【読むPodcast】#174 孤独と孤立について(ゲスト:宮田匠さん)

今回も、宮田匠さんがゲスト。宮田さんと話していると、いろいろな発想が自分の引き出しから浮かんでくるような気がします。それにとても優しくて受容の方ですよね……。今回は、宮田さんと私が考える「孤独」と「孤立」について話しています!

栃尾

クリエイティブの。

宮田

反対語。

栃尾

(笑)。こんにちは。ストーリーエディターの栃尾江美です。

宮田

(笑)。「ひらめきEX」編集長の宮田匠です。

栃尾

なんか(声が)高くないですか?(笑)。このポッドキャストは、私、栃尾江美が、好きな人やお話したい人をゲストにお迎えして、クリエイティブに関することや哲学的なことを好き勝手に話す番組です。笑ってますけど?(笑)。

宮田

すみません、声が。

栃尾

(笑)。声がね、高くなっちゃって(笑)。そんな声に似あわずヘビーなテーマですけど、今回は「孤独と孤立」について話したいと。まずは違い、認識の違いから話しますか?

宮田

はい、そうですね。

栃尾

まず、なんでこれをテーマにしたいと思われたんですかね?

宮田

たまたま、この直近ですね、「孤独って感じることある?」とか「孤独とどう向き合ってるの?」とかを結構聞かれたんですね。僕も特に意識してこなかったので、そこで色々と話をしながら、「ああなんじゃない?こうなんじゃない?」という話をしていて、ちょっとここでも聞いてみたいなと思って挙げた感じですね。

栃尾

宮田さん自身は孤独と向き合っているんですか?

宮田

孤独と向き合っ……、なんて言うんですかね、あんまりネガティブなイメージもなくて、孤独という言葉に対して、僕自身は。僕の場合なんですけど、放っておくと色んな人とゆるやかに繋がっていってしまうというのもあるんですよ。それがいいのか悪いのかわからないんですけど。

栃尾

羨ましいその感覚。

宮田

本当ですか。例えば、何か他の人のツイートを見たりとか、あとはちょっとお茶してみたりとか、なんか放っておくと人の意見を聞いていたりするんですよ、僕。無意識にパァーって色んな人の本を読んだりとかなっちゃうんですけど、自分はどう思うかっていうのを考えようと思ったら、ある程度一人の時間を作って、一人の時間も物理的に一人になるだけじゃなくて、情報を断つみたいなのが。

栃尾

断ち切るの「断つ」?

宮田

はい、(情報を断つ)時間をすごく大事だなと思っていて、そういう意味の孤独とは意図的に向き合おうとしてるのはありますね。

栃尾

うん、そういう意味か。孤独にネガティブな感覚がないのは、「放っておくと繋がる」という安心感でしょうね。私「放っておくと孤独になる」と思っているので、必死に孤独にならないように繋がりを作ったり求めたりしています。20代がすごく孤独と戦っていたイメージがあって、私、すごく辛かったんで。

宮田

孤独と戦ってる感じってどういう感じなんですか?質問として遠すぎますかね?

栃尾

孤独、私が言っているのは孤立っていう意味の孤独なのかもしれないんですけど、誰とも繋がっていない感覚なんでしょうね。その時はツイッターもないし、メールとかでやりとりなのかなぁ、友達とかとは。でも、寂しいときに「ご飯行こう」とかあんまり言えないタイプだったんです。だから、寂しいのに余計人としゃべれないとか、恋人がいれば割と気軽に「どっか出かけよう」とか言えるけど、「何も言わなくても毎週会うよね」とかそんな感じになるけど、恋人がいないときだと、すごく頑張らないと誰も誘えないみたいな感じで、誰にも必要とされないし、誰とも繋がってないみたいな感覚ですね。

宮田

誰にも必要とされないっていうのは大きいかもしれないですね、感覚として?

栃尾

そうですね、でもたぶん、繋がっていない方が大きくて、例えば必要とされていなくても、たぶんご飯に行ければ割と和らぐとか、喋れば和らぐんですけど、私から誘ったとしても。でも、誘えないという感じでした。

宮田

その和らぐって言うのは、何が? 孤独感がってことですか? 寂しさ?

栃尾

そうですね、孤独感、寂しさ、一緒かも。一緒っていうかほぼ近いかもしれないですけど、だから「繋がりがない」というのと、繋がりがない気がする、本当はありますよ、あるんですけど、「私は繋がりがないと思い込んでしまっている」という状態が非常に辛い孤独ですね、私にとって。

宮田

なるほど。

栃尾

でも、じっとしてて放っておいたら繋がると思ってたら、すごく安心かも。

宮田

それでいくと、僕は、広く浅い関係しか持ててなかった時期というのがあって、深い関係がなかったみたいな。

栃尾

いつ頃ですか?

宮田

20代前半とかですかね。だから、放っておくと広く浅い所に居ちゃうというか。それで、深い親友がいるとかその状態に憧れみたいなのがあったかもしれないですね。

栃尾

広く浅くのときには、孤独感はないんですか?

宮田

たぶん、そこで感じていたんでしょうね。

栃尾

感じていた?

宮田

一緒に、物理的には同じ空間にいるし、例えば何かグループに所属してはいるけれども、なんか……

栃尾

薄っぺらいっていうか、表面的っていうか。

宮田

はい、それはあったんでしょうね、僕の場合。だから、どっちかというと、繋がりっていうのが、繋がりを深めて行きたかったというのはあるかもしれないですね。だからあまり接続する数じゃなくて、絞って、そこで何かを深めていくっていうところには悩んだかもしれないです、僕も。

栃尾

なるほど、それは孤独とはそんなに自分の中では直結してなかったということなんですかね?

宮田

そうですね、はい。

栃尾

なるほどね。それで今は、そういう深い関係の人が何人かいてということですか?

宮田

そうですね。

栃尾

あぁ、なるほどね。「今思うと孤独感だったんじゃないかな」と思う感じですか?

宮田

そうですね。なんでしょうね、ただ繋がっているだけでしかないという状況にずっといたので、それは孤独だったなって。今思えば。

栃尾

あら、へぇ。具体的にどうやって仲を深めていったんですか、特定の人と?

宮田

まず何かを一緒にしようとか、何かを一緒に作るとか、どっか一緒に行ってみるってことをほとんどしてこなかったので。

栃尾

へぇ、人と?

宮田

一対一とか。

栃尾

はしてなかった?

宮田

はい。

栃尾

あぁ、グループでバーベキューみたいなのはあったけどみたいな。

宮田

そうですね。一対一とか、二人ですかね。二人ぐらいの時間を意図的にちゃんと作って知ろうとし始めたのかもしれないですね、相手のことを。

栃尾

どこに行くんですか? 飲みに行ったり?

宮田

飲みに行ったりもそうですし、僕、大阪住んでいるんで、陶芸行ってみようよとか。

栃尾

陶芸?

宮田

京都の陶芸行ってみようだとか。何かしら一緒に、何かを一緒にする時間を取り始めてから、ちゃんと繋がっている感というか、ちゃんとわかり合って繋がっている感というか、そういうのを作って行けるようになっているのはあるかもですね。

栃尾

ふーん、それは男女問わずって感じですか?

宮田

はい、男女問わず。一緒に山を登るとかは大きいなと、今思えば。あんまりそういうのをしてこなかったんで。二人で山に登るとかたまにあるんですけど、大きいですね。

栃尾

そうしようと思った「きっかけ」があるんですか?

宮田

きっかけは、何て言うんでしょうね。結婚していく人もいれば、自分も仕事ではある程度一緒に何か深い話ができるけど、プライベートであんまり深い話をすることってないなとか思ったり、ただ広い、この膨張していくだけの繋がりに、何の意味があるのかと、ふと思った瞬間がたぶんあったんだと思いますね。それがちょっときっかけは……。

栃尾

きっかけは思い出せないけど、ふと思ったと。

宮田

思い始めたと。

栃尾

なるほどねぇ。でも、私も自分から誰かをご飯に誘うみたいなこと、しかも一対一で、とくに口実なくご飯に誘うみたいなのができるようになったのが、うーん、4、5年前ですかね。

宮田

結構最近なんですね。

栃尾

すごい最近ですよね。

宮田

それは努力してそうなったんですか?

栃尾

そうそう、なんだったのかな? 人とコミュニケーションが取りたいんだなというのを、ママ向けのワークショップみたいな、ワークみたいなやつで出てきたんですよね。その言葉が出てきたんです。「人と仲良くなりたいんだ」みたいな。それまでは、嫌われたっていいし、別に私媚びるのが嫌だとかって思ってたし、「仲良くなる人とは自然になれるでしょ」みたいな、ちょっと嫌なヤツって感じだから。

宮田

孤高な感じですか?

栃尾

孤高な感じだったんですかね? 誘われたら行くけど、自分から誘うとかはできないし、やろうとも思わなくて。でもそれで人と仲良くなりたかったんだって、ワーって気づいて、それで「コミュニケーションに本気出すぞ」って思ったんですよね。本気出せばできると思ったから。それでやるようになった気がします。

宮田

コミュニケーション取りたいって気づくということか。

栃尾

そうですね。どういうワークだったのか、忘れちゃったけど、私はそうでしたね。でも、私自身は結婚して孤独感はかなり消えたんですよね。でもやっぱり、子育てとかで、社会との接点が減ったりすると、やっぱりちょっと寂しさは復活してきたような気がしますね。そういうときのママ向けのワークだったのかもしれない。

宮田

社会と繋がっていない感覚っていうのは大きいかもしれないですね。その例えば、こういうコンテンツ配信されてたりしたら、物理的には繋がっていないんですけど、色んな人と繋がっていたりとか。

栃尾

そう。

宮田

声が返ってくるっていうのもあれば、例えばこれぐらい読んでくれているとか。

栃尾

PV(ページ閲覧数)的なやつね、はい。

宮田

というのもあって、僕もそれは大きかったんですよ。今の会社のサイトもそうなんですけど、僕も過去にブログだったりとか、まとめサイトだったりとか作るのが好きで。

栃尾

へぇ、そうなんだ。『NEVERまとめ』ですか?

宮田

自分のまとめブログって言えば伝わり易いですかね。

栃尾

へぇ、はいはい。

宮田

そういうのを作っているときに、自分の好きなことを書いていたら、同じようなことを好きな人たちが読んでくれていて、たまに僕がブログで「彼女にフラれた」と書いたら、「僕も今フラれて」って(笑)。

栃尾

(笑)。同志、同志。

宮田

物質的には繋がっていないんですけど、ちゃんと意図している、意図しているというか、自分が気になっていたり大事だと思っているところで繋がれているというのは大きかったなと栃尾さんの話を聞いていて思いました。

栃尾

そう、だから私も発信するのが尋常じゃないんですよね。

宮田

色んなもので。

栃尾

発信量っていうか、書いたり、音声もそうだし、ツイッターもそうだしっていう。 それは結局やっぱり寂しさがあると思うんですよね。人と繋がりたいみたいな欲求が。繋がっていないから欲求があるのか、それとも元々そういう欲求が強いのか、わかんないんですけど、たぶん繋がりたいみたいなのも、生きる上で切っても切れないみたいな欲求ですね。それでたぶん発信しているっていうのはすごく大きいと思います。

宮田

それは関心が近い人と繋がりたいというか、もう誰でも?

栃尾

なるほどねぇ。でもたぶん、自分が好きじゃないことを発信して繋がってもしょうがないと思っているということは、やっぱり関心が近い人とか共感できる人と繋がりたいんでしょうねぇ。だって、そうじゃなかったら、「美味しいスイーツ」とか言ってればいいじゃないですか(笑)。

宮田

僕、それをやっちゃって。20代というか、18、19、20くらいのときに、繋がることが目的化したときに、そこにある虚無感というか、例えば今のアカウントとは違うアカウント、例えばツイッターでひたすらフォロワーが増えて行ったときに、本当に自分が大事にしているものとの乖離感だったりとか、繋がっているけど……。

栃尾

繋がっているけど。

宮田

繋がっていると言えるのかという。

栃尾

俺とは繋がっていないみたいな。

宮田

そうなんですよ。その虚無感とかっていうのは、かなりあったような気がしますね。

栃尾

えぇ、そういうことをやっていたってことですね? じゃあ、やっていたんですか? 実際に……。

宮田

そうですね。

栃尾

自分の心、お腹の中から出てきたんじゃないものでアクセスを稼いでいた、みたいなことがあった?

宮田

そういうときもありましたね。あとなんて言うのかなぁ、言っていることに本気の納得感がないままに、ちょっと若干テクニック論に走るときというか、そこにある孤独感はありましたね、そのときには。

栃尾

でも、それこそ、そうなったときに違和感があるってことですよね。

宮田

そうですね。

栃尾

これじゃない感。

宮田

自分の中に違和感、自分で書いたものを自分で見て、「悪くないけど、なんか違う」ってちょっと自分では思っていて。でもそれに対して、例えば当時で言うと「ファボ」がついてたりとか、コメントが来たりとか、フォローが来たりしたときに、繋がれば繋がるほど、どんどん増していく孤独感みたいなのが。

栃尾

あぁ、そうなんだ。

宮田

自分というものが消えて行く感覚。

栃尾

そうですよね。自分だけ置いてけぼりって感じですかね?

宮田

そうですね、アカウントだけは先に走っていて、「あれ?」って。

栃尾

なんかのアイドルとか、芸能人みたいな感じかもしれないですね。

宮田

もっとすごい量になったら、そうなるのかもしれないですね。

栃尾

虚像みたいなね、なるほどね。 孤独から面白い話になりましたけど、でもそういうやっぱり繋がり、本当の自分と繋がっているみたいなのが結構大きいのかな?

宮田

そうですよね。

栃尾

ですかね?

宮田

本当の自分と繋がっていたり、本当の自分を見てくれている人と繋がれるかどうかというか。

栃尾

大きい、大きい。

宮田

それ大事だなと今話していてすごく思いました。

栃尾

ね、面白かった。はい、ということで今日はこんな感じですかね、以上、栃尾江美と。

宮田

宮田匠でした。

<書き起こし、編集:折田大器