【読むPodcast】 #186 「恥」の正体を考える(ゲスト:金子アユミ)

アユミちゃんゲストの第2回目! 今回は「恥」をテーマに話しました。「他者と一体化したい・わかりあいたい・つながりたい」といった欲求に伴い生まれる感情が「恥」なのではないか? という考えで話しました。また、他者に関係なく自分の中に恥を感じるという人もいるよね、という話も。

栃尾

クリエイティブの。

アユミ

反対語。

栃尾

こんにちは、ストーリーエディターの栃尾江美です。

アユミ

デザイナーのアユミです。

栃尾

このポッドキャストは、私、栃尾江美が、好きな人やお話したい人をゲストにお迎えして、クリエイティブに関することや哲学的なことを好き勝手に話す番組です。

アユミ

ほい。

栃尾

ほい、えっと(笑)、今回はですね、「恥」ってことについて。

アユミ

恥についてですね。

栃尾

アユミちゃんも恥ずかしがり屋ですけれど(笑)。

アユミ

あぁ、そうですねぇ(笑)。

栃尾

(笑)私は全然恥ずかしがり屋に思われないんだけど。

アユミ

(笑)。

栃尾

わかる?

アユミ

あぁ、はい、よく江美さん言ってますもんね。

栃尾

何て?

アユミ

「人見知りなのに、全然人見知りに思われない」って(笑)。

栃尾

そう、そう(笑)。

アユミ

はい。

栃尾

恥をこじらせ過ぎててさ、恥ずかしがり屋に見られるのも恥ずかしいワケ(笑)。

アユミ

(笑)。

栃尾

だからさ、シャイな人とかさ、ちょっと恥ずかしそうにかわいくするじゃん。

アユミ

はい、はい。

栃尾

あれも恥ずかしいと思っちゃうわけよ。

アユミ

あぁー。

栃尾

自分がやるとしたらね。

アユミ

そうですか。

栃尾

そう、そう。

アユミ

それはかわいいですね。

栃尾

言えばね。

アユミ

ね(笑)。

栃尾

(笑)でも、そんなことは誰にもわからないから。

アユミ

確かに。

栃尾

「なんで、こんなに恥ずかしいんだろう」って(笑)、ずっと思ってて。

アユミ

うん。

栃尾

で、なんか恥についてAmazonで検索したりしてもさ、結構高いのよ。

アユミ

うん、高い? 本ですか?

栃尾

恥について書かれている本とか高くて。

アユミ

へぇ。

栃尾

「中身も知らないで買えないな」っていうぐらいの値段だったりして。

アユミ

あぁ、じゃあ、人気があるんですかね?

栃尾

いや、人気がなくて絶版だから高くなってるんだよ、たぶん(笑)。

アユミ

あ、そういうこと? そういうことっすね。

栃尾

人気の本って1円とかになるやつだから。

アユミ

そうなんですか?

栃尾

そう、そう。

アユミ

逆だと思ってました。

栃尾

まあ、絶版になってから人気が出ると高くなるけどね、もちろん。

アユミ

そうなんですね。

栃尾

だけど、最近「やっと正体を掴みかけた」みたいなのがあって。

アユミ

おぉ、どんなことで?

栃尾

それはね、『愛するということ』(エーリッヒ・フロム)っていう本があるんだけど。

アユミ

はい。

栃尾

それに、とにかく「愛」について、「愛」っていうか、「愛する」っていう行動なんだよね。「愛」っていうものじゃなくて、「愛する」っていう行動であるってことが永遠と書かれていて。

アユミ

はい。

栃尾

『愛するということ』に書かれていたのは、「人が求めているのは」、ちょっと長くなりそうだけど…

アユミ

あぁ、いいっすよ。

栃尾

「究極的には、他者と一体化したいものだ」っていう風に書かれていて、でも、アユミちゃんは”それ”そんなにピンとこないって、さっき言っていたけど。

アユミ

そうですね。

栃尾

だけど、例えば私がよく言ってる「人とわかり合いたい」みたいなことも、「その精神的なたった一部でもいいから、一体化したい」っていう思いにたぶんすごい近いの。

アユミ

はい。

栃尾

で、話を聞いてほしいとか、共感したいとか、例えば映画を観てさ、共感して涙を流すとかそういうのも、たぶん誰かと一体化したいっていう感じなんだろうなって私は解釈していて。

アユミ

うん。

栃尾

私はそこにすごいビビッと来たのね、そのフレーズに。

アユミ

あぁ。

栃尾

そこになんて書いてあったかというと、「アダムとイヴの物語が聖書に書かれています」と。で、「アダムとイヴっていうのは元々1つのものだったのに、ある時から2つの人に分かれた」と。「その時に、恥が生まれた」と書いてあったの。で、「裸であることを恥じた」って書いてあって。

アユミ

うん。

栃尾

だからまず、「他者がいるから恥ずかしいんだ」っていうのが、「確かにそうかもしれないと思ってたけど、そうなんだ」という発見と、あとその、例えば恋人同士とかでさ、そういう関係になる前って、すごい恥ずかしいんだけど、だんだん親密になってくるといちいち恥ずかしくなくなるでしょ?

アユミ

うん、うん。

栃尾

だから「そういうのも、だんだん一体化に近づいていくと恥が消えていくのかしら?」と思って。

アユミ

江美さんは、恥を消したいんですか?

栃尾

恥っていうのはさ、嫌なものなんだよね、やっぱり私にとっては。

アユミ

あぁ、そうなんですね。

栃尾

そう、そう。

アユミ

はい。

栃尾

嫌じゃない? 嫌だから、恥じゃない?

アユミ

はぁあぁぁ、わっかんないっすねぇ、私、結構色んなことに恥ずかしがっちゃうタイプで。

栃尾

嫌じゃないの?

アユミ

いやぁ、確かに嫌ですね。

栃尾

(笑)。

アユミ

なんか「恥ずかしがっている自分」が確かに嫌ですね。

栃尾

嫌じゃなくなったら、もう恥じゃないと思うわ。

アユミ

あ、そっか。

栃尾

うん、もう恥を乗り越えてるもん。

アユミ

それが「愛」ってことなんですかね?(笑)

栃尾

愛?(笑)、わかんないそれ、具体例がないとわかんないけど(笑)。

アユミ

(笑)。

栃尾

そう、どこまで話したっけ? そう、恥は嫌だよ。恥は嫌で、無くしたいのかなぁ? でもね、その恥を一つ乗り越えたところに、一つ喜びがあるのは確かな気がするんだよね。でも、それは「恥があるからこそ」っていうところもあるっていうか。

アユミ

おぉぁ。

栃尾

「人見知りだったけど、人と仲良くなれた」みたいなことがあると、「恥ずかしいけど」みたいなところがあるのかなぁ?

アユミ

ぅーん。

栃尾

(笑)。例えばね、何で私すごい恥ずかしいのかっていうと、「ひかれる状態」がすごい恥ずかしいの。

アユミ

「えっ」ってやつですね(笑)。

栃尾

そう、「えっ」ってやつ、そう。「私は詩を書いています」っていうときに、「わっ」てひく人がいるわけよ。

アユミ

あぁ。

栃尾

その状態って、もう孤立しちゃうわけだよ自分が。他者とわかり合えなくて、分断された状態。

アユミ

寂しいですね。

栃尾

そう、寂しい状態を、すごく恐れている…

アユミ

なるほどですね。

栃尾

だけど、それを受け容れられたらむちゃくちゃ嬉しいわけ。

アユミ

「私もやってるよ」とかそういうやつですか?

栃尾

とか、「そういうの良いよね」とか。

アユミ

あぁ、うん。

栃尾

「そういう人好きだよ」とか。あとなんか「いいんじゃない」って普通でもいいよ、別に。共感してくれなくても、ひかないっていう。

アユミ

あぁぁ。

栃尾

うん、そういう状態はすごく嬉しいわけだよ。受け容れてもらえたみたいな。

アユミ

確かに、そうっすね。

栃尾

そう、そう。だから、その恥っていうのは、その間(あいだ)に渦を巻いているものらしいっていう(笑)。

アユミ

相手の出方で自分の恥が決まるんですかね、そうすっと。

栃尾

そう、たぶん。例えばさ、ギャグを言ってもウケないと恥ずかしいじゃん。

アユミ

はい、恥ずかしいです。

栃尾

それもひかれてることだと、私としてはね、ひかれてることで。

アユミ

はい。

栃尾

そうすると、「言う前にウケないかもしれないと思って恥ずかしい」のもそうだし、「言ったあとにウケなかった」っていうのも恥ずかしくって。

アユミ

(笑)。

栃尾

もう、家に帰ってウジウジしちゃうみたいなやつも恥ずかしいじゃん、ずうっと(笑)。

アユミ

思い出しても恥ずかしいみたいなね、発狂しちゃうみたいな(笑)。

栃尾

そうそう(笑)。結局、相手の気持ちが離れてしまったみたいなことが、離れてしまったことと、さらにそれを恐れている状態が、私にとって恥なのかな、って。

アユミ

あぁ、そうなんですね。でも、私、それ以外にも、自分が言っちゃったことで、誰もひいてないのに、スッゲェ恥ずかしくなるときとかがあるんですよ、自分の中で。

栃尾

(笑)。どういう(笑)、どういうとき?

アユミ

えっ、なんか別に照れなくてもいいときに照れちゃったりとか。わかりますか?

栃尾

えっ? でも、誰かがいるときなんでしょ、絶対に?

アユミ

あぁ、そうっす絶対誰かがいるときです。相手がいて、自分がいて、自分がなんか言っちゃって。相手は、「んー」って言ってるのに、自分はめっちゃ恥ずかしいみたいな。

栃尾

それはさ、例えば別の反応だったら恥ずかしくなかったの?

アユミ

いや、どういう反応をいただいても、恥ずかしかったと思うんですよね。

栃尾

例えば、どういうこと?

アユミ

ちょっと言えないっすけど…

栃尾

(笑)。

アユミ

(笑)。

栃尾

下品なこととかってこと?

アユミ

いや、なんだろうなぁ、例えばその、「このコップすごい、なんかパイナップルみたいだね」って言ったときに、「んー」って言われたときとかはめっちゃ恥ずかしいっすね。

栃尾

全然、わかんないよ。

アユミ

あぃぃっ。パイナップルじゃないじゃないですか、どう考えても。

栃尾

パイナップルじゃない。あとから気付くってこと?

アユミ

あとから気付くんです、言って。

栃尾

あっ、言ったときには気付かなかったけど。

アユミ

あっ、言って気付きます、だから。

栃尾

言ったあとにね。

アユミ

瞬時に気付いて、顔真っ赤っ赤になっちゃうやつですね(笑)。

栃尾

(笑)。

アユミ

それはスゲェ恥ずかしいっすね。

栃尾

でも、それはパイナップルだって思ったことは別に恥ずかしくないんでしょ? 言ったことが恥ずかしい?

アユミ

なんかたぶん、パイナップルと思っちゃった自分が恥ずかしいんじゃないかと思うんですよ。

栃尾

(笑)。

アユミ

たぶん(笑)。

栃尾

なるほどね、あぁ、そうそう、恥ずかしいにも2種類あるなっていう風に思っていて。

アユミ

あぁ、はい。

栃尾

私がすごく強く感じるのは他者に対して、他者にどう思われるかっていうことの恥ずかしさなんだけど。そうじゃなくて、今みたいに、「なんでそんな自分なの?」っていうことに恥ずかしさを感じる人も結構いるみたいね。

アユミ

今、江美さんの見解では、恥には2種類あるってことですよね。

栃尾

そう、2種類ありそうだっていうことが、色んな話を聞いて判明していまして。割とやっぱり、外からの評価とかをそんなに気にしていない人は、他者に対する恥ってのをあんまり感じなくて。

アユミ

あぁ、そうですか。へぇ。

栃尾

わが道を行くみたいな人ね。で、だけどやっぱり人目を気にしたりしている人は、他者からの恥を感じるんだけど、感じない人たちっていうのは、内面で「うわ、自分はこんな人間だったんだ」「こんなことも知らなかったんだ」みたいなことに、誰に思われるでもなく自分で恥ずかしいって言ってた。

アユミ

あぁ、そうなんですね。

栃尾

うん。

アユミ

結構、それ統計とったら面白そうですね。

栃尾

それね。

アユミ

みんなどう感じているのか、とか。

栃尾

確かにね。

アユミ

江美さんの恥に対する最終目的地点とかも見えてきそうな気がしますけど。

栃尾

何がしたいんだみたいな。

アユミ

何がしたいというか。

栃尾

そうそう。

アユミ

恥がなくなる瞬間がなんかこのまま行くと江美さん、ある気がするんですよね。

栃尾

あぁ、そういうこと? なんか、自分の中でか。なくなる…あるのかなぁ?

アユミ

パンッと、なんか江美さんが悟りを啓いたときにでも、なる気がするんですよね。

栃尾

なるほどね。でも、人に対しては随分なくなっているよ。

アユミ

うん。

栃尾

初対面でさ、ちょっと自分をガードするみたいなのは、随分なくなっているね。それは相手も怖いんだろうなとか、想像すると、自分から開けていこうみたいな。

アユミ

あぁ、いいですねぇ。

栃尾

みたいなのはあるけどねぇ。

アユミ

私もそういう意味では、結構ガードしてしまいがちなので、ちょっと緩くしたほうが相手はいいかもしれないですね。

栃尾

うん。そう、そう。それで私のさっきの仮説のさ、「一体化したいとか、人と繋がりたい、分り合いたいみたいな欲求があるからこそ、それを拒絶されたときに恥じる」という私の仮説からすると、恥ずかしがっている人ほど、人を求めているじゃないかって気がするの。

アユミ

あぁー、そうかもしれない。

栃尾

結構さ、あの人、人見知りだなとか、恥ずかしがり屋だなって思う人とかってさ、話しかけてあげるとすっごい喜ぶじゃん。

アユミ

喜ぶ。

栃尾

(笑)。

アユミ

喜びまっす。

栃尾

アユミちゃんがってこと?

アユミ

そう、そう。

栃尾

私、本当になんか人を求めているって感じがするんだよね。だから、そういう見極め方をするみたいなのもありなのかなとか。だとしたら、結構説明が付くなと思って、私はね。

アユミ

うん、うん。本当ですね。

栃尾

人を求めているのと、恥との強さっていうか。

アユミ

うん、うん。

栃尾

そうであるほど。でも、「人を求めずに自分は自分みたいになったら恥ずかしくない」ってことなのかね?

アユミ

でも、そうすると、またちょっと寂しさもあるんですよねぇ。

栃尾

そう、そう。そうなんだよね。

アユミ

なんか「人は人、自分は自分」ってなかなか思い切れない部分があるから。

栃尾

例えば、私の欲求みたいなものが、本当に人と一体化することだったら、絶対に叶わないじゃん、一生。

アユミ

そうですね、全部が全部一緒になるっていうのは難しいですもんね。

栃尾

そう、果てしない欲求なんだよね、叶わないから(笑)。

アユミ

果てしないですね。なんか切ないですね。

栃尾

(笑)。そう、だから、そうしたらいつまでも恥はなくならないのかなとも言える。

アユミ

そうか、そうかも。

栃尾

と思いまして。

アユミ

はい。面白いですね。

栃尾

そう思うとね、まあ、これぐらいにしておきますか? ちょっと早いけど。私はですね、何を告知しようかな。えっと、『note』を書いておりまして、色々好き勝手『note』を書いているんだけど、「今日の140文字」っていうのを、更新するだけの『note』があって、Twitterにも平日は毎日投稿しているんだけど、Twitterは雑多なことを色々書いているけど、その「今日の140文字」っていうマガジンには、その140文字だけをひたすら書いているので、良ければ探してみて、見てください。

アユミ

何年ぐらい今やってるんですか?

栃尾

えー。

アユミ

結構長いですよね、もう?

栃尾

長い。2、3年じゃん? まあ、2年か。

アユミ

ですよね、いや、毎日、大変だ。

栃尾

でも、こっそりお休みしてるけどね、実は。思いつかなかったりするから、結構。

アユミ

そうっすよね。

栃尾

割とその日に思ってることを書くっていうのがポリシーで。ストックはしないっていう。

アユミ

素晴らしい。

栃尾

という感じでございます。

アユミ

はい。

栃尾

はい、じゃあ、以上、栃尾江美と。

アユミ

金子アユミでした。

<書き起こし、編集:折田大器