由で、「ああいう働き方って頑張れそうだな」っていう感じがしてたんだよね。
ふーん。
最初はそこかな、なんかびっくりしたっていうか。「あ、こんな働き方あるんだ」っていうか。
うん、うん、確かにね。私もさ、出版社で、雑誌の記事を書いてたときとかって、撮影とかにいくとさ、やっぱりメイクさんとか、スタイリストさんとか、すごいオシャレな格好をしてさ。
うん、うん。
その時、それしかやんないっていうのか、何ていうのかな、専門性が高いっていうのかな?
そう、そう、職人っていうか、うん、そう、そう。
そのときだけ会って、撮影の間、べちゃべちゃ喋ってみたいな(笑)。
そう、そう。
感じで楽しそうだなっていう印象だった、確かにね。
うん、うん。
へぇ、それで独立して、そのあとは、じゃあ、でも、すぐにイラストレーターとしてやっていこうみたいな感じだったの?
いや、だから会社を辞めて、こう毎日出勤する生活みたいなのから、急に宙ぶらりんな生活になっちゃったわけで。
うん、うん。
「あ、これだと急に生活が乱れそうだな」と思ったから、日本料理の店で、着物着て運ぶ人を2年間パートでやってたんだよね。
へぇ、ウェイトレスじゃなくて何て言うんだろうね?
何て言うか仲居さんっていうか。
あぁ。パートで?
そう、パートで。夜の部だから、17時から23時ぐらいまでだった、まあ、家の近所だったんだけど。
うん、うん。
やってたら、すごい楽しくて、それが(笑)。
漫画でね、よく4コマで、ツイッターに流れてくるけど。
(笑)そう、そう、ツイッター漫画でアップして、書いてたんだけど。
うん、うん。
すごい、それまで飲食も未経験だったし、接待とかで使うお店だったから、そういう会社のおじさま達、上層部のおじさま達ってこういう会話をしてんだとか。もう何て言うのかな、毎日遊園地みたいな感じで。
(笑)知らない世界だ。
そう、そう。
へぇ。
楽しくなっちゃって、2年間全然絵を描いてなかったの。
あ、すごいねぇ(笑)。
(笑)。
すごいね。
そう、ね、すごいどっぷり飲食にハマっちゃってて、ふっと気づいたとき、「あ、私はこんな、料理を運ぶために会社を辞めたんじゃない」とか思って。
長くない? 2年って。
そう、長いんだけど、やっぱりなんか2年ぐらいでちょっと飽きはじめるんだよね。
あぁ。
「もうわかった」みたいな。
はい、はい。
「もうこの世界わかった」みたいな感じで。
それで思い出したんだ。
そう、思い出して、「もう辞めよう」と辞めて。
うん、うん。
そこから1年は、だから絵もそもそも全然描いてなかったから、ババババって描いて、で、出版社とか広告会社にポートフォリオって言って、作品を送るんですけど、もう超正攻法の昔ながらの営業方法なんだけど。
うん。
それやったけど、全然ものにならず。
メールで送るの?
ううん、違う、いや、だからねぇ。
郵送だよね。
そう、郵送だからねぇ、もう今ちょっとそういうやり方じゃない。
うん。
あれね、結構来られても困る。(受け取る側に)いたからわかるんだけど、ああいう生の作品ファイルって「これ、どこに仕舞うんだよ」みたいな。
(笑)。
ちょっと今さペーパーレスな時代じゃない?
うん、うん。
だから、結構そもそもなんだけど、でも、わりと正攻法からやってみて。
うん。
あとは、昔の古巣の職場の人たちに、「私、今、絵を描いてるんで、もしよかったら見てください」みたいな感じで、知り合いから攻めるみたいなところをやってて、そこから「あぁ、そうなの、じゃあ、頑張ってね、ちょっとこういうの描いてみる」みたいな感じで。
来るように?
知り合いの方からお仕事もらったりとか。
へぇ。雑誌とか?
いや、広告だった、最初は。広告のパッケージのイラストだったかな。
え、そうなんだ、すごいね。店頭に並ぶってこと?
並ぶけど、でも、あれよ。素材というか、後ろの小麦と、小麦粉と卵と、お菓子のパッケージの背景に入るような。
うん。
なんかそういう素材のだったりとかして。
ふーん。
でも、なんかそういう応援というか、「あ、頑張ってるんだね」っていう感じで、声かけてくれたりとか。
ふーん、そういうところから。
あと、ランサーズってあるじゃないですか。
あるね。
あれとか、やってた。
へぇ、安いでしょ?
安いんだけど、結局実績もないし、何て言うんだろう、そういう専門の学校とか出てるわけでもないから。専門の学校っていうかね、一応ちょっとしたスクールみたいなのには行ってたんだけど。
うん。
だから、そういうところで、お金っていうよりは、自信をつけていくというか。
はい、はい、なるほどね。
「イラストの需要ってこういうところにあるんだな」みたいなところで、お金云々っていうよりは、本当に実績がないんだったら、ああいうランサーズとかで、信用とか自分への信頼を重ねていくっていうのは、私は一つあるなって思う。
なるほどね、経験を積んで。
そう、そう。
実績も積んで。
そう、そう。
で、こんなことやってましたっていうのを次のポートフォリオみたいなのに出せるようになるわけ?
そう、そう。だからね、出したくないやつも結構あったりとかもするし(笑)。
そうだよね、わかるよ。
だから出せるか出せないかっていうよりは……
いうよりは、自分のためだ。
そう、とかあと1回お仕事すると、その人から「この人、信用できるな」みたいな感じで、次からは直接声かけてきてくださったりもするし。
うん。
だから1年目はもう本当、なんかバタバタしてた。バタバタ。でも、いろいろやった。
じゃあ、もう値段関わらず色々やってたの?
そう、そう。もう必要とあればって感じで。
うん。
「どうしよう、できないかも」っていうのでも、「やります」って言ってた。
それがなんかさ、「ちゃんとお金もらえてるな」って思えるようになるのどれぐらいかかるの?
まあ、1年目も仕事としてもらったものはお金もらってたけど。
ランサーズぐらいか、安いのって。
そうだね、うん、そう。
他のはちゃんと正当な料金でって感じ?
うん、うん、そうだね。
最近はランサーズも色々あるみたいだね。
ランサーズはやってないけど、うん、そう。
いくら以上じゃないとみたいなシステムがあってね。
1年目は、あと個展をやったりとかして。
あ、そうだよね。
本当に、自信がなかったから、歳も結構行ってるし、とにかく1年目は手を出せるところは出したっていう感じなんだけど、「なんかこのまんまじゃ広がらないな」とか。あとは、フリーランスの友達が欲しかったんだよね。
はい、はい。
相談とかできる。
いなかったんだ。
周りはサラリーマンの人たちだったから。
うん。
で、「なんかな」って思って。「あ、今、オンラインサロンってのがあるのか」って思って。
おぉ。
そこで、いろいろあるじゃない? オンラインって言っても。
うん、いろいろある。
ビジネス寄りなのはちょっと嫌だったんだよね。
うん、わかる、わかる。
なんだろう。
いかつい感じがね。
そう、お金っていう感じじゃない、もちろん、「仕事のヒントが得られればいいな」とは思ってたんだけど、ビジネスじゃなくて、で、佐渡島さんのコルクラボが見つかって、「あ、ここだったらいいかも」みたいな。
うん。
もう感覚?
へぇ。
で、入って、そこからちょっとグッてきたっていう感じね。
はい、はい。
皆さん。
コルクラボの中だと、イラストレーターの人あんまりいないし。
そう、そう。
意外とね。で、何かあったら「いずいずお願いできる?」って感じだよね。
そう、だから、ちょっとやっぱりズラしたのがよかったなって思って。
え? ズラし……
別にそういうつもりはなかったんだけど、なんかほら、デザイナーの方たちのオンラインサロンとかもあるじゃない?
あ、ある、ある。
あそこだと、皆さん絵が描けるから、そんなにイラストの需要ってないっていうか、皆描けるからね。
目立たないよね。
そう、そう。だけど、絵がそこそこ必要だけど、そんなに描ける人がいなかったみたいなところが、結構重宝されたみたいな。
うん、うん。
必要だけどあんまりできる人がいなかったから、とか、そういうなんて言うか、本当に需要と供給っていうか、なんか……
そうだよね。実際今、コルクラボでデザイナーみたいな人もすごい少ないからさ、結構できる人に集まりがちだよね。
そうだね、そうだね。
私もライターの集まりみたいなやつに入るか、全然関係ないコルクラボに入るかってちょっと考えた気がする。入る前に。
うん。
で、コルクラボ入ったときはライターさん、あんまりいなかったんだけど、今は、めっちゃいるからさ(笑)。
そうだよね。
あんまりそこではライターっていうことはさ、あんまり価値がないみたいな気がする(笑)。
(笑)。
するんだけど、違うところに行くっていうのはいいよね。レアだから。
そう、それをブルーオーシャンというのかはあれだけど、そういうちょっとズラすというのは、結果的としてなんだけど、「あ、よかったのかもしれないな」って、「あり」って思ったよ。
そうだね、うん。じゃあ、ちょっとね、そろそろお時間なので今回はここまでにして、また、いずいずの秘密をね。
(笑)。
また次回以降うかがっていきたいと思います。はい、じゃあ、栃尾江美と。
いずいずでした。
<書き起こし、編集:折田大器>